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異世界ぐーたらゲーム録  作者: 娯楽作品の虜
グダグダ使用人ライフ
12/37

ゲーム11

遅くなっ(ry

下ネタ注意!!

さて、アイナとファティの叩いて被ってじゃんけんぽんか……あれ?これ普通にファティの勝ちじゃね?


「「じゃんけんぽん!」」


グー対パーでアイナの勝ち。

だが、この対決十中八九アイナに勝ちはない。

なぜなら……ファティは時を止められる。


今、この状況のように蝋燭の炎の揺らぎでさえ動くこと禁じられる。


もちろん俺も、アイナも、ロミーナさんも、止まった時の中では動く事はかなわない。


悠々自適にヘルメットをかぶるファティ以外は……。


止まっていた時が動き出す。


ピコピコハンマーが、ヘルメットに止められ、情けなく空気を吐き出す。


「ぐぬぬ……」


「私には当てられないよ〜」


アイナの動きも決して悪く無かった、動き出しの反射も早かったし、殆ど最短距離を動いていった。


恐らく俺が相手なら今の一打だけで決着がついていたかもしれない。


しかしそんな事は関係ない。


止まった時の中では距離の違いも動きの速さも関係ない。


そもそもの優先順位が変わってきてしまうのだ。


「これは酷い……」


なるべくフェアになるように選んだゲームのつもりなのに……これじゃもうこの勝負はファティの勝ちで決まりじゃないか……。


すまん、アイナ!


「じゃーんけーん、ポイ」


アイナの勝ち。

しかしすぐさま止まる時。

やはり勝ち目はない……。


しかしアイナは諦めずに続行する。


「じゃーんけーん、ポイ!」


またまたアイナの勝ち。


しかしどんなに勝ったところで必ず防がれてしまうのであれば意味がない。


「じゃーんけーん、ポイ!」


アイナの勝ち。


当たり前のように防がれるハンマー。


いい加減に勝てないことがわかっているはずなのにアイナは降参しない。


勝算のない勝負ほど無意味なものはない。


そうこうしているうちに次々と防がれていくハンマー。


三回、五回、十回、二十回……三十回を超えたあたりで気づいた。


「ファティが一度も勝ってない?」


この対決が始まってからのこの数分間、何度も何度も繰り返しているジャンケン、既に回数は三十を超えている。


しかし一度もアイナは負けていない、しかも俺が意識して見ていた限り1度のアイコも無しに。


そんな事有り得るのか?


ジャンケンで勝つ確率は単純計算で三分の一だ、この勝負で、一度のアイコも無しで30戦勝つ確率は…………えーっと?

三の30乗だから……。


「205,891,132,094,649分の1ですね」


「……もしかして今の一瞬で計算したんですか?」


てか、ナチュラルに心を読むのはやめて欲しいんですが……。


「まさか〜!」


「ですよね!デタラメですよね!びっくりしましたよ……」


「1から100までの乗数は50乗まで暗記しているだけです」


「…………え?」


今なんかサラッと有り得ないことを言われた気がするですが……。


「有り得ないことなんて無いですよ、だって、どんな数も存在しているんですから、覚える事は可能です」


「ま、まあ、俺も1の乗数なら全部覚えてるし?」


「…………は?」


「冗談です……冗談だからそんな目で見ないでください……」


「すいません、つい素が出てしまいました……」


あの目が素なのか……人を殺せそうな目だったぞ……あ、普通に俺殺されてたわ。


「でも、あんな事有り得るんですか?」


「どうでしょう……私ならともかく、お嬢様はそこまで運のいい方ではなかったと思いますが……」


「じゃあ、ファティが極端に運が悪いとか?」


それこそ、ロミーナさんの真逆レベルで運が悪いとか?


