表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界姉さん美人妻二人、両手に花…勇者の本音は  作者: 安藤昌益


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/53

拠点確保

 カークが動いたのは、転位ルートを構築出来る魔法知識を得たこと以外にも理由はあった。ババア少女風エルフのビーニアのルートからもたらされた情報からだった。テンシアの領地に、新たな魔王が進行、拠点にしたということとケイカの領地に、得たいのしれない集団が、勇者を擁して占拠したという情報だった。さらに、ルート構築を、ケイカとテンシアと行う前の夜に抱き合った時、その魔法知識と共に精神上はそのルートがつながり、両方の状況を見、そして聞くことが出来た。そして、トカゲ頭型魔族の魔王が、テンシアの館にいることと勇者達と異様な、つまり獣頭の種族がたむろしているのを知った。一気に、両方を潰せるチャンスと、カークは考え、ケイカとテンシアは一刻でも早く救いに行きたいというものだった。それが、一致した結果だったのだ。

 どちらも、地元の、ケイカやテンシアの代々の家臣のはずの連中の一部が、彼らと内通した結果でもある。

 内通者にも、内通者なりの言い分があった。どちらの領地も、彼女らの親戚、かなり血縁的に離れた親戚が権利を主張して入り込んできて、それも複数もだ、その挙げ句、領民も巻き込む争いを始めたのだ。それの対策のため、その負け組になりつつあった勢力と共に、近隣の魔王神殿で魔王と認められ、新興勢力ながら、急成長している勢力と提携しようとしたのだし、同様のことを模索しているところに、勇者を名乗る男女のグループとそれに続く一団が接触してきたため、呼び入れたのである。

 どちらも失敗だった。 

 トカゲ、本人たちは竜と言っているが、型魔族であり、魔王を称している、魔王神殿から認定された、真の統一魔王に駆け上ろうと意気軒昂な魔王とその軍である。思う通りになってくれるはずはない。現地の代官程度として認めれただけでも幸運だったろう。

 勇者や聖女、賢者その他はよかった。その後に続いた一団に驚き、その粗暴さ、横暴さに驚愕し、慌てた。そして、勇者達の彼らへの態度に戸惑い、恐怖した。彼らが何者だったのか。水晶玉から現れた九尾の獣人が語った話は、不思議なものであり、茫然自失の勇者達が告白した内容は、胸くそが悪くなった。

 ただ、彼らと彼らを倒す形で乗り込めたことは、結果として好都合なこととなってくれた。

 しばらくは、表立ってケイカやテンシア、ましてカークが出るわけにはいかない。内通者は、表面上の領主とその一党ということに出来る。元々負け組化して、さらに勢力を失った彼らを傀儡として臣従させるのは容易だったし、それなりの人的資材をカーク達は得たのである。そして、茫然自失していた勇者達は、曲がりなりにも勇者達である。その力は、現状では有力な軍事力になる。彼ら3がいない時に、3人が戻るまでの時間を稼ぐことは十分に出来る。これに、カークが連れて乗り込んだ面々を加えれば、当面は、体制を整えるまでは十分である。それに、狐耳の九尾の獣人女がいる。かなりの魔法力がある。

 とはいえ、彼女が何者か、なぜ水晶玉に封印され、なにをさせられていたのか。獣顔、毛深い、ほとんどが獣でいわゆる獣人とは異なり連中は、勇者達が美しい犬耳姫、美男の狐耳王子に見えていたらしいは、何者だったのか。

「あの輩は、卑しい神獣と魔獣のなり損ないに過ぎない存在の者です。」

 そう言いながら、跪いているのは九尾の狐耳女だった。

「そういうお前は何者なんだ?その体が本当の姿というわけではない…といういうわけでもないようだ…。」

 カークは、左右を見た。ケイカもテンシアも首を振った。

「さあ、その卑しいなり損ないすら分かりませんし…。」

「吾も分からん。すまん、期待にそうことができず…。」

 狐耳女は、姿を変えた。そこには、九尾の狐がいた。

「これが力の本体である姿。しかし、先程の姿もまた私。私は、神獣、強いて言えば、高位の神獣、元は、あの勇者達に誠実な獣人達の守り神。」

 それが、どうして封印されたのか。彼ら、なり損ねは、実際彼らが何という他称自称問わず何という種族なのか分からないが、雑多な部族で対立しながらも、いわゆる獣人達を複数の部族ごと支配していた。かつては、それ程の規模ではなかった。隣接したいた獣人の部族が、彼女が抑えていた。が、ある日、状況が変わった。

 勇者が、彼らに味方して、彼女を守護獣と祭っていた国、小規模な部族国家だが、に侵攻。激戦の末、彼女を封印したのだ。

「彼は、ふらふらになって後ろを、彼の同士達の方を振り返って、驚愕して凍りつきました。そして、彼を守ろうとした、彼らの奴隷の猫耳の娘と共に、十数本の槍で突き刺されて絶命しました。」

 その勇者が、何故彼らの味方になったのかは分からないが、カークの下についた勇者達から聞いた事情から推察が出来た。

「多分同じだろうな。」

 彼らは、多少異なる理由で、絶望して彼らのところにたどり着いた。もしかして、故意に導かれた、誘い出されたのかもしれない。そこには、優しく、おおらかで、美しく、愛らしく、モフモフで、優しく彼らを受け入れる、全ての種族が共存した共同体だった。少なくとも、彼らにはそう見えた、見えるように欺かれた。なり損ないに達には、そういう能力があったらしい。それなのに、彼らの周囲に、身近に本当に彼らを思う、いわゆる獣人、猫耳族などを、自分達の奴隷を配したのは、彼らだけでは、そのうち正体が、看過されるからだった。勇者達は、周辺の侵略のための道具となった?簡単に使い捨てのできる。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