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怪談  作者: 仮名
4/4

いわなくっていい

同僚に誘われ彼の地元の川に釣りに行った。


今日はそれなりの成果があった。

昼飯はボウズときもあるので肉も用意してある。


フライパンに鶏肉を置き弱火でじっくりと焼く。

弱火で片面十分ぐらいかけて焼くと、焼き鳥のようなジューシーさとパリッパリの鳥皮を味わえる。

肉ってのは、火の通りが悪いものだ。強火で焼くのは厳禁なのだ。

また、皮目を時間をかけるのは、焼くのではなく肉から余分な油を出し鶏油で揚げていると思ってくれてよい。唐揚と同じだ。

肉は脂が旨いが、過剰にあっても美味くはならないので余分な物は捨ててしまおう。

後は乗せて熱々を口に入れるた後、ギンギンに冷やした白ワインで胃の中に流し込む。

うむ、平日の忙しさでなかなか味わえない贅沢な時間の使い方だ。


釣り名人の同僚は「川は皮から海は身から」と妙な歌を歌いながら串に刺した魚を焼き始める。


自分の方は焼き始めたらほとんど手を加える事がないので、離れた所で遊んでいる子供達を見ている。


大きな岩から飛び込んでいる小学生くらいの子供達。


「なあ、あれ危なくないか?」


「ほっとけほっとけ、俺もガキの頃遊んだけれど、安全なんだわ。

昔一回事故が遭ったけれど、今は平気だ」



何をするわけでもなく眺めていたら、子供が一人様子がおかしい。

岩から飛び込むと皆すぐに川縁に泳ぐのに、その子だけ少し流されていた。

危ない そう思ったが、すぐに立ち上がる。だが、それは異常な光景だった。


「さっきあの子は溺れていたよな?」

「だな、でも大丈夫ようになっている」


同僚が言った事故という言葉が気になった。そしてさっきの言い方はめんどくさそうに呟いていた。


「なあ。さっきの事故」

「いわなくってもいい」


被せるように言われたので同僚をじっと見ていたら余計不安になった。

もしかしたらこの地では事故の事は禁忌なのではないだろうか。

事故に遭った人が新たな犠牲者を引き込むのではないだろうか?


「事故に遭ったのは俺だよ。飛び込む場所はある程度の深さをもっているが、その先は石を積んですぐに足が付くようになっているんだ。

飛び込んだ後は二・三人近くにいるだろ? あれは俺が溺れたからすぐに助けられるよう出来るように、ここいらいったいでの絶対のルールなんだよ」


詳しく聞くと、大人がいなくても飛び込む奴もいるが、そういった子供は後を絶たないだろうから溺れても自力で出られるようにロープが上流から流してあるらしい。


「わかったか? それで、いわなくってもいい?」


「ん? なんだよそれ」


同僚は釣った魚を指差し、





「イワナ。食ってもいい?」







すみません すみません すみません


元ネタは恐怖の味噌汁とか、悪の十字架です。


別のを書いている途中で、言わなくっていいを変換しようとしたところ、

異なる文節区切り候補で岩魚が出てしまい思いついたやつです。


本当に思いついただけなんです。悪乗りもあります。すみません。


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