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3 いざ建築!

たくさんの評価、ブックマーク、誤字報告ありがとうございます! すごく励みになります!


……最後のは0にしたいなぁ。

 それから私たちは、家を建てるにあたって必要な諸々を決めることにした。

 ただ、広場でってわけにもいかないので、昨日に続いてレイラのお店の休憩スペースに移動していた。



 さて、まずは土地だけど……。


「私、ずっと良いなって思ってた場所がありまして!」


 セーナがビシッと手を挙げていった。

 魔王討伐の旅すがら、いろんなところを訪れてたから、その中で気に入った場所があったんだろう。


「へぇ、どのあたり?」


「ここから馬車で五時間くらいのところにあるヤナギの里の側の山です!」


 ヤナギの里ってことは……。


「あぁ、私とセーナが初めて会った場所か」


 たしかそうだったはずだ。

 あの時も結構いろいろ事件があったんだけど、まぁその話はおいおい。


「はい、そうです! 覚えててくれたんですね!」


 はしゃぎながら私に抱きついてくるセーナ。


 スキンシップが激しいな……。


「なるほど、初めて出会った思い出の土地で生涯過ごす……か。オシャレだな、手伝い甲斐がある!」


「まぁ私も賛成かな。あの辺りなら里も近いし、確か水辺のある平地もあったよね」


「そうですそうです! あの池のほとりに家を建てたらオシャレだろうなぁって」


 確か綺麗な池だったし、生活用水としても使えるだろう。

 井戸を掘らなくてもいいというのは楽で素晴らしい。


「じゃあ、場所はとりあえずそこで。後で家建てていいか国王に確認とってくるね」


「そんな友達に聞くみたいな感覚でいけるのか……」


「一応、魔王を倒した英雄ですから」


 まぁ厳密にいえば、この前の晩餐会でやたら仲良くなれたからなんだけどね。



 それから私たちは間取りや外観のイメージを決めて、着工は明日からという事になった。


 あ、ちなみに国王の許可はすんなり取れました。

「里の邪魔にならなければ好きに使っちゃって〜」との事らしい。ゆるい……。




 ──────と、そんなこんなで翌日。


 私たちは例の池の前まで来ていた。

 ちなみに移動は魔法でヤナギの里まで飛んで、そこから歩いたので大して時間はかかっていない。

 我ながら、便利なものだ。


「とりあえず、何からするべき?」


「そうだな、まずはこの辺の木を切らなきゃ話にならないだろう」


「確かに邪魔ですもんね」


 言う通り、池の周りにはまぁまぁ木が生えている。

 上手い人ならこれを活かして建てられるのかもだけど、素人じゃさすがにそこまでは無理だもんな。


「よし、じゃあサクッと切っちゃおうか」


「ですね」


 私とセーナは顔を合わせ頷くと、


「「たぁ!」」


 私は魔法で、セーナは剣で木を切り倒していった。


 そして、ものの数秒で必要なスペースの確保が完了する。


「……斧、必要無かったな」


 レイラが斧片手に苦笑いしていた。

 ……やりすぎた?



 それから、私たちは剣と魔法を駆使してひたすら木材を加工していった。

 本来はノコギリとかで加工していくらしいんだけど、正直こっちの方が綺麗で早かったのだ。


 そして、これもものの5分で完了した。


「…………これ私、必要無かったんじゃないか?」


 レイラが遠い目をしながら苦笑いしていた。

 …………うん、やりすぎたなこれ。



 ただまぁ、最後の組み上げの作業に入ると、流石に魔法でチャチャっとはいかないので、レイラを頼る事になった。


「私の時は部材集めで3日掛かったんだが……まぁいい。実は今日みたいな作業にぴったりな物を持ってきたんだ」


 レイラは得意げな様子でマジックバッグを漁ると、中から50センチほどの人形を取り出した。

 金髪金眼のセミロングで、どことなくセーナっぽい。


「私の人形ですか、それ?」


 セーナも同じ事を感じてたらしい。

 それだけしっかり特徴を捉えたハイクオリティなものなのだ。


「おぉ、誰か分かってくれると作った甲斐があるというものだよ。あ、ちなみにちゃんと私とリノンの分も用意してるから安心してくれ」


 そう言ってレイラはバッグからもう2体人形を取り出した。

 別に私の分ないかもなんて不安には思ってなかったんだけど……。


「で、その人形が作業の役に立つものなの?」


 見る限り、何の変哲もない人形だ。


「あぁ、実はこれ魔法道具でな、登録した魔力を感知して動く仕組みになってるんだよ」


「へぇ、ってことは、ゴーレムに近い感じ?」


「言ってしまえばそうだな。でも、ゴーレムは製作者の言うことしか聞かないが、この人形は魔力さえ登録すれば誰でも操れるんだよ」


「え、それって結構すごいものなんじゃ……」


 少なくとも、こんな魔法道具は聞いたことないし、応用すれば兵器としても活用できそうな優れものだ。


 実質誰でもゴーレムか、それ以上の強度のものを操れるようになるわけだからね。


「まぁ、まだ昨日作ったばっかの試作中の試作だからな。正直動くかどうかわからないし、動作のデータも取りたかったから持ってきた」


 なるほど、つまりはテスターみたいなものか。

 ただでさえ手伝ってもらってる身だし、その辺りは協力していこう。


 それに、うまくいけば楽できるかもだしね。


「それで、魔力の登録ってどうすればいいんですか?」


「あぁ、それなら人形の足の裏にカバーがあると思うんだが、そこに髪の毛を入れたら登録完了だ」


 言われるがまま、私たちは髪の毛を足の裏に仕込んだ。

 そして、人形を地面に置くと、それに魔力を流す。


「あ、動いた!」


 人形は、私の魔力に反応するようにぴょこぴょこ跳ね始めたのだった。

なるべく早いこと家建てちゃいたいと思います。

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