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昔と今をつなぐ鍵  作者: ぷらすとぷらす
第1話 春の初めと出会う猫
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昔話とネコさんと




「……こうして魔法の世界から来た人々は、自分たちの世界に帰っていきました」

 私はお母さんから絵本を受け取る。

 お母さんの膝上で聞いていた私は、最後のページの絵を見ながら余韻に浸る。


「うーん、めでたしめでたしなのかな?」

 しばらくして、顔を上にあげ、お母さんに聞いてみた。

「あら、どうしてそう思うの?」

「だって魔法の国の人はみんな帰っちゃったんでしょ?それはとってもさみしいよ」

「そうね。確かにさみしいわね」

 お母さんはそう言うと、本を閉じる。目の前にあった世界が閉じていく。

「みんなはおうちに帰ったのよ。自分の暮らしているおうちに」

「そっか。おうちに帰ったのか」

「そして、また出かけるのよ。ご飯の買い物とか気分転換にね」

 お母さんの言葉を聞いて、私は膝から立ち上がり、そのあとお母さんも立つ。

「私もいつか魔法の世界の行ってみたいな」

「行けると良いわね。その前にお買い物行こうか。今日は何食べたい?」

「カレー!」

 満面の笑みを浮かべて私が言うと、お母さんもにっこり微笑んで頷いてくれた。


 買い物を終えて、お母さんと家に向かうと、ネコがいた。

 青みがかかったグレーで黄色い目のネコがふらふらと歩いている。

「にゃあ」

 私に気づいたのか、ネコは一声鳴く。

 こちらに近づこうとして、パタリと倒れた。

「お母さん!」

 手を引っ張って、私はネコに近づき、抱きあげた。

 抱きかかえたネコはぐったりとしていて、赤い首輪が見える。

「迷いネコかな。動物病院に寄ろうか」

 母に連れられて、家の近くにある動物病院に立ち寄り、ネコを手渡した。


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