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昔と今をつなぐ鍵  作者: ぷらすとぷらす
第1話 春の初めと出会う猫
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おとぎ話を信じる子

 パッキーちゃんと改めて、飲み物を飲む。

 お金は飼い主?さんが払ってくれるそうで少し嬉しくなった。

 お小遣いのやりくりは大変なのですごく助かる。


「ひょっとして私が今まで拾ってきた動物って」

「あたしの友達かも」

 ベンチに座って足をぶらぶらさせ、パッキーちゃんは話す。

「というか、よく信じてくれたね。あたしの話」

 パッキーちゃんに聞かれて、首を傾げた。

「だって、こういう話ってみんな笑い飛ばすって聞いたからさ」

「あーうん。私も経験あるよ」

 昔の苦い記憶がよみがえってきた。

「世の中広いんだから、魔法の世界も地底の世界も海底の世界もきっとあるのに」

 前にこの話をして、みんなから温かい目で見守られたことを思い出す。

「そっか、ずっとお話を信じていてくれたから、また会えたのかな、あたしたち」

 パッキーちゃんはお母さんみたいな優しい目をして話す。

「またってやっぱり――」

 ずっと前に会ったネコって話そうとした瞬間、扉がノックされた。

 その直後、パッキーちゃんはネコの姿に戻る。

 パッキーが一声鳴く。扉の向こうの人に対して。


 扉がゆっくりと開き、パッキーが走って胸に飛び込む。

 しっかりと受け止めたのは男性。

 ライトブラウンの髪に眼鏡、ネクタイにスーツの二十代ぐらいの男の人がいる。


「見つけてくれて、ありがとう」

 パッキーを抱き抱えたまま、深々と男性は頭を下げる。

「ど、どういたしまして……」

 話していたことを男性に伝えようとしたら、パッキーが私を見ている。じっと。

「またね。パッキーちゃん」

 その視線の意味に気づいて、パッキーに手を振って、別れた。


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