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新人探索者大会 リリス・スイーパー編②

 会場には既にざっと100を超える人が三者三様の面持ちで待機していた。

 興奮している人、緊張している人、楽しみで仕方がない人。熱気で気温以上に暑さを感じる。

 異様な雰囲気の中、予選が始まった。






「B-4、第3試合、リリス・スイーパー対ジョージ・スコットの試合を始める」


 約30m四方、腰くらいの柵で囲まれた簡素なフィールドに深い緑の髪を肩まで真っ直ぐ伸ばした少年が一般的な大きさの剣を下げて入ってきた。


「おいおい嬢ちゃん、市場と間違えて入って来たのか?」


 久しぶりに言い放たれる荒い口調に眉を顰める。


「む、年上、多分」


「探索者ですらないだろ。ここは『探索者』大会だぜ!悪い事は言わない。帰って研究でもしてな!」


 こいつ、なんかムカつく。生理的に受け付けない。


 ボコボコにすると決意し、ポーションが入ったポーチに手を掛ける。


「試合開始」


 審判の声と同時にジョージが真っ直ぐ突撃してくる。


「勝ち」


 誰にも聞こえない声で呟くとベルトからポーションの入った瓶を手に素早く取り、向かってくるジョージの顔を目掛けて投げた。

 瓶が割れる。


 雑で大きい一撃を難なく避けた直後、ジョージが顔をおさえながらのたうち回って呻き出した。


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」


「ふっ」


 腰に手を当て胸を張り、見下ろしながら渾身のドヤ顔を見せつける。見られてはいないが。


 数秒後、流石に違和感を覚えた審判がジョージに駆け寄った。


「ジョージさん、大丈夫ですか?顔を見せて下さい」


 中々応じないジョージの手を引き剥がすようにして顔を確認した審判の顔が固まった。

 会場の空気が凍える中、ジョージの苦しむ声だけが聞こえる。


「お前!何使った!」


 数分後、異常事態を察知し、やってきた審判団に怒鳴られる。


「ポーション、皮膚、溶かす、ちょっと」


「はぁ、失格だ!」


 根拠のない言葉に無意識に口を膨らませていた。


「む!抗議!」


 狂ったように大きな声を上げる審判に対抗する。





 簡易テントの下、ルール用紙を指差した。


「回復ポーション、毒、持ち込み禁止。他ポーション、ない、記述」


「しかし!」


「ダメじゃない、良い、等しい」


 反論させないように発言を被せる。


 こっちはルール違反はしていない。だからあっちは言えない。


「くっ、分かった!失格を取り消す」


「どやっ!」


 ジョージ相手にした物とも劣らないドヤ顔を見せびらかした。


 勢いに乗ったリリスは様々なポーションを駆使して予選を勝ち上がった。


 次の大会から持ち込み禁止物に『ポーションを含む薬物』『その他審判が勝敗を大きく左右すると判断した物』が追加されたのであった。

 リリスがジョージ君に当てたのは硫酸みたいな物です。この世界では硫酸の傷もそれなりのレベルの治癒魔法で治せます。


 明日も出ます。

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