中学校が始まって
中学校の入学式を迎えた。
とはいっても、クラスの子たちは小学校とほとんど一緒だった。
制服と学校が変わったぐらいで、ほとんど一緒に思える。
「雛鈴結花浬です。よろしくお願いします」
入学式が終わり、学校案内のあと、クラスで自己紹介が始まる。
前の人の自己紹介を真似て、お辞儀してから席に着いた。
新しい子の名前と特徴を頭の中で繰り返しながら、自己紹介を聞いていく。
「ルキテア・パキスタスです。パッキーって呼んでください。よろしくね」
先日会ったパッキーちゃんが頭を下げていた。
会った時より背が伸びていて、瞳の色も黄色にくすんだ赤がまじりヘーゼル。
早い話が別人になっていた。
(終わったら、話にいこう)
委員会決めが行われる。
クラス委員、美化委員、保健委員、生活委員、図書委員などを先生が黒板に書く。
「立候補から、受け付けるぞ」
各委員の役割を説明した後、先生が話す。
給食委員をやろうと思っていたらほかにも立候補がいてじゃんけんになった。
相手の子が勝って、私は余っていた美会員に選ばれた。
「よろしくね、ユカリちゃん」
「よろしく、パッキーちゃん」
パッキーちゃんが嬉しそうに話しかけてきた。
「各委員会のところに行って、細かい話を聞いてきてください」
先生から委員会の場所を聞いて、パキスちゃんと一緒に教室を出発する。
「パッキーちゃんって、前にあったネコさん?」
「そうだよ。ユカリちゃんと会うのは、これで三回目になるね」
小声で話しつつ、美化委員の集まる教室に向かい、廊下を歩く。