34 吸血鬼○○○の放浪 12
そそくさと家に引っ込む旦那様を見送ったあと、午前中に終わらせたい作業を片付け終わり、いったん家に戻って一息。旦那様はまたいつものように隅の暗がりで丸まっている。私は午後作業の前に今なにか食べておく。世間では普通は食事は朝と夕だけだが、ここでは旦那様は何も言わないし、私の分の食事は私に一任されているのでいつでも好きに食べている。回数で言えば一日5食ぐらいだろうか? 今回は手早く麦粥に干し肉の備蓄を囓る。
ショタ「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!」
突然の絶叫。飛び起きる美少年。部屋中ぶつかりながらのたうち回る。戸から日光が差している。動き回って暴れる少年の腕が日光に当たる。
また絶叫。さっきより大きい声に女は堪らず耳を塞いだ。日に当たったのはほんの一瞬だったが、腕は赤黒くどろどろと体液がにじみ出て焼け爛れている。腕の痛みで正気に戻ったのか、少年は焼けた腕を抱えて隅にうずくまった。
女 「あの、大丈夫ですか?」
私はおそるおそる訊いてみる。旦那様はガタガタ震えて定まらぬ目であらぬ方向を向いていたが、やがてこっちに顔を向けた。
ショタ「大丈夫だ。大丈夫。もう大丈夫だ」
あきらかに大丈夫じゃないやつ。
女 「……なにか持って来ましょうか?」
そう言うあいだにも旦那様の腕はみるみる治っていく。私を軽々持ち上げる異常な腕力といい、これといい、やっぱり人間じゃないのかな。
ショタ「いやいい。……今日はあと何やる(作業)?」
女 「あとは馬の訓練と買い出しでもしようかな、とさっきまでは思ってましたけど」
ショタ「今日はずっと家に居ろ」
女 「かしこまりました」
そういう事になった。急にすることが無くなった。旦那様があの状態じゃ授業はできなさそうだしなあ。刃物を研いだりロープでも編むか。
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そうこうしてダラダラと夕暮れまで過ごした。夕食を用意して食べていると
ショタ「お前は僕のなんだ?」
女 「?? ……奴隷、のはずですが……」
ショタ「なら奴隷主の僕の命令はなんでも聞くはずだな? そうだよな?」
一体なにをやらされるんだ?
女 「はい…そうです」
ショタ「今日の夜は僕と寝ろ」
な、なにィ~ッ!! このマセガキッ! こんな子供でも所詮は男かッ! これだから男は! なんて奴だ。それにしても一人も客がつかずにクビになったこの不人気私に欲情するとは。なんて奴だッ! ま、まあ? こいつ顔は悪くないって言うかめちゃくちゃ良いし? キモおっさんにヤられるよりはマシだと思えば? でも心の準備がぁ…
ショタ「……嫌か? 当然だな」
女 「命令なら仕方ありませんね! 奴隷ですから! 旦那様には逆らえません!!」
ショタ「お、おう…」
あわてて残りの夕食を掻き込み、大急ぎで身体を清め、寝間着もいつものやつじゃなく手持ちでいちばん小綺麗なやつを選んだ。べっ、別に期待とかじゃないっすよ? これは試練。そう試練です。今夜の出来如何でこれからの進退が決まるのですから! ここで主人を怒らせれば殺されるか追い出されるかの2択。私の【不労で養われ生活】を守るため、仕方なーく、まっっっこと不服ながら、渋々嫌々身体を差し出すのですよ私は!!




