ゲーム9.5
閑話休題
「あ、」
パァン!
ロミーナの、振り下ろしたピコピコハンマーが、「工事現場でも使われてるから大丈夫!」って優希が言ってたヘルメットを叩き割った。
通常なら有り得ないんだけど、ロミーナは物質を強化する類の魔法をピコピコハンマーにかけていたし、それに加えあの振り下ろす速さ、強化されたピコピコハンマーがギリギリ耐えられる限界の速さで振り下ろしている。
「ホンットに……我がメイドながら有り得ないわ……」
偶になんでロミーナってメイドなんてやってるのかわからなくなるわね……
「ジャーンケーン……ってもう気絶しちゃってますね、これ」
「ふぇぇ……やっぱりロミーナさんって凄いですね〜」
「っていうか、生きてるの?それ」
蘇生魔法はかなり疲れるから出来たら使いたくないんだけど……。
「どうでしょう?何か硬い手応えがあったのでおそらく頭蓋骨は無事ではないでしょうけど……」
「それは生きてても死んでますね〜」
「ホントにね……一応回復させておくけど、頭打ってるからすぐには起きないわよ?」
あーあ、疲れるなぁ……起きたらこの疲れの分まで私を楽しませてもらわないとね……。
私の魔法はダメージは回復できても意識までは戻さない。
気絶してるって事はまだ脳が準備中って事だ、無理に起こして後遺症が残ったらそれはもう回復魔法でも治せない。
「じゃあ起きるまでどうする?」
別にファティとの予選をやってもいいんだけど……やっぱり全員揃ってる時がいいわ。
「どうしますか……」
「あ、じゃあ2人にしつもーん〜」
「なに?」
「なんですか?」
「2人は優希の事どう思ってるの?」
「え?どうって……どう思ってるのかしら?」
そういえばあいつと会ってからもう2日最初はいきなり、し、下着を見てきたりして、最低な奴だと思ったけど……それからは結構面白かったし。
「私は気に入ってますよ?」
そうか、ロミーナは気に入ってるのか……。
「優しいお方ですし、一緒に居て楽しいですしね。 お嬢様もそうでしょう?」
そうだ、何よりあいつといると次々に面白いゲームを教えてくれて、退屈しない。
……全然ゲームには勝てないけど……。
「えぇ……そうね、私の理不尽な召喚にも、なんだかんだ言って付き合ってくれてるし、時々何言ってるかわからないこともあるけど、そこもまた面白くて……そうね、まあ、嫌いじゃないわね」
「そっかぁ〜私も嫌いな人じゃないかも〜いや、むしろ好きかも!?」
「ファティ!?」
その言い方だと意味合いが変わってきちゃうんだけど……もしかしてファティ……
「うふふ〜冗談よ冗談……多分ね〜」
「なんだ、冗談か、まあそうよね、まだ貴女会ってから数時間しか経ってないものね。 って多分!?」
「おお〜ナイスツッコミ〜」
「まあね〜」
「お二人とも、そろそろ優希さんが起きますよ」
「よし、じゃあ優希が起きたら……」
「私達の試合ね〜」
今回は優希が気絶?している間の物語です。
一応アイナ目線のつもりです




