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1 世界の始まりの日 BC13??年

ここが前書き


Q台本形式ィ?ブラバすとこ

Aおめえ川上稔ディスってんのかァ?オオォン?

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887891136/episodes/1177354054887891142

むかしむかし。ある砂漠の町に少女が一人おりました 。


「(面倒な事になった……)」

夜。雲も無く月も大きい、外も余裕で出歩ける夜だった。少女はお縄になっていた。室内。そばには半分ほどミイラになった死体が転がっている。まるで血絞りを途中で中断したかのようだ


「何者だ」


少女を縛った男が言う。少女は銀髪に金眼、背は130cm(訳者注:特に記載無き場合単位系は訳した)ほどであろうか。左手の小指が無い。そいつが真新しい死体のそばでゴソゴソやっていた


「近所の子供ですよー。親に怒られるんで帰してくださいよー」


あまりにも怪しい


「ここで何してる」


「この空き家突っ切るのが近道なんですよ。本当なんです。コレ(死体)の事は知りません…」


我ながら嘘が下手すぎると思うが知能も語彙も無いので仕方ない


「・・・牢に入り取り調べをうけてもらう。それともその死体のように俺も殺して逃げるか?」


男が身構える


「・・・・・・ついて行くよ」


大人しく従った


     ●


牢に入った。


「それで名前は?」


男が問うた。


「無い。これは本当だ。親は名付ける前に死んだ」

「とりあえず今呼び名が要るんだよ。今作れ」


少女が男の顔を眺める


「・・・好きに呼べばいい」

「そうだな・・・なら今からお前は【ミナ】だ。・・・・容疑者ミナを捕縛っと」


パピルス書類になにやら書き込んでいる


「・・・・・・あんたは名はなんというんだ?」

「それくらい知ってるだろ」


男は振り向きもせず言う


「知らん」

「本当か?とんだ田舎モンだな・・・俺の事はウセルと呼べ。もちろん本名ではないがな」


ミナはまだ男の顔を眺めていた


「 (ウセルか・・・)」

ウセル「それでお前がやったのか?」


ウセルがいきなり投げ込んできた


ミナ 「やってねえよ」

ウセル「ここから逃げるなよ。お前が一番怪しいんだからな」

ミナ 「私じゃねえし逃げねえよ・・・最近ああいう死体多いの?」

ウセル「半ナマだったのはアレだけだな。他のはみんな一滴も残さず血絞り終わってた。それと同一ならアレで8体目だ」

ミナ 「魔術や呪術じゃないのか?」

ウセル「そういうのが使えるなら死体も残らねえよ常識だぞ。」

ミナ 「そうか・・・」

ウセル「2・3日尋問してこのままいきゃお前が犯人って事で斬首だな。俺は一番楽なそれ期待してるんだが」

ウセル「そうはならんだろなあ」


   ● 


そうはならなかった


ウセル「ミナ。出ろ」


この前の男ウセルだ。髪は赤毛の短髪、背は私よりかなり高い。年はよくわからん。若いのは確かだが人間の年齢当ては一回も当てたことないからなあ。


ミナ 「次のミイラ死体が出たろ?」

ウセル「・・・そうだ」

ミナ 「なあ。協力しないか?私もその犯人に用があるんだ。この街に来たのもそれが目的よ」

ウセル「フムン・・・」

考え込む

ウセル「(勝手に消えられるよりはマシか。)いいだろう。常に俺の監視下にいてもらうぞ」

ミナ 「それと昼間はダメだ。流行りの皮膚病でね。日差しが障るんだ。うつるから近寄るのもダメだ。」



夕暮れ。ウセルは縛ったままのミナを最新の死体現場連れてきた


ウセル「何かわかるか?」


ミナは犬のように地面に鼻をくっつけてなにやら嗅いで・・・いやもしかしてあれは地面を舐めてるのか?

ウセル「どうなんだ?」

ミナ 「そうだな・・・やったのはこの前見たのと同じやつだと思う。他の死体はまだあるか?そっちも調べたいんだが」

ウセル「いや、神官どもが持って行って焼いたよ。どうみても普通の死体じゃないからな」

ミナ 「そうか・・・」


正直俺はミナが犯人であってほしい。見た目は人間だがこいつはどう見ても絶対人間じゃない。こいつが犯人じゃないならわけのわからんバケモンが2匹居ることになるわけで。勘弁してくれよ・・・


ウセル「他にまだ何かわかるか?俺にはさっぱりだが」

ミナ 「いや・・・こんなもんかな・・・」

ウセル「ならちょっとついてこい」



ウセルに連れられてデカい家に来た。その一角で女が出迎えた。ウセルと同年代って所か


ミナ 「こいつは?」

ウセル「これが我が妻よ。名はホルスという。どうだ美しかろう?」


幼稚園児でもわかる偽名だな


ホルス「正確にはまだ結婚前よ。はじめまして。あなたは彼とどういう関係?」


女がしゃべった。こわい。


その後いくつか訊かれたことに答え、いくつかははぐらかし、いくつかは嘘を言った。その間えんえん見せつけられたよ。やつらのイチャつきっぷりをな


ウセル「そろそろミナは帰れ。逃げるなよ。お前はまだ容疑者だからな」


逃げるなと言いながら一人で帰すのはどういう意味なんだ・・・


ミナ 「わかったよ」


もちろんそのまま逃げれた。が今はまだウセルとのコネがあった方が得と打算しておとなしく留置所に帰った。



ウセル「してネフェルタリ(ホルスの本名)、あの女どう見る?人間か?」


ミナが角に消えるまでたっぷり待ってからウセルが訊いてきた


ネフェ(ホルス)「そこからなの○○○(ウセルの本名)?・・・確かに世俗には疎いようね。かといってあんな存在は私も聞いたことが無い。まるで今あの姿で生まれたかのