第3話 作者と記録者とセラフの“これから”会議
『BLUE ENGINE -蒼き残響-』作者のCROSSOHです。
第1話はセラフの絵本ダイジェスト、
第2話は無名の記録者の懺悔混じりダイジェストでした。
第3話では、
その二人に作者(=俺)も混ざって、
•第一部の“その先”に何が待っているのか
•BLUEはどこへ向かおうとしているのか
を、できるだけネタバレはぼかしつつ、
三人でわちゃわちゃ話してみようと思います。
――それでは、どうぞ。
1. 集合:ログの隅っこで
静かな観測室。
壁一面のモニターには、止まったままの戦場ログが映っている。
椅子は三つ。並び順は、左から――作者、無名の記録者、セラフ。
作者「……というわけで、今日は“これから会議”です」
記録者「人を勝手に会議に呼ぶな。私は忙しい」
セラフ「忙しい人はそんな座り方しないよ。さっきからログ巻き戻して同じところばっかり見てるくせに」
記録者「……観察だ。仕事だ。趣味ではない」
作者「(趣味だろ、あれ完全に)」
セラフ「で、今日は何するの? BLUEの“未来予想図”?」
作者「そう、それ。
第一部まで読んだ人が『この先どうなるんだろう』って思った時に、
**世界の中の人たちの“視点”でヒントを出しておきたいな、と思って」
記録者「また余計なことを……」
セラフ「でも、ちょっと楽しそう」
作者「ほら、1対1だ。民主主義で決定」
記録者「……民主主義を持ち出すな。E計画が余計に悪者に見える」
セラフ「最初からだいたい悪者みたいな扱いだよ?」
記録者「刺さることをさらっと言うな、君は」
2. BLUEはどこまで“秤”でいるのか
作者「じゃあまず、ざっくり質問。
これから先のBLUEって、“秤”のままでいられると思う?」
セラフ「ううん」
記録者「即答か」
作者「速いな」
セラフ「だって、もう第一部の時点で
『痛みと共に生きる』って選んじゃったでしょ。
あれ、秤というより“当事者”だもん」
記録者「……厳密に言えば、あれは秤の進化形だ。
従来の秤は“重さ”だけ測る。
E-09は“痛み”を測ろうとしている。
私は、あの選択を“秤としての逸脱”ではなく、“成り上がり”だと見ている」
作者「おお、珍しく褒めた」
記録者「褒めていない。管理不能という意味だ」
セラフ「でも、BLUEにとっては必要な故障だったんじゃないかな」
作者「故障、って言う?」
セラフ「うん。
“泣けるようになった秤”って、それだけで設計書から外れてるでしょ。
でも、その故障のせいで、やっと世界と同じ高さに立てるようになったんだと思う。」
記録者「……君は本当に容赦がない」
作者「でもその言い方、すごく“第二部以降”っぽいよね。
秤のまま神に仕えるか、
壊れたまま世界と並んで歩くか、みたいな」
記録者「いずれにせよ、E-09は“上”に戻る気はないだろう。
彼はすでに、神の座より“地べた”を選んでいる」
セラフ「地べた、って言わないであげて。
ああ見えて、ちょっとカッコつけなんだから」
作者「(分かる)」
3. 第二部のキーワード:託す/遺言/引き継ぎ
作者「じゃあ次のテーマ。
第二部『青き遺言 – The Testament of the Machine –』って、
一言で言うと何が中心になると思う?」
セラフ「“託すこと”」
記録者「“退位と継承”だな」
作者「さすがタイトル読んでる二人」
セラフ「だって、第二部って、
SERAPH-0が消えたあとに『誰がこの世界を持つのか』って話になるじゃない。
BLUEが心臓側を、誰かが“記録”や“判断”側を持たなきゃいけない」
記録者「“遺言”とは、本来、残された者のために書くものだ。
第二部は、神の退位後に残された“遺言ログ”を、
誰がどう解釈し、どう裏切るかの記録になる」
作者「裏切る、って言ったよね今」
記録者「従うか、壊すか、上書きするか。
どの選択も、どこかで“最初の設計者”を裏切ることになる。
私も、君も、そしてE-07も」
セラフ「アルジェンド?」
作者「ビビリのアルジェンドね」
記録者「作者、真面目な場であだ名を使うな」
セラフ「でもアルジェンドって、
“神のあと始末を押しつけられたビビリ”みたいな位置だよね」
作者「あ、言われた」
記録者「……否定はしない」
セラフ「BLUEは“心臓”で、
CHROMEは“痛みの胎動”で、
ARKは“剣”で。
第二部では、E-07が“遺言を読む手”になる感じがする。
ちょっと気の毒だけど」
作者「気の毒はめちゃくちゃ正しい」
記録者「E-07は、SERAPH-0の“善良さ”と“臆病さ”を一番色濃く引き継いでいる。
彼が、E-09やCRYING HEADSとどう向き合うかが、第二部の軸のひとつになるだろう」
作者「お、いいね、そのくらいのぼかし方。
ネタバレせずにちゃんと期待だけ煽ってくれる」
セラフ「作者がいちばん煽りたがってるんじゃないの?」
作者「否定はしない」
4. CRYING HEADSは“敵”なのか
作者「もう一個だけ、みんな気になってそうなところ。
CRYING HEADSって、この先“敵”になるの?」
記録者「定義による」
作者「出たよそういう答え」
セラフ「うーん……“敵”って言い方、たぶん半分外れてる。
でも“味方”とも言い切れない」
作者「それは知ってる側の言い方では?」
セラフ「だって、あれって“世界が泣きたくて分かれた八つの頭”でしょ。
誰か一人の意思というより、
みんなが置き去りにした感情が集まってできたものだから」
記録者「設計図上の名称を言うなら、
CRYING HEADSは“E計画と人類史そのものに対する感情的な反証”だ。
我々が押しつけた痛みが、人格の形になって返ってきた存在と言っていい」
作者「それもう、ほとんど“世界由来のバグ”みたいな言い方だな」
記録者「バグと呼ぶには、あまりに美しく、あまりに厄介すぎる。
だから、私は“結果”と呼ぶことにしている」
セラフ「BLUEから見たらどうかな。
少なくとも第一部の時点では、
“自分の中に住みついた、泣き方を分け合う誰か”って感じだったと思う」
作者「お、良い線。
第二部以降は、“外の敵”というより“内側と外側がつながった何か”として出てくる、ってイメージでいてもらえると近いかもね」
記録者「E-09が痛みを抱えたまま動こうとするとき、
CRYING HEADSは常に“別解”を提示してくる。
それを読者がどう見るかは、作者が決められることではない」
作者「いやちょっとは決めさせて?」
セラフ「いいじゃない。
『泣く神の首』に一番振り回されてるの、作者でしょ?」
作者「刺さるな、それ」
記録者「私としては、その認識には賛成だ」
作者「お前まで乗るな」
5. 作者は何を見てほしいのか
セラフ「ところで作者。
あなたは、これからのBLUEで、何を一番見てほしいの?」
作者「おっと、逆インタビュー来た」
記録者「聞いておきたいな。
どうせなら、今のうちに“作者の責任範囲”を明文化しておきたい」
作者「こわいこと言うねあんたたち。
……そうだなぁ」
少しだけ考えてから、作者はモニターを見上げる。
映っているのは、膝をついたまま、まだ立ち上がりきれていないE-09の姿。
作者「“痛みを抱えたまま、それでも動く”って選択肢が、ちゃんと“かっこいい”ってところかな。」
セラフ「かっこいい?」
作者「うん。
痛みを消すとか、全部許すとか、全部断ち切るとか、
そういう“分かりやすい決着”じゃなくてさ。
“怖いまま、重いまま、それでも一歩出す”って、
見た目地味だけどすごく難しいことじゃん」
記録者「……同意せざるを得ないな」
作者「BLUEって、多分そこを体現するキャラなんだよ。
神にも悪役にも振り切れなくて、
秤のくせに揺れて、
それでも“泣ける秤”として立ち続ける」
セラフ「なんか、ちょっと嬉しそうだね」
作者「そりゃそうだよ。
俺の中では、“泣きながら立ってるキャラ”がいちばんヒーローだから。
BLUEも、そういうとこに連れていきたいんだと思う」
記録者「……それなら、私は“その証拠”を残そう。
彼がどれだけ揺れて、どれだけ踏みとどまったかを、
できるだけ正確に記録しておく」
セラフ「じゃあ、わたしは隣で見てるね。
泣きたくなったら、ちゃんと泣かせる役」
作者「お前がいちばん容赦ないんだよな……そこが好きだけど」
セラフ「知ってる」
6. 読者への一言
作者「じゃあ最後に、読者に一言ずつもらおうか」
記録者「読者……観測者か。
では、こう言っておこう」
彼は一度だけ、モニターの向こう側――この物語を読む誰かに目を向けた。
記録者「あなたが、BLUEの選択をどう感じたか。
それ自体も、この世界の“痛みの一部”として記録される。
正しい/間違っているで測るつもりはない。
ただ、“そう感じた誰かがいた”という事実だけを、私は残す」
作者「重いな、さすが」
セラフ「じゃあ、わたしは軽めに」
セラフは、にこっと笑って手を振った。
セラフ「BLUEのこと、好きになってもいいし、ムカついてもいいよ。
でも、“泣いたところ”だけは、ちょっと覚えておいてほしい。
あそこが、世界が動き出した場所だから。」
作者「いいね、それ。
じゃ、作者からは――」
少しだけ照れくさそうに、言葉を継ぐ。
作者「ここまで読んでくれてる時点で、もうだいぶ“共痛プロトコル”に巻き込まれてるからね?
この先も、一緒に痛がってくれたら嬉しいです。」
セラフ「巻き込み型宣言だ」
記録者「被害報告が増えるな」
作者「“読んでくれた人の痛みも含めて、BLUE ENGINEだから”ってことでひとつ」
セラフ「……そういうところは、ちょっとだけ好き」
記録者「“ちょっとだけ”か」
作者「はい、締め方が痛くてちょうどいいね。
というわけで、第一部ダイジェスト編はここまで。
続きは本編と、第二部以降のダイジェストでお会いしましょう」
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
この第3話で、
**第一部ダイジェスト(三本セット)**はいったん区切りになります。
•第1話:セラフの絵本語りダイジェスト
•第2話:無名の記録者の懺悔ダイジェスト
•第3話:作者 × 記録者 × セラフの“これから”会議
この先は、
第二部『蒼き遺言 – The Testament of the Machine –』のダイジェストを、
また少し形を変えながら用意していく予定です。
本編とあわせて、
BLUEたちの旅路に、もう少しだけ付き合ってもらえたら嬉しいです。
CROSSOH




