浴衣に着替えて夏祭り
「大学でできた友達が教えてくれたんだ」
くつろいでいるスミレーユを見ながら、お姉ちゃんが話す。
「良いなー大学、私も行ってみたい」
「ちゃんと勉強すれば行けるって」
「勉強……楽しいことなら続けられるんだけどな」
「知識が増えていくことって楽しいことだよ」
できる人の意見な気がして、言葉に詰まる。
「今の自分を変えてみようって思うことが最初の一歩だからね」
変わるといえば変身魔法、なんだけど最近は使う機会が減った。
公園には人もいるし、パッキーちゃんがお出かけのときや雨の日もある。
あと暑いし、パッキーちゃんからどうやって魔法を教わろうかな。
「なんなら、これから私の部屋に来て泊ってみる?」
「良いの?お姉ちゃ――って今日は都合が」
カレンダーが私の目に入り、お姉ちゃんは視線を追いかける。
「ああ、お祭りね。なら一緒に行こうか」
肩を落とす私の頭を撫でて、お姉ちゃんは提案してきた。
「これで良しっと」
「ありがとうお姉ちゃん」
「着付けも覚えると役に立つよ」
お姉ちゃんに浴衣を着せてもらい、夏祭りに出かける。
たこ焼き、綿菓子、焼きそば、お好み焼き、から揚げ、輪投げなどお店が並ぶ。
いつもはひっそりとしている神社周辺も今日は多くの人が訪れている。
「コリスちゃん、パッキーちゃん、みんなも」
クラスメイトや友達の姿が見える。みんな浴衣や甚平を着て、夏を感じさせた。
かくいう私も今日は髪をストレートにしている。
「浴衣って初めて着たよ。歩くの、難しいね」
「大股で歩きたくなるよね」
「それやるとはだけちゃうからね。ユカリちゃんも初めて来たときは――」
思い出話が始まりかけたので、あわてて話題をそらす。
「それよりもうすぐ盆踊りだよ。パッキーちゃんはどうする?」
「やるよ。見よう見まねで踊ってみる」
パッキーちゃんと話していると、急に雨のにおいがして、雨粒が髪に当たる。




