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異世界ぐーたらゲーム録  作者: 娯楽作品の虜
始まりまでの物語
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ゲーム1

「暇だ……夏休みだってのにだーれも遊べないなんて」


高校二年の夏休み。

それは受験勉強に追われずに済む、最後の安息の地。

皆やれ旅行だやれ里帰りだと忙しそうにしちゃってさー。


まあ、今の世の中、暇つぶしに困る事なんてないんだけどな〜。


さーて、なにをしようか……遊ぶ道具なら俺の家は大体あるからな……LEGOは昨日やったし……プラレールは一昨日……ネトゲは廃人の方々が強過ぎて入り込む余地ないし……。


「よし、トランプタワーでも作るか!えーっと確かにトランプなら何個か……おっあったあった、いち、にー、さん。 合計3つ……なんでこんな持ってるんだろう……ま、いっか!」


世の中大体の事は気にしちゃいけない、ゲームの新作とラノベの新刊以外の事は気にする必要のないことだ。


慎重に……慎重に……。


一枚一枚バランスをとって……まるで我が子を扱うように……まあ子供なんて持ったことないんだけどね。あ、崩れた。


……やり直しだな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「よし、一段目完成っと!」


流石にトランプを3束も使うと結構大掛かりな物になりそうだな。

この調子なら過去最大規模も夢じゃないかも……。


「ってうわわわわ?」


いきなり床が歪んだと思ったら、息付く暇もなくとんでもなく大きな揺れが俺の部屋を襲う。


なんだ?地震か!?ってかこれ震度高すぎじゃない!?

なんか揺れるってか傾いてるレベルなんだけど!


「っこれチンさむ通り越してチン……痛あぁ!!」

やっばい、体ごとはねあげられて机の角にぶつけたぁ!!

机の角って小指以外ぶつけることあるんだな!良い勉強になったわ!

ヤバイヤバイ、あぁ、俺のパソコンがぁ!!

…………俺のお宝画像……もとい大切なデータが!!

てか痛み半端ないんだが、これ潰れてるんじゃない?何がとは言わないけど潰れてるんじゃない!?


「お……収まった?」


どうやら痛みでのたうち回っている内に地震は止んでいたらしい。


「それにしても…………倒すなら最上段一個手前ぐらいで倒せやぁ!」


フラグ回収のフの字も分かってないじゃないか!

全く空気の読めない地震もあったもんだ……。

まあ、この家には俺以外いないし別に良いんだが。

ご近所さんの安否も確認したいし……そう思って男は掴みなれたドアノブを握り、開けなれた自室のドアを開け放った。


「さて、とりあえず部屋の外見てみるか……」って、え?


しかし開けた先の景色は見慣れた廊下ではなく、大理石らしきものに囲まれた、聖堂のように大きな空間だった。


そしてさらに良く見ると、目の前には奇妙な人物が……。


なんかえーっと、できるだけわかりやすく伝えるなら……「物凄く凝った魔法使いのコスプレイヤー(ロリ)」かな?


え?わかりやすくない?じゃあもう少し詳しく言うと……身長は140前後で、赤い髪のよくある魔法使いの格好した……少女。


やべぇ、これ寧ろ意味わかんないんだけどなんだ地震の影響で頭おかしくなっちまったのか俺?


そんなロリっ子は開口一番


「あ、出てきた出てきた!とりあえず……とりゃ~!」


と可愛らしく言ったかと思うと、なんかそれっぽい杖から出てきたそれっぽい鎖で捕らえられ床にひれ伏さられる。


「ぐえっ!?」

普通に痛い……どうやら夢とかじゃなさそうだ……。


そしてロリっ子は俺をまるで観察するかの様にジロジロと見てくる。


そのささやかなお返しとして、床に転がり不可抗力でロリっ子ドロワーズを眺めていると……。


「なーに見てるんだぁ!」


「ぐえぇぇ!」


いや、ホントに不可抗力だから!別に背筋と首筋の筋肉を総動員させて顔を上げてたなんて事は無いのに……。


というか俺まだ「ぐえぇ」しか言ってないんだけど、どこのカエルですか?


