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2、出会い

「ルイスが女の子を連れてくるなんて、もしかしてその子に一目惚れしちゃったの?」


くすくすと、金髪の男が笑う。


「彼女は、既に女神に気に入られているようだ。」


未だ私の腕を掴んでいる男がそう口に出した瞬間、私を取り囲んでいた男達の顔が固まる。


「....あの。ここはどこなんでしょうか?学校に行かなきゃいけないんですけど…。」

「....あっ!ごめんね、なんにも説明せず混乱するよね。じゃあ、とりあえずこのソファに座ってもらおうか。」


ニコニコと金髪の男が、私の手を優しく掴みソファへとリードされた。



*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*



「まずは自己紹介から行こうか!僕は、アウレリオ・リトリート。リトリート王国の第一王子だよ。よろしくね、子猫ちゃん。」

「はぁ...?(子猫ちゃん?)」

「僕のことは、レオって言ってくれると嬉しいな。」


マシンガントークを繰り広げる金髪の男は王国の第一王子だったらしい。確かに、軽くウェーブがかった金髪にスカイブルーの瞳はいかにも王子らしい。


「よろしくお願いします。レオさん。」


私の言葉を聞き、満面の笑みを浮かべたレオが、私の隣に座ろうとしていた。


「レオさん、いい加減にしてください。」


夕暮れのような濃い赤紫色の髪と夜明けのような青紫色の瞳をもった、男がレオを止めに入った。眼鏡をクイッと中指で上げてから私の方を見た。


「すみません、申し遅れました。私は、セルジオ・マフラードです。先程の、アウレリオ・リトリートの無礼をお許しください。」

「大丈夫ですよ!全然気にして無いですから...!」

「...全く、この女性が心が寛大な方で良かったですね。」

「ははは...すみません、以後気をつけます。」


レオは、気まずそうに笑いながらセルジオに謝っている。「セルには敵わないな…。年下のはずなのに。」と聞こえた気がしたが、レオの名誉ために聞こえないふりをした。


「俺は、ルイス・バッチャー。さっきは、強引に連れてきて悪かった。」

「すこしびっくりしました…。」


フードを脱いだ彼は、紺色の髪を整えながら金色よりの茶色の瞳を申し訳なさそうにこちらに向けた。なんだ意外といい人じゃないか。


「あっ、私、若月詩乃と申します。よろしくお願いします。」

「シノという苗字は、珍しいですね。」

「あっ....!若月が苗字です。私の国では、名前と苗字を逆に言うんです。」

「そうなんですか。」


ここでは苗字を先に言うべきだったな。すこし後悔。ようやく落ち着きを段々と取り戻し、改めて3人の顔を眺めた。レオ、セルジオ、ルイス、3人とも美形であることがわかった。そして、私は悟った「これは夢だ。」と。

夢と決まれば、この夢を楽しんでみようと私の中での結論が出た。その頃、先程の行動が嘘ような、真剣な顔をしたレオが口を開いた。


「君をここへ強引に連れてきてしまって、混乱させてしまったことは本当に申し訳ない。...君を連れてきた理由を単刀直入に言うと。」


「君に魔王になってほしい。」


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