「いえ、確かに寝ぼけて死にかけたりはしますがそこまで運が悪い事はないと思います。それに、私の真逆レベルで運が悪かったらそれは今生きていられないと思いますよ?」


その言葉が誇張でも何でもないんだからロミーナさんは恐ろしい……。


「でも、じゃあなんで……」


もう既にジャンケンは六十回を超えて行われており、ファティの顔にも疲れの色が浮かんできている。


あと、どうでもいいけどさっきから十秒間隔ぐらいで、時が止まるから会話がめちゃくちゃしづらい……。


「ねぇ、アイナっち〜なんでそんなにジャンケン強いの〜?」


流石にファティも疑問を持ったようで堪らずと言った様子でアイナに聞く。


するとアイナは、突然笑いだした。


「フフフ……気づいたようねこの私の秘策の存在に!!」


いや、明らかに普通じゃないから気づくだろ……。


「そこ、うるさい!」


「だからなんで心の声聞こえてんだよ!」


この世界にはプライバシーって概念はないのか……。


「あるけど貴方には無いわね」


「そうですね」


「あるけど、無視されてます〜」


ある意味一番ファティのが心に来た……無視するなし……。


「まあ、そんな事よりアイナ、どう言う事なんだ?この異常なジャンケンは」


「フフフ……実はこの幸運……これのおかげなのよ!!これ……あれ、取れない……ふぬぬ…………とりゃー!ハァ、ハァ……これよコレ!」


どうやら魔女服では、取り出しにくかったようだ。

確かに表に見る限りポケットないしな。


で、そんなこんなでアイナが苦労して取り出したのが……何かのか液体が入ってる瓶だった。


「それ、なんですか?」


ロミーナさんが不安そうな顔で尋ねる。


「フフフ……実はこのドリンク……とある魔力が篭めれられてるのよ」


「へー、どんな魔力〜?」


魔力という単語が中二病としてではなく飛び交う世界、凄い世界だ……。


「この中には、ロミーナの魔力が篭められてるわ!」


「え!?私の?」


ロミーナさんも驚いている。

まあそりゃそうだろう、見覚えのないドリンクにこの中には貴方の魔力が入っていますとか言われたら…………何そのワクテカ展開……最高に面白そうじゃん。


「優希?馬鹿な事考えてないで私の話をちゃんと聞きなさい」


最近俺のプライバシーが行方不明なんですが……どなたか見かけませんでしたか?


「もともとあんたのものじゃなかったんじゃない?」


「プライバシーの権利は生まれながらに持っている人権の一つだぞ!?」


「悪いけどそっちの世界の権利はこっちじゃ通用しないわ」


「恐るべき異世界……で、なんでそのドリンクにロミーナさんの魔力が入ってるの?」


「まぁ、正確にはロミーナの、じゃなくて、ロミーナの魔力に良く似た魔力だけどね。


魔力っていうのはその人の性質そのもの、優しさも厳しさも運勢も、だからこそ魔力は人によって千差満別、ある日私はロミーナの魔力に注目したわ、これ程の幸運、間違いなく世界最高の運。


魔法使いとして、非常に興味深く、かつ、非常に欲しかった……魔力の実験にも多少の運が絡むし、究極的には運さえ良ければ、他は要らない。もちろん、通常そんな理論は成り立たない。


しかし、ロミーナの運はそのメチャクチャな理論が成り立つ程強力なものだった。


私は研究したわ、研究に研究をし尽くした、そして遂に、昨日の夜!完成したのよ!ロミーナの運勢を極限まで真似ることが出来るこの、ドリンクが!!」


「……お前……本当に魔法使いだったんだな……」


今の話を聞いてどうしてもこの感想が出てこざるを得なかった。


「あら?今まで貴方にあげた魔法の数々を忘れちゃった?」


アイナの感情に呼応するように漂い始める赤く燃える火の玉。


「申し訳ございませんでしたぁ!!」


が、発射される前に土下座。

ん?女相手に土下座なんて、みっともない?

そんな事言うやつは考えてみて欲しい、土下座するか、死ぬか、さあどっちを選ぶ?




土下座です……。


「まあ、いいわ、で、完成したのがこの、[運気向上ドリンク (チョコレート味)]よ!!」


「なん……だと?」


俺は今、この世に性を受けて10と余年、最も衝撃を受けている……。

[運気向上ドリンク(チョコレート味)]だと?

つまり略して……ウンK(チョコレート味)!!

なんて事だ……こんな異世界で、あの夢の空想上の食べ物、あの究極二択クイズ「チョコレート味のうんこと、うんこ味のチョコレートどっちがいい?」の、片割れに会えるとは!!


そしてなるほど……つまりアイナの決断はチョコレート味のうんこだという事か……「って、あっちぃぃ!!!」


「いっぺん、死んで来ーい!!」


どうやら先程の火の玉が俺に向けて発射されたようだ……。


思考を読まれるって辛い……。

俺は燃えゆく頭で最後にそう考えた。




俺が生き返ったあとに聞いたが、どうやらあの後合計100戦やって、一度も勝てないことを悟ったファティが棄権したらしい。


つまり決勝戦はアイナ対ロミーナさん!!

二択質問としては定番ですよね!

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