15話 三度目
やっぱ、属性魔法が使えてこそファンタジーだよね!(真樹に対する煽り)
スマホにメールが来ている。
件名:探してください
本文:魅霊遊園地のお化け屋敷の前に来てください。
僕は何も疑わず、出かける。
着いた。誰もいない。
置き手紙がある。
件名:探して
本文:人形の館のミラールームに来て。
僕はそこに向かう。
着いた。自分以外何もない。
自分の頭にメッセージが浮かぶ。
件名:探せ
本文:子執の迷宮に来い。
三度目の正直だ。僕は進む。
二度あることは三度ある。深く潜ってしまった。
目の前に宝箱がポップする。
僕は開けた。
そこにはグロ..
そこで飛び起きた。
ここは、ベッドの上だ。クロッツの王宮だ。
朝です。おはようございます。
なんか詳しくは覚えてはないが、意味不明な夢を見た。すごい悩ましい。そのうち意味が分かるんだろうかね。
…まあ詳しく覚えてない夢について悩んでもしょうがないか。
もうこちらでの生活にもだいぶ慣れた。地球に帰れるなら勿論すぐそうするけど…。
今日の勇者育成訓練は、昨日の続きだ。
ちなみに、ソフィアさん曰く、僕みたいに属性魔法をサブで使う人は、雷や風、水といったいろいろな場面で使える属性を覚えることが多いらしい。
では、昨日からの訓練の成果をお教えしよう。(^o^)v
なんと、【火魔法】の"ファイアー"【風魔法】の"ウインド"【雷魔法】の"サンダー"を覚えられた上に、少し時間が余ったので【水魔法】の"プチウォーター"を手に入れることができたのだ!【多重発動5】も【多重発動9】になったし。属性魔法はなんかファンタジーっぽさがとりわけあるから、テンションがマジ上がるわ!
しかしなんと言っても、MVPは【洞見眼】だろう。やっぱり【洞見眼】でメイド教官の使う魔法をよく観察できたのが良かったらしい。ほんとイメージがしやすかった。使えるなあ、【洞見眼】は。
訓練が終わったら皆に魔法の進捗を聞いてみた。実は、僕が休んでたり訊けなかったりしたので、実質3日分の進捗だったりする。
真樹は、相変わらず、ひたすら教官と【魔力吸収】で魔力を吸い取りあったり【魔力放出】で魔力を渡しあったりして練習しているらしい。飽きないのかと思って訊いたら、「抜いたと思ったら手加減されててまだ上があったことに気付くから飽きない」とのこと。それ聞いて、教え方上手いなーと思ったね。確かに達成感と挫折の連続だと飽きが来にくいよね。飽きるのって、刺激が無くなったときだから。でも「ストレスたまんない?」って聞いたら「時々教官に【水分吸収】かけてるから発散できてる」って言いやがった。…うん、真樹らしいよ(棒)
岬は、【軟化】【微縮小化】を直近2日で覚えたらしい。なんでも、自分の強みが手札の幅広さしかないし、それくらいだったら一つ自分の強みを作ろうと【軟化】を練習しまくっていたと苦笑いしながら語ってくれた。…うん、完璧僕のせいやないか!僕が【洞見眼】という激レア魔法を手に入れたために、ちょっと複雑な思いを抱かせていたのは少し申し訳なく思うけど、逆にいえば皆が自分の強みを作って唯一な存在になるきっかけになったからいい事ではあるのかな。
紫吹は、【火魔法】などの初級魔法の派生技を手に入れるために魔法操作を頑張っている。ちょっと訓練の成果を見せてもらったらすごかった…。めちゃくちゃ火球がぐにぐに変形する。最終的に、一瞬で思った形に変形させるところを目標にしているらしい。目標が高い…。紫吹の強みはもうあるな。僕みたいに、上級魔法の形ではないけど、魔法の操作力がエグい。これは、普通に強いぞ。最小の魔力で最大限のダメージを狙えるからね…。
金木は、【耐性作成】を何とか手に入れたみたいだ。何とか手に入れたのだ。今日までかかってようやく手に入れたのだ。めちゃくちゃドヤってきてウザかったとだけ言っておこう。
如月は、なんと上級魔法を覚えたらしい!皆も聞いていなかったみたいで、全員驚いていた。名称は【千変万化】だ。自分の見たことのあるものの姿に変化し、その姿の能力の一部を使えるという魔法だ。…あれ?僕の【洞見眼】より圧倒的に有能じゃね?なんか【洞見眼】が霞む程の良能力じゃね?ええぇ…。なんか悔しいな…。もちろん如月は【耐性作成】も手に入れているという。ええええぇ………。
部屋に戻ると、後から入ってきたミーシャの機嫌がすこぶるいい。【洞見眼】を使ってみると、やっぱり教え子が上級魔法を覚えたことを誇りに思っているみたいだ。少し迷いが混じっているのは追い抜かされる恐れ故かな?あくまで【洞見眼】は観察力の延長なので、それだけでは推測の域を出ないのだ。うーん、最近知らず知らずの内に唯一上級魔法を持っていた身として天狗になっていたなぁ…。この調子だと周りもすぐ上級魔法を手に入れるな…。紫吹あたりが次に手に入れそう。
寝る前に魔法の多重詠唱で【火魔法】を限界まで出してクルクル円を描かせて飛ばしてみた。サバトをやってるみたいで奇妙な背徳感と高揚感が襲ってきてなかなか面白かった。ついでに言うと、サバトとは又の名を黒ミサ、俗に言う悪魔崇拝である。え?なんでそんな事を知っているかって?これくらい高校生男子の常識だろ?一回は厨二めいた欲望で黒ミサとかに憧れるじゃん?…黒歴史だけど。まあそんな事をしてたら【多重発動9】が【多重発動11】になった。…決して厨二が再発したんじゃないよ?(言い訳)
明日はいよいよダンジョンに潜る日だ。なんだかんだ僕らはまだ異世界人といえば王宮の一部の人しか知らないからな…。ちょっと楽しみ。そ、そんな遠足の前のハイテンション的なもののせいでサバトしたんだよ…(復刻の言い訳)
では、おやすみなさーい…
紫吹の訓練方針は、作者が派生技考えるのダルかったからです、ハイ。まあ紫吹は純然たる魔法使い枠なんでいいんですけど。
あと全然魔力の設定が出てこないのは作者も書いてて予想外。ダンジョン編では流石に使うと思います、魔力関連の設定。使います(決意)