道行く先の来訪者
「行けるようになったんだってね。ボクもその場で見たかったよ」
レイさんに会って最初に言われたのがこの言葉だった。
(ほめられたのかな?叱られたのかな?)
どっちかなと思っているとパッキーちゃんが道を開け、慌てて背中を追う。
白い世界に足を踏み入れ、パッキーちゃんとレイさんの三人で歩く。
ビーズは緩やかに減っている。
ときおり確認して道を進んでいると上空から視線を感じた。
(誰かいたような……気のせい?)
ひょっとしたら前に夢で見た自分がいたのだろうか。
(なんてね)
そんなことを考えていると、人の気配がした。
「念のためビーズも補充しておこうか」
レイさんも感じ取ったようで、魔法のビーズを手渡してくる。
補充していると、パッキーちゃんが上空を指さして誰かいると教えてくれた。
その人は風をまとって降りてくる。
眼鏡をかけた初老の男性は、私をなぜかきつい目で見てくる。
「誰ですか?私なにかしました?」
「人に名前を尋ねるなら自分から名乗るべきでは?」
つい聞いてしまった私に、男性は強い口調で話しかけてきた。
「雛鈴結花浬です」
「フウチョウロウだ。君かね。向こうの世界からこちらに来ようとしているのは」
「そうですが、それが?」
あまりに高圧的な態度に長老さんと名付けることにする。
(名前で呼んでやるもんか)
一方でパッキーちゃんやレイさんはかしこまっているように見えた。
「ユカリちゃん。偉い人だから、ちゃんと対応しようね」
「えー、初対面で高圧的な人なのに?」
小声で話しかけてきたレイさんに即座に答える。
「聞こえているよ」
長老さんは耳ざといのか、いらいらした口調で割って入ってきた。