「お、解けた」


どうやらロリっ子の人間観察も一段落付いたらしい。


「まあ、一応危険じゃなさそうだからね」


どうやら俺はこの小さな女の子に危険無しと判断されたらしい。


正直なんか全部思い通りになってしまうのも癪だな……。


「わからないよ?もしかしたら今この場で襲っちゃうかも……」


なんか、いい人に見られちゃうと、ちょっとワルぶってみたくなる事って、俺以外にもきっといると思うんだ。


「じゃあ今この場で殺っちゃった方がいいかしら……」


目の前の少女が、そんな物騒なことを言ったあと、小さく「シャダルト」と呟くと床が凍りつき、その氷が冷気をまき散らしながら床を這うように迫ってくる。


「いや、ちょっ冗談……うわあああ!!」



迫りゆく氷の塊を前に俺は抵抗する時間もなくあっさりと俺の人生は人生最初の魔法を浴びて終わりを告げた。


そんな俺が人生最後に考えた事は「シャダルトってパクリじゃね?」


……どこまでもゲーム脳な男だった。















「ザ……ル」

「ザオ……ル」

「ザオラル!」


お馴染みの呪文を浴び、緑色の光に包まれ、早くも男の二度目の人生が始まる。


というかこれ以上その言葉を発せさせてはならないという思いに駆られて生き返る。


「うおおっ!ハァっ!ハァっ!」


初めて死んだけどやっぱりあんまり良いものじゃないな、まあ、幸い(?) にも痛みを感じる暇もなく死んだから、痛くはなかったけど。


「あ、成功したみたいね!」


目の前の少女はさも自分の手柄のように言う。


「成功したかってお前なあ!会って数分で人を殺すやつがあるか!」


「いいじゃない、生き返らせたんだから……」


生き返らせる前に殺したのも自分だということを是非忘れないでほしい。


「そういえば、生き返る時に明らかに聞こえちゃいけない呪文が聞こえたんだが?」


どう聞いても某S社に喧嘩を売ってる呪文だったんだけど。


「え?何のこと?」


しかし、そんな物は知らないとでも言いたげな顔で首を傾げる目の前の少女。


「ザオラルだよ!てか殺す時もちっさい声でヒャダルコって聞こえたからな!」


「違うわよ、ジャオリャルと、シャダルトよ」


「なんだそのテキトーな設定!?お前スクエニ嘗めんじゃねぞ?マジであいつらのメラお前のメラゾーマ並だかんな?「あれは余のメラだ」とか平気で言ってくるからな?」


「よくわからないけどあなたのその発言の方が不味いんじゃないの?」


確かに不適切な発言だった……スク〇ニの皆さん本当にすいませんでした。


「うるさい!そんな事よりここは何処なんだ?日本語が通じてるんだから日本だろ!?」


少なくとも日本の何処かではあるはずなんだが……。


「ニホン……?ニホンゴ……?」

「え?」


な、なんだこいつの反応……ま、まさか……。


「ここは混流都市カオスよ?」


「う、うわぁ……なんかいるだけでSAN値減りそうな街だな……」


毎日SANチェックしないと何処にも行けなさそうだ……。


まあ、確かにこの手の話では違う世界でも何故か話が通じてたりするけど、まさか現実でそれが起こるとは……。


「で、あなたはそのニホンってところから来たの?」


まあ、考えてみれば日本では魔法なんて使えないしな。

という事は異世界転生……いや、別にあっちの世界じゃ俺死んでないから、異世界転移かな。


「まあ、来たっていうか、転移しちゃったっていうか……」


となると目の前の少女が俺の転移主か……というか俺が転移させられてきた理由って何だ? やっぱりこの世界を救う為とか? それとも逆に、魔王になる展開!?


退屈な日常に飽きて、夢見ていた異世界転移。 夢が膨らむ……!


「まあ、転移したってよりは私が暇つぶしの為だけに召喚したって方が適切なんだけどね!」


目の前の少女はエッヘンと小さな胸を張って何故か自信満々に答える。


「へーそうなんだーってえ?今何つった?」


さらっと膨らんだ夢を潰される発言が聞こえた気がしたんだが。


「聞こえなかったの?だから私が暇つぶしに召喚したんだって」


どうやら幻聴では無かったようだ。


「それマジ?部屋ごと暇つぶしに召喚したの?」


あっちの世界で俺の家ってどうなってるんだろう。


「マジマジ」

「し……」

「し?」

「死ねぇぇぇぇ!!」


夢を壊された恨みを、相手が少女だということも忘れて襲いかかる。


「返り討ちよ!メダパニ!」



「うわぁ!?なんか目の前の景色がパラダイス……ってかマジでアウトだから!」


こいつ頭おかしいだろ!なに暇つぶしに召喚してくれちゃってるの?


とりあえず書いてみた異世界転移物です、割とふざけ100%www

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