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序章「不条理」
最近流行りの転生ものですが、重厚な設定・世界観で製作しました。是非お気軽にお読みください。BYオニヤマダ
「どうしよ・・・苦しい・・・」
胸が苦しくなったのは夕食を終えた後だったか、鷲尾美菜は自分の健康状態に前例のない不安を抱いた。高校2年16歳の春、若さの極致である十代で身体を患っているのかと。自室で横になるも症状は悪化するばかり、遂には呼吸もままならない有様。
「(嫌だ・・・嫌だ!!こんな死に方なんて!!!)」美菜は朦朧とする中、死を実感し、その現実に恐懼した。
直後の出来事だった。目前の壁から渦が生じ光が差し込めた。その光の先から絢爛華麗な観音菩薩が出現し、美菜を光の渦へ誘うのであった。