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異世界姉さん美人妻二人、両手に花…勇者の本音は  作者: 安藤昌益


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血の盟約、てかなんで…

「約束しただろう?」

“してはいないな。”できれば誤魔化したかった。

「我らが言うのは、お前が最後まで我らを守ること、協力するということだ。」

「その代わり、私達もあなたに尽くすことを約束するということですよ。まず、それを約束してほしいの。」

「その後で、ゆっくり好きなだけおしえてやる。」

「今後のことも、相談しましょう。」

 怖いくらいに、妖しい笑い顔で二人は、並べるように顔を向けた。腰をかがめて、彼に答えを迫るような感じになっていた。カークは、この圧力に押されながらも、素早く計算した。とりあえず無難なところで、打診してみようかと思ったが、それよりは一歩進めてみるかと結論した。

「約束しましょう。では、だめかな?やはり信用できないか?」

 逆に窺うような表情を向けてみた。

「疑うほど、あなたは善人では、ありませんが…。」

「信用できる程度に悪党だかな、お前は…。」

 酷い言われようだ、他の言い方はないのか、と言いたくなったが、それは呑み込んで、ため息を敢えてついて、

「では、盟約を結びますか?」

 これならどうか、と二人を見た。二人も、想定内の回答だったようだった。互いの顔を見て頷いた。そして立ち上がった。彼も続いて立ち上がり、

「では…てか…なんで服を脱ぎ始めるのですか?」

 さすがにカークは慌てたが、二人の女達は落ちついて、というわけではなく、震えながら、息を震わせながら、

「男と女の血の盟約といえば、これでしょう?」

「そうじゃ。こちらの方が確実であろうし、嬉しかろう?」

と仲良く、手際よくとまではゆかなかったが、チームワークよく、彼の服を脱がせ始めた。

 ある程度まで脱がせると、今度は彼の前で床に身を横たえ、自ら自分の乳房や相方?の乳房を揉み、下半身に手を這わせたりし始めた。これ以上は広げられないくらい両脚を広げたりした。その行為の意味は、よく分かっていた。かれの体が、それに刺激されて、欲望いっぱいになっているのは、彼自身にも否定できなかったから、彼は残りの衣服を脱いで、彼女達を押し倒した。その後は、ぐったりなりながらも、彼の腕を抱きかかえる二人の女に挟まれて、仰向けに寝ているカークがいた。汗と他の体液とそれによる異臭に包まれている中で、これから話されるだろう内容を色々と考え、種々の想定をしながら、寝息を立てて眠り始めた二人の顔を、時々ため息をつきながら見ていたカークだったが、そのうち、眠りに入った。

「魔王妃様の偽者を生きて館から出すな!」

 その叫び声に、魔王妃、もう数日前には元になっているのだが、は半ばやはりかという諦めの表情とともに、絶望の悲しみを浮かべていた。多数の兵士達のかける足音が響いてきた。既に、広い部屋の中には屈強な魔族の戦士達が、剣を抜いて対峙していた。周囲の状況を既に索敵魔法で把握していたカークは、どうするかは決めていたので、傍らの王妃、同様に元だが、の方に目を向けた。意外にも、彼女も同様な表情を浮かべていた。

 場所は、実家の部族長の魔王都にある屋敷だった。カーク達二人を、護衛の男女のように従えた彼女は、その屋敷の正面から、名を名乗り堂々と入った。出てきた者が、彼女を知っている者だったので、すんなり入れた。が、そこまでだった。

「吾のことが分からないのか?」

 彼女を子供の頃から知っているはずのある男女が何人もいた。だが、誰も躊躇するところが全く見られなかった。

「我が息子が、どう思うと思っているのだ?」

 彼女の息子は、魔王との間の息子だが、彼女の実家の部族の下に、次期部族長として地元に過ごしている。

「偽者が何を言っている?」

 皆が笑った。 しかし、カークはもちろん二人の女達も自信を持っていた。

 魔都は、治安は最悪だった。魔王宮につなげた転移魔方陣は、あの後直ぐに切断したが、消滅はさせていなかったかったから、改めて魔王都近くに、転移先をつなげることができた。カークだから、簡単にできることなのだが。魔族の出で立ち、そして魔族っぽく化粧をして、魔王都に入った、入ることが容易なほど、警備かわ雑になっていたというより、全ての機能が崩壊しかけていた。だから、直ぐに周囲をごろつきのような魔族達に囲まれた。完全武装姿とはいえ、僅か3人、しかも二人は女である。しかも、逞しくは見えない。金になること、手頃な鴨としか見えなかった。直ぐに襲いきってきたが、カークは自分のことはもちろん、二人のこともあまり心配していなかった。自分は、魔族の正騎士でも数十人来ようと余裕で撃退できる、とカークは思っている。実際、一つのグループを全て袋だたき状態にすると、新手が直ぐに現れるという事態になった。縄張り争いを競うのに丁度よかったのだろう。最後は、100人超になったが、難なく撃退した。とはいえ、だからといって、彼女らが戦う必要がないほど完璧に守られていたわけではない。カークは、彼女らにかなり高い格の聖剣、魔剣、聖鎧、魔鎧、魔法具を与えていたし、彼女達の魔力はかなりなものだったし、剣などの腕前は並の騎士以上で、戦いの経験もそこそこあったからだ。簡単に遅れはとらないだろうとは思っていた。彼女達も、次から次へと現れる魔族のごろつきの一人や二人など如何ということはないと思っていた。

「しまったな~。」

「あれれ?」

「あら?」

 それが、3人で頭をかくはめになった。カークは、殴り倒すつもりで頭を叩き割ってしまうなどを何度もやってしまった。二人は、止めだと思って、壁に叩きつけたのはいいが、壁ごと頭を叩き割ることになったのだ。“力の加減ができない?”“こんな怪力女じゃない…はず…。”

 だから、カークは自分の力を確かめ、女達の戦いぶりを観察しようと決めていた。それでも、狭い室内の戦闘であるから、カークは二人注意して戦うつもりではいた。

 相手側の魔道士の拘束魔法から始まった。それを軽く中和すると、3人は躍りかかった。別に屋敷がどうなろうとよかったから、魔法攻撃の種類を選ばなかった。

 二人とも、魔力で魔道士達の攻撃を跳ね返し、剣を交えながら足蹴りを食らわせると

相手がでかい魔族であっても、吹っ飛んでいった。

「しまった!」

「やり過ぎた…。」

 足も手も腕も口も動かしたりまくりながら、戸惑う彼女らをチラチラ見ながら、“力が調整できていないか?分かっているはずなのに。二人なら分かっていれば…。いや、まさか、どんどん増している?”と疑問を感じながら、一気に終わらせようと、衝撃で相手を全て、一時的に倒し、その間に逃げだそうと考えたのだ。もちろん、何割かは死ぬかもしれないが、まあ、しかたがないか、と割り切っていた。

「転真敬会奥義、小進水!」

 波動の衝撃波だった。

「ありゃ?」

 押さえたはずの衝撃波が、部屋の壁を次々に突き破り、柱を折り、天井を落としていった。館全体が崩れかねない状態になった。慌てる相手方を尻目に、

「小退水!」

 不可知の波動を発して、

「逃げるぞ。」

と二人を抱きかかえて、転移した。阿鼻叫喚を残して。



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