第一話
初投稿です。よろしくお願いします。
事故で死んだら神様に、転生する?って聞かれた。
したいです。って答えると、能力どうする?って言うから、次は事故とかで死なないような頑丈な体が欲しいですって答えた。
そしたら次の瞬間意識が消えた。
目が覚めたら、夜の森の中で仰向けに寝ていた。
起きて辺りを見回すと直ぐに異変に気づいた。明らかに日本の植生じゃない。
そこまで植物に詳しい訳ではないが、見ればわかる。木の葉が炎だ。意味わかんないけど山火事とかじゃなくて、木の葉っぱが火でできてる。
わけわかんねぇ...。アマゾンの奥地にもねーよこんな木。神様は自称神様じゃなかった。夢じゃなかった。異世界に来ちゃった。
―――
俺は前世は日本でサラリーマンをやっていた30代のオッサンだ。独身童貞無趣味彼女無しの孤独死予備軍。仕事はできる方ではなく、謝る、深く謝る、泣きながら謝る、土下座、を駆使して何とか誤魔化して新卒から同じ企業で働いてきた。職種は主に営業。その営業中に横断歩道で信号を待ってたら車が突っ込んできた。
そして神様のお情けで転生。特に神様の手違いで死んだとかではなく、ただ不運だったらしい。
そんな不運おじさんが何も持たずにいきなり異世界サバイバル?
できらぁっ!
とりあえず場所を移動しよう。昔見たサバイバル動画で、まず何よりも水の確保!と言っていた。フフ、俺は詳しいんだ。こうして耳を澄ませば何処からか水音が聞こえるはずさ。
ーーそう思ってた時期が俺にもありました。一切手がかりがない。かれこれ1時間ぐらい歩いてる気がするけどなーんもない。葉っぱが燃えてる木と、針金みたいな葉を乱回転させてる雑草(近づくと動きが止まる)と、動く底なし沼しか見つからなかった。
こういう時は獣道を辿って水場を探すとも動画で習ったのだが、そもそも獣の気配が無い。
それもあって俺も無警戒で散策できている。...あれ?ちょっと待てよ?
1時間探して見つけたイカれたメンバーを紹介するぜ!!
・葉っぱが燃えてる木(ずっと観察してると偶に怒り狂ったように周囲を、幹をしならせて無差別に攻撃する。)
・針金の雑草(乱回転が最高潮になると針金を周囲に射出する)
・動く底なし沼(葉っぱが燃えてる木と針金の雑草を飲み込みまくってる。葉っぱが動く木が、土から根っこ引っ張り出して走って逃げていた)
そして動物の気配なし。そうだね。食い物がないね。水もないね。
つ、詰んどる...
―――
あれから更に2時間ぐらい探査した結果、いくつか判明したことがある。なんか俺、視力上がってね?ド近眼だったのにメガネ無しでも遠くが良く見える。そしてどうやら夜目も効くみたいだ。
神様サービスしてくれたんかな。感謝感謝❤︎するわけねぇだろクソ野郎。こんな飯にありつくのも難しい場所に転生させやがって。
あと分かったのは、てっきり夜の時間に転生したと思っていたんだけど、葉っぱが燃えてる木によじ登って(燃えている葉に近寄っても何故か熱くなかった)周りを見ようと登ったら、赤黒いおどろおどろしい空と対面した。
つまり空自体が暗くて今が夜か昼かも分からない。因みに葉っぱが燃えてる木は近づいたら、蛇に睨まれた蛙みたいに硬直したから楽に登れた。ナンデ?
そして最後に重要なことがわかった。
雨や風をしのげそうな洞窟があった。
でも重要なのは洞窟の発見じゃない。
洞窟の中に、大量の動物の骨が散乱していた。
犬ぐらいの骨から熊より何倍もデカい骨まで。
そう。
周囲に動物が棲んでいないんじゃなくて、食い尽くされていたんだ。
何者かに。
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