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異世界ぐーたらゲーム録  作者: 娯楽作品の虜
始まりまでの物語
5/37

ゲーム5

今回はちょっとシリアスかも知れません

夜ーー静かな雰囲気に当てられ哲学的な考えを渙発される時間帯。

のはずなんだが…………。


「ひゃっはー!!怨めしや怨めしや!」

「呪い呪い呪い呪い呪い呪い……」

「なあなあ、殺らないか?」


「ウホッ、いい幽霊……じゃねえ!」


「なんだよ少年、反抗期か?」

「そうだぜひゃっはー!!」

「呪い呪い呪い呪い呪い呪い……」


あの後アイナは「命令なんだから決定よ」と言っていたがロミーナさんの「どちらにしても考える時間が必要」との一言で、今晩はアイナ邸の一室を借りさせてもらい、考える時間をもらった。


そこでじっくり静かに考えようと思っていたのに…………。


「なんで、こんなに幽霊が出るんだよ!?」


「なんだよまるで幽霊が出ちゃいけないみたいな言い方だなひゃっはー!!」


「いやいけないだろ!何でそんなホイホイでて来てるんだよ!しかも全然怖くないし!」


「呪い呪い呪い呪い呪い呪い……」


「あ、嘘前言撤回あなたは怖いです」


何なんだよ一体……さっきからずっと呪いしか喋ってねぇぞほんとに呪われたりしないだろうな……?


「ホイホイ……チャーハン?」


「いやごめんお前も怖いわ別の意味で」


そして何なんだよこいつ幽霊かつガチホモとかキャラ濃すぎだろ常に背後は壁にくっつけとかないと心配で話すのも怖いわ。


「とにかく! あっち行っててくれよ、俺は今考え事してるんだから、後で相手してやるから」


「少年……それはつまり俺とレスリングを……」


「いやごめんお前の相手は無理だわ」


「呪い呪い呪い呪い呪い……」


「うーん、ちょっと相手は難しそうだな……」


「まあまあ、一体何を悩んでるんだ?ひゃっはー!!」


「お前は一々語尾にひゃっはー!!をつけないといけないのか!?」


「話してみなさい少年」


「呪い呪い」


ガチホモの霊と、ひゃっはーの霊、それに呪いの霊までなにやら話を聞く体制だ。


呪いの霊は聞こうとしてるんだよね?何度も聞くけどホントに呪われたりしてないよね!?


「え……えぇー?」


まあ、幽霊だから別に話しても害はなさそうだしいっか……。


「実は、この屋敷の主人のアイナなって人にここの使用人にならないか?って言われたんだ……それでどうするか悩んでて……。」


「そんなことより……殺らないか?」


「ひゃっはー!!」


あ、これダメな奴だ……はぁ、こんなやつらに話すんじゃなかった、時間の無駄だったな。


「呪い呪い……」


「ぐ!?」


「ひゃ!?」


「え?」


諦めて独りで考えようと思った瞬間にいきなりホモとひゃっはーが倒れた。


「貴方たち……あんまり人の悩みをバカにしてると……呪うわよ?」


「いやもうその2人気絶してるんですけど……」


てか、呪いの霊呪い以外も喋れたんだ……。

「あらごめんなさい、つい癖で……ね?」


なんと、二人?の暴走を止めくれたのは呪いの霊だった。


てか、呪いの霊髪上げたらめっちゃかわええ!

純白の肌にしっとりとしてそれでいてサラサラな透き通るような黒髪が、白装束に映えている。

ロミーナさんも相当な相当な美女だったが、こっちはTHE!美人って感じだ。


「ごめんなさいね性質上感情が高ぶるとすぐ呪っちゃうの」


「いえいえ、それよりありがとうございます」


「いいのよ、それで、さっきの話だけど……」


「あ、えぇ……」


どうやら今度は真面目に話を聞いてくれるらしい。


「あなたは使用人になりなさいって命令された時、どう思ったの?」


「え?そりゃ戸惑いましたよ、まだ16歳ですし仕事の経験なんてした事無いし…………でも、少しだけ嬉しかったです」


「何故?」


「俺の両親……俺が物心つく前に事故で死んじゃって……それで、親戚の家に引き取られたんです」


「…………」


「でも、その家にももう息子がいて、お金は貰ってたから金銭面では苦労しなかったんですけど……なんというか、必要とされていないというか、もちろん口に出して直接言われたわけじゃないんですけど……邪魔者扱いだったんです。 だから、使用人になりなさいって言われた時はなんか、必要とされてる気がして……少しだけ嬉しかったんです」


「なるほど……少しだけ……関係ない話をしてもいいかしら?」


「?いいですよ?」


「アイナの話……ってよりはこの世界の話なんだけどね。 私、幽霊になる前は何だったと思う?」


「人間……ですよね?」


「いいえ、違うわ。 私は幽霊になる前なんてなかったのよ」


「え?」


「うふふ、ごめんなさいね意地悪なクイズで」


「いや、でも、幽霊っていうのは何かが死んでそれが幽霊になるものなんじゃないんですか?」


「まあ、普通はそういうものなんでしょうね……。 でも、この世界だと違うのよ。

幽霊は幽霊として生まれてきて、

キメラはキメラとして生まれてくる。

進化の過程でおかしくなった生物は進化した後の状態でいきなり生まれてくる。

見た目も全くのランダム。

つまり極端な話生まれた瞬間に100歳の人だっているの。

そして、見た目は一生変わらない。

しかも何も無い空間からいきなりそこに発生する。


それがこの世界、なんでもありの何にも決まってない世界。


さて、ここで質問」


「はい……」


「何にもないおっきな屋敷にある日突然17歳のちっちゃな魔女が生まれてきましたこの子にとって日々はどんなものでしょう?」


そりゃまた誰かに似た無関係な話の女の子だこと……。


「退屈?」


「正解。 そう、相当に暇だろうね、そして退屈だろう。好奇心は人を殺すと言うけども、退屈は人を腐らせる。

ある日ついに独りぼっちの魔女は壊れてしまいました。壊れた魔女はあちこちを破壊して回りました。

やがて魔女はお尋ね者になり、とあるハンターに追い詰められてしまいました。

しかし、あろう事かハンターは魔女の周りの環境に同情し、身の回りのお世話するようになり、文字通りその身の下に付きました」


「…………」


「暫くして召喚魔法を覚えた魔女はやたらめったら召喚しまくります。

巨大なドラゴンや、幽霊、そして……見知らぬ人間を……あら?どこに行くの?」


「いや、ちょっと用事思い出してな」


「あらそう、それは残念……ここからが楽しい所なのに……」


「いや、いいんだ、その先はもう知ってる」


「そう……、最後に一ついいかしら?」


「なんですか?」


「その、ちっちゃな魔女さんも、その見知らぬ人間とお友達になれたら、「ちょっとだけ嬉しい」と思うわ」


呪いの霊は穏やかな笑みで最後の一言を付け加えてくれた。


……なんだ、幽霊でもいいヤツいるじゃん。

さて、急ぐか!




「結局、ちっちゃな魔女に見知らぬ人間は忠誠を誓いましたとさ……なんてね♪」

シリアス回は難しい←真理

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