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前を向こう

12月13日 晴 今朝の「朝ドラ、マッサン」

病室から出てくる政春を英一郎はうな垂れた気分で迎えていた。

政春は診療所に付き添い看病の覚悟を決め、英一郎に家に帰り

休めと声を掛けた。

「工場長、僕が下で食事をしていれば、こんな事態にならなかった」

「取り返しのつかない事態を招き、誠にすいませんでした」

「英一郎!ワシも一緒じゃ!」

「エリーを止め、ワシが運んでいれば」

「この事態は、防げていた」

「もういい、帰って休め」


鴨居は工場長の短期休暇を社員に話した。工場長が職場に帰って

くれば、工場での初蒸留を報道陣にお披露目して宣伝をしてもらう。

その為にも、頑張って仕事に励んで欲しいと、今後の目的を話した。

政春は突然の休暇を鴨居に詫びていた。

「エリーちゃんを、今、励ますのがマッサンの仕事や」

「しっかりと元気づけてやり」

「本当に申し訳ありません」

俊夫も、おぼっちゃっまたちは若いので頑張れと励ましていた。


エリーは政春との、先日の会話を思い出していた。

「いつか一緒に、三人でスコットランドに行こう」

夢のある楽しい会話が、今は、エリーに、この上ない辛い会話であった。


政春と英一郎が見舞いに来た。病室に入る時、政春は英一郎を励ました。

「前を向いて行け!」

病室に入った英一郎は、最初に、エリーに謝罪した。

「僕のせいで!僕が二階で食べると言わなければ」

「こんな事態は、招かなかった!」

「本当に申し訳ありませんでした」

「いいえ、英一郎は悪くはない!」

「おっちょこちょいの、私の不注意でした。」

「エリー、今度妊娠した時は慎重に出産しよう」

「ほんとう!今度は がんばる!」


医師が政春に相談をした。エリーは血液量が少ない体質だと告げられた。

「今回の流産は母体の為には、良かったのかもしれません」

「今後は、妊娠しても出産は難しいでしょう」

「子供さんは、諦めていてください」

英一郎に医師と政春の会話は聞こえていた。

英一郎に、これ以上ない辛い会話であった。


政春は家に着替えを取りに帰る道すがら、数々の不幸を嘆いていた。

「真面目に暮らしている、ワシらが、何故!」

「こんな 悪い事ばかりに遭う」

「こんな酷い仕打ちは なぜじゃ!」

家の前で、政春は悲しみに 泣き崩れていた。rumba

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