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異世界ぐーたらゲーム録  作者: 娯楽作品の虜
グダグダ使用人ライフ
22/37

ゲーム20

ロミーナさんに、寝相の悪いらしいアイナを起こしに行くのを手伝ってくれたらなんと、背中を流してくれてもいいと言うお色気展開!

これは是が非でも行くしかない!


「さて、ここがお嬢様の部屋なわけですが……」


俺は今、寝相が悪いらしいアイナを起こすためにロミーナさんに頼まれてアイナの部屋の前に来ていた、確かに「部屋」だと聞こえたし、俺自身も部屋に来るつもりだったはずなのだが……。


「あの、ロミーナさん、これ部屋ですか?どう見ても戦場跡地なんですけど……」


まずドアという物がないし、床や天井は砕け割れ、シャンデリアは落下しバラバラだし、何処か焦げ付くような火薬の匂い、中央に横たわる人影が恐らくアイナなのだろうが布団何てものは一切なく、着ているパジャマ(?)のような物も所々破れている。


っていうか、これ襲われたんじゃね?

で、もうやられた後とか。


「いえ、お嬢様は生きていらっしゃいます」


しかし心の声を聞いたであろうロミーナさんは確信を持ってすぐさまそれを否定する。


「え?なんで分かるんですか? もしかしてそれも魔法ですか?」


魔法の力ってすげー、っとついついテンプレの返しを……。


「いえ、まあそれも有りますが、私もかなりギリギリでしたので、気絶する程度だったかと……」


「なるほど……って「私」も? ロミーナさんとアイナって昨日闘ってたんですか!?」


「えぇ、まあ、少し色々ありまして……」


「でも、二人の相手なんて出来る人この世界に存在するんですか?」


確かファティ曰く二人共それぞれのジャンルの魔法のトップクラスの実力者だと聞いているけど、そんな二人と対等に渡り合うなんて……ゴクリ。


「どうやら少し優希さんは勘違いをされているようですね、「私達が闘った」の「が」は、共闘ではなく対立の意味で使ったつもりだったんですが……。」


え? 二人が誰かと闘った、じゃなくて、二人が闘った?

って事はつまり……。


「えぇぇ……てことはこの部屋も二人の喧嘩でこうなったって事?」


「はい、恥ずかしながら……」


一晩の喧嘩でこんな大理石でも使ってそうな部屋の壁とか全壊って、どんな喧嘩だよ! それにしても一体何をどう喧嘩したらこうなるんだよ……。


「いやー、お嬢様も殆ど全力でしたし、流石の私も死ぬかと思いましたよ……」


ロミーナさんはその時のことを思い出しているのか、少し冷や汗でもかいているかの様な反応をする。


「あれ? でも、アイナが気絶しててロミーナさんが起きてるって事はロミーナさん勝ったんだよね? そんな危機的状況からどうやって勝ったの? なんか必殺技でも使ったとか?」


「いえ、必殺技はずっと使いっぱなしでしたよ、正直それでもかなり劣勢でした」


マジかよ……てか、それでも劣勢ってアイナどんだけ強いんだよ。


「お嬢様はお強いですよ、それこそこの世界を軽く滅ぼせるぐらいには」


とんだ大魔王さまだな……それにしてもそんな二人の戦いか、正直少し怖い気もするが見てみたかったな。


「私は出来たらもう暫くはあんなのは御免ですね……次は確実に生きていられる自信がないです」


あの自信家のロミーナさんをして、そこまで言わせるとは……アイナって一体どんだけ強いんだよ……。


「でも、それだけ強いアイナに今回は勝ったんでしょ? 一体どうやって勝ったの? やっぱり頭脳戦とか?」


弱いものが強いものに勝つ、即ちジャイアントキリングは頭脳戦や、心理戦によって成されることが殆どだ、ましてやあの天才のロミーナさん、一体どんな作戦を……。


「いえ、正直勝てたのは全くの偶然でして、亜音速で部屋を精一杯逃げ回っている時のことなんですが……」


「ごめん、その時点で割と脳が追いつかない」


「亜音速」で? 「逃げ回る」? まず人間(?)に、亜音速という速度が出るのかという事自体疑問だし、亜音速まで出てるのにそれで逃げるのに精一杯? 何なの? 一体この子達はどういう生命体なの?


「あの、もう続きいいですか?」


「あ、はい、大丈夫です」


まあでも、ここまでレベルの高いバトルだ、一体どんな劇的な結末を迎えたんだろうか。


「で、その逃げている途中にですね、私のポケットから少しだけ楽しみに取っておこうと思った「板チョコ」でしたっけ? アレが落ちてしまいまして、その板チョコにお嬢様が気を取られた瞬間に背後に回って一撃です。 いやー、アレは本当に危なかったですね」


「ごめん、脳が追いつかない。 っていうか追いつきたくない」


え?つまり今の話を要約すると?

