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第五話

キャロット視点が続きます。


東の魔人に声をかけたはいいが、次の瞬間に五体バラバラにされるんじゃないかと気が気じゃない。

昔見たあの攻撃は今でも躱せるイメージが湧かない。

そうだ、足に魔力を集中させて一瞬で距離を取れるようにしよう。


...いや待て魔力が体内で動いた瞬間、敵対行為と見なされてバラバラにされるのでは。考えろ、考えろ。


「〜〜大きい〜」

しまった!相手の攻撃をいなす事を考えていたせいで東の魔人の言葉を聞き逃してしまった!

不味い...どうするか。もう一度言ってほしいと言った瞬間に殺されたりしないだろうか?

大きい、という単語は何とか聞き取れた。

なに?何が大きい?私の縄張りが大きい?...確かに数百年前に西南方向に住み着いていた魔人を殺して縄張りを奪った。それで私の縄張りは僅かに東の魔人より大きくなっている。


魔人の縄張り主張は、自身から漏れ出す魔力をコントロールして自分の縄張り全土に魔力を巡らせることで他の魔人にアピールしている。魔人の中のでも魔力感知に長けている者は、他の魔人の縄張り範囲を正確に把握できると聞く。

...東の魔人もその可能性がある。うう、欲張って縄張りを拡大したのが仇になってる。こうなったら秘密裏に縄張りを分け与えて許しを乞うー


「パンはパンでも食べれないパンってな〜んだ。」


...?

.........?

?どう言う意味?

この状況で言葉通りに受け止めるのは違うと赤子でも分かる。パンは何かの暗喩...?

!!

パンは捕食できる私を意味し、食べられないパンは捕食できない美味しいもの、つまり私の縄張りを意味している...?

いやそれはちょっとこじつけ感が拭えない。

...もう正直に聞いてみようか。私の縄張りが欲しいのかって。これは賭け。分の悪い、命懸けの賭け。

聞いて、答えを誤れば死。


今までに何度も死線をくぐってきたこの私、キャロットを舐めないで欲しい。


「ねえ「ケツ毛でいいですか?」」

「...」

「ケツ毛でいいですか?」

「.........」


ケツ...?ケツゲでイイデスカ?


もう意味が分からない。もう何も考えれない。考えたくない。

ケツゲ...ケツ毛?そんな馬鹿な。もしかしてこの大陸の言語ではない?竜言語?

...私では彼の期待している答えを言えそうにない。

悔しいけど戦闘力も、頭脳も私の上をいっている。それとも単に意味不明な単語を羅列して私が混乱しているのを楽しんでいる?

そう考えると、出会った際の全身を舐めるような視線、東の魔人のニヤついた顔にも納得がいく。

そうとしか思えなくなり、イライラしてきた。

魔人のプライドを取り戻せ、私。命が消える瞬間まで魔人種としての傲慢さを忘れるな。


今度は私が主導権を握らせてもらう。


「...あなたは、...あなたは、東の魔人?」


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