リリス・スイーパー
私の作品の『来るところ間違えました。〜新人探索者、最きょうパーティに入る〜』本編開始前の物語です。
本編登場済みの登場人物の紹介はほぼ省きます。
気になる方は『来るところ間違えました。〜新人探索者、最きょうパーティに入る〜』を是非読んでください。
本編53話の途中です。
パーティに入れてもらう事が決定した直後、退学届を持って学長室へ赴いた。
扉の前でノックをする。
「どうぞ〜」
ガブリエル・メリル学長が返事をする。
学長は優秀な錬金術師でありながら高い人望を持ち、学院中からの尊敬を集めている。リリス・スイーパーも例外に漏れてない。
躊躇なく扉を開ける。
入って来た者の珍しさに学長が吃驚する。
しかしすぐに冷静さを取り戻した学長に質問される。
「どうしたのかな?スイーパー君。今日の報告なら後日報告書を出す予定だよね」
リリスは頷く。
そしてゆっくりと学長の机へ歩いて行き、紙をだした。
「これ、退学届。する、退学」
穏やかな老人の表情が急変する。
イスから転げ落ち、慌てふためく。
目線があちこちに移動している。
(学長、この姿、初めて。面白い)
リリスはと言うとこの状況を楽しんでいた。
「ほ、本当に退学するの?何で退学するの?退学した後何すんの?」
脳の処理が追いついてきた学長から矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
「する、退学。決めた。探索者、なる」
一応恩師に当たる人の質問に簡潔に答える。
「そうか、そうか………」
手に顎を置いて何か呟く学長。その様子をリリスは緊張しながら見守る。
「分かった。5日後にまたここに来て欲しい」
静かに首を縦に振る。
―――――――――――――――――――――
荷物を纏める等して5日後、再び学長室に来た。
ノックをすると前回と同じ声が聞こえる。
扉を開けて中に入った。
「リリス・スイーパー君、もっとこっちに」
机の前まで移動させられる。
前には学長が立っていた。
「卒業証書、リリス・スイーパー。卒業おめでとう」
急な展開に呆然と立ち尽くししまう。
卒業?何で?後一年近くあるのに?
「ほら、早く受け取って」
「・・・ありがと……ございます」
「もし、もう一回学びたたいってなった時にもう一回ここで6年も学ぶの退屈でしょ?次は大学院から行けるよ。スイーパー君が首席だったから出来たことだね。自分を褒めな」
頷く。
感情が溢れてくる。
卒業証書を受け取った事で学院を去る実感が湧いてきた。
ここ最近退屈しか感じられなかった学院でも色々な思い出が残っている。
「君の活躍を応援しているよ」
「ありがとう…ございます。なる、1番の探索者」
踵を返して部屋を出る。
いつの間にか頬には濡れた感触があった。
どうも、海万です。
『悪魔の聖騎士日記《パラディンオブフィーンドメモリーズ』は趣味の中の趣味で書きます。投稿頻度がゴミクズです。
また、時系列がぐちゃぐちゃになる可能性があります。
それでも読んでくださる方々にブックマーク、評価、感想を頂けると海万が喜びます。
気が向いたらで良いので宜しくお願い致します。