板チョコに気を取られていたから背後から攻撃して勝った。 って事?


「まあ……そうですね」


「そうですねじゃないよ! 何でそんな最高に熱くなるような闘いの結末が板チョコなの!? もうちょっとこう……なんかあったじゃん! 覚醒! とか、 解放! とか、限界突破! とか、あったじゃん!なんでよりによって板チョコ!?」


「いえ……だってそもそも、私は常に覚醒してますし、何にも縛られていないので解放もされませんし、限界突破も、突破出来ないからこそ、限界なので限界を突破する事は出来ませんし……」


ロミーナさんはそんなこと言われても……とでも言いたそうな困った表情を作る。


まあ確かにそうだよ? 確かに全部ロミーナさんの言うことおりだし、勝てたならそれでいいんだろうけどさ? そこは、ほら? アレじゃん? もうちょっと、夢のあるというかそういう勝ち方が良かったなぁ……なんて……。


しかし異世界人かつ、女性のロミーナさんには、この男のロマンが伝わるはずもなく。


「ハァ……いいですか? 夢の様な勝ち方って言うのは夢の中でしか出来ないんですよ?」


「はい……ごもっともで……」


すんごい可哀想な目で見られた……。


「あれ? 今更だけどその板チョコって俺の部屋にあったものじゃない?」


「ギクッ……」


「いや、そんな露骨に反応しなくていいから……でも、確かもう板チョコは無かったはずじゃあ……」


もう既に板チョコは昨日の夜の俺がまだ起きている時に無くなっていた気がするし。


「いえ、奥の方にもう一つありましたよ」


「そうなんだ~ってか、奥の方を探す程食べたのか……ちなみに冷蔵庫の中に今チョコレートは?」


「0です!」


ロミーナさんは、待ってましたとばかりに耳を大きく立て返事をする。


「「0です!」じゃないよ! 何でそんなに元気がいいんだよ……」


「すいません……」


今度は耳が後ろ向きに萎れた、兎の耳ってあんなに自由自在なのか……。


「まあ、いいよ、食べちゃったものは仕方ないしね」


「ありがとうございます!」


ロミーナさんの耳がまた、いつもと同じ様に戻った。


「でも、一つだけ確認したいんだけどさ、そもそもアイナが寝相悪いとかって嘘なんですよね?」


「!!」


攻勢一転、少しだけど俺の言葉にロミーナさんの顔の色が変わった。


「何でそんな風に思うんですか?」


「何でって……「前日、喧嘩しちゃって、気絶させちゃった」なんて、気まずくて次の日、しかもその朝となったら二人きりでなんて気まずくて会えないんじゃないですか?

少なくとも俺なら絶対に会えないです、だから第三者を連れてくることによってお互いの精神の安定を図ろうとした、違いますか?」


「……凄いですね、その通りです、あっちの世界では心を読む仕事にでも、ついていたんですか?」


ロミーナさんは感心したように認める。


まあ、正直こんなものは最低限、出来ていないとあっちの世界では普通に生きていくことすらままならない、まあ、そういう意味ではあっちの世界の住人は一部を除いて心を読む仕事に付いてるな。


「そうなんですか……そちらもそちらで大変な世界なんですね……」


心読めるなんて凄いですね! って言った直後に心を読むなよ……。

そうなってくるととさっきのセリフもただの自分褒めだな。


「大方、さっき俺にあげるとか言っていた手作りチョコレートとやらもアイナにあげて仲直りする為のものだろ?」


「そこまで分かって付いてきていたんですか……優希さんもなかなか意地悪ですね」


その時のロミーナさんの、少し、してやられた顔は、まあさっきのチョコレートが貰えなかったとしても満足出来る程度にはいい笑顔だった。


「まあ、俺の事は気にしなくていいからさ、早く仲直りしてきなよ俺はここで待ってるから」


「ありがとうございます」


ロミーナさんを、アイナの元に、送り出すと俺はボロボロになった壁に背をもたれさせる。


しかし、ロミーナさんがアイナの少し手前で止まってまた、こちら側に戻ってくる。


何か忘れたんだろうか?


「どうしたの? 何か忘れたとか?」


「えぇ、少し……」


そう言うとロミーナさんは少し悪戯っぽい笑顔で耳元で囁いた。


「……さっきの心を読んだ時、かっこよかったですよ……惚れちゃいました……!」


そうとだけ言い残すと、ロミーナさんは次こそアイナの元へ起こしに行った。


そんなカッコイイらしい俺だけど、少しの間だけ、にやけてしまう程度の事は許して欲しい。

科学の力ってすげー!


このネタわかる人いるのか?

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