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11 同居人が増えた

更新遅れてすみません……。ちょっと新しい仕事がありまして……。


せめて隔日で更新したい……!

「とりあえずベルカさんをうちにおいてあげるというのはどうでしょうか?」


「セーナがいいなら私は賛成だけど……いいの?」


 ここのところのセーナの動向的に、「二人暮らしがいいです!」って感じだと思ってたけど。


「私もあの境遇は可哀想だと思いますし……それに、二人の子供だと思えば可愛いじゃないですか」


 少しうっとりした顔をするセーナ。


 二人の子供ってどういう意味なんだ……。

 まぁでも、セーナがそう言ってくれるなら反対する理由もない。


 というわけで、ベルカちゃんにも相談したところ、


「本当か!? それはすごくありがたいのだ!」


 との事で、驚くほどあっさりと居候が決定した。


 まぁ、獣人の村に帰れる手段が確保できるまでの一時的な物だからね。



「よし、そうと決まればその服をどうにかしよう」


 ベルカの服は奴隷用の粗悪品で、とても着心地が良いとは思えない。

 割と汚れてるし、それなら新しいものを買ってあげようと思ったのだ。


「服……? ベルカは別にこのままでも大丈夫だ! 気にしないでくれ!」


 ベルカは明るくそう言い切った。

 笑顔だから分かりにくいけど、これは多分遠慮してるな。


 私がどうすれば説得できるか考えていると、横からセーナが言った。


「いや、流石にその服でいられると勘違いされかねなくて困りますので。お金の方は魔王討伐でたんまりもらってますからご心配なく」


「ほ、本当か……? それなら、お言葉に甘えるのだ」


 ベルカは少し恥ずかしそうに言った。


 なんとも母性くすぐる仕草だ……。セーナの我が子と思えば発言の意味がなんとなくわかった気がする……。



 それから私たちはヤナギの里の服屋に移動した。


 王都の方に行ってもよかったんだけど、三人だとそこそこ魔力を消費するからね。

 服のためだけに移動するのはちょっと骨が折れる。


 それに、里の服屋も王都に負けないくらいの品質なのだ。


「あらぁ、いらっしゃーい」


 店に入ると、化粧の濃い、性別不詳の店長が迎えてくれた。


 家を作った時に挨拶回りをしたんだけど、その時以来の再会だ。


「こんにちは。すみません、今日はこの子の服をお願いしたいんですけど」


 言いながら、私はベルカの背中を押して店長の前に移動させる。


 初めて出会う人種だからか、ベルカは若干緊張気味だった。


「あらぁ〜! 可愛い子じゃない! 何? 2人の子供? 作っちゃった?」


「そうで───」

「いや、違います! 迷子だったのでしばらく保護しようかなと」


 即肯定しようとするセーナを遮るように否定する。


 一応奴隷の件は伏せておいた。あんまり言いふらすべきものではないからね。


「なるほどねぇ〜。……よし、分かったわ、しばらく待っててちょうだい」


 店長はそういうと、ベルカを連れてバックルームへと消えていった。

 ベルカがすごい不安そうな顔してたけど、まぁ、頑張れ。



 そして、それから10分後───


「じゃーん! どうかしら?」


 店長に連れられて出てきたベルカは、凄まじい変化を遂げていた。


 茶色いロングスカートのワンピースの上に、フリルが施された白いエプロンをつけている。

 そして、頭にもレース付きのカチューシャを装着しており、獣人の耳と絶妙にマッチしていた。


 まぁ、平たく言うと、メイド服を身につけていた。


「おぉ、結構似合ってるよ!」

「はい、すごくお似合いです!」


 正直、想像してた服と全然違うけど、これはこれでありと思える似合いようだった。


「で、でもこれふりふりすぎないか……?」


 ベルカは少し困惑した様子だった。

 でも、嫌がっているというよりかは恥ずかしがってるっぽい。


「そんな事ないわ。これから住まわせてもらうなら、家事の手伝いとか当然するんでしょう。なら、こういう服を着るのが礼儀ってものじゃない」


 どこに向けた礼儀なんだと思わなくもないけど、言わんとしてることはわかるので、とりあえず黙っておく。


「そんなものなのか……? ベルカにはよく分からないが、2人がいいならこれにするのだ」


 ひとまずベルカも納得したようなので、メイド服で決定する。


「で、これおいくらですか?」


 即決してしまったけど、メイド服って結構高いんじゃなかろうか……?


 私がそんな不安とともに財布を取り出すと、店長は手を前にビシッと出した。


「実はこれ、売り物じゃないのよ。ワタシの完全な趣味。だからお代は結構よ」


「え、でも流石にそれは……」


「じゃあ、たまにベルカちゃんのメイド服姿見せてちょうだい。あと、できればお二人のも。それでチャラにしましょ」


 一体どっちが得するのか微妙な取引な気もしたけど、そういう事ならと譲ってもらうことにした。


 というか、店長メイド服着せたかっただけだな、あれは。


 そして、洗濯の際などの細やかな注意を教えてもらい、店を出た瞬間だった。

 私の第六感的なところがピコンと何かを察知した。


 これは、トラップ魔法に何か引っかかった合図だな。

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