大学2回生、3月
大学2回生、3月。
大学入学から2年間、美雨ちゃんは頻繁にマンションに来てくれた。
それで、夜には俺が送っていく。
俺が大学2回生、美雨ちゃんが高校3年になってからは、俺の部屋で受験勉強をした。
無事美雨ちゃんも、俺と同じ学部に合格。
・・・美雨ちゃんも合格順位でキリ番を踏んで、代表で何か読まないといけなくなったのはご愛敬。
4月からは、家賃節約の為、美雨ちゃんとルームシェア。
幾ら親友の兄とはいえ、本当に良く信頼してくれていると思う。
・・・家賃もそうだけど、時間や交通費の節約も大きいな。
「おにーさん!」
美雨ちゃんが抱きついてくる。
呼び方は、先輩からおにーさんに戻ってしまった。
また4月からは変わるのだろうか。
「美雨ちゃん、今日も可愛いね」
もぎゅ
本当に大きくなったなあ。
「や、可愛いとか・・・またそんな・・・」
・・・
「と言うか、外でやめて貰えませんか?本当にお兄さんは救いの無い変態ですね」
ドスを効かせた声で言われる。
「ごめん・・・思わず」
「まったく・・・」
こてん
ぷくーと膨れたあと、顔を胸に埋めてきた。
・・・可愛い・・・
2人で住む事は、俺の親も把握している。
それにしても、うちの親は時々おかしい。
最初に報告した時も、
「孫の顔を見るのは楽しみだけど、人生設計はちゃんとするように。大学は出ておきなさい」
と、今それ関係ないよね、って事を言ってきた。
俺も美雨ちゃんも、意味が分からず、苦笑い。
美雨ちゃんの両親も、了承済みだ。
娘の親友の兄とは言え、信頼し過ぎだと思う。
それだけ凛夏が凄いって事なんだけど。
そう言えば、美雨ちゃんの両親も、最初に報告した時、おかしな事を言っていた。
「孫の顔を見るのは楽しみだけど、出来れば美雨が卒業し、きっちり形式を整えて、それからにして欲しい。私達にも心の準備もあるしね。無論、君は信頼しているが・・・それでも、親として言わせて貰うよ」
つまり、悪い虫がつかないように見張れと。
いや、美雨ちゃんをもっと信頼してあげて。
自分でそこは判断出来るよ!
・・・無論、同意無く美雨ちゃんを襲う輩がいれば、排除するけど。
高校剣道全国大会3連覇を舐めるな、って奴だ。
美雨ちゃん自身、空手の全国大会連覇してるから、大抵は大丈夫だけど・・・でも、最近色々有るしね。
うん、頑張って守ろう。
・・・おかしな事でも無かった。
「美雨ちゃん、君は俺が守るよ」
「ふえ?!」
美雨ちゃんが驚いて、俺を見上げる。
しまった、口に出た。
「はい・・・宜しくお願いします」
くてん
さらに力を抜いて、もたれ掛かってきた。
倒れない様に、強く抱き締めた。




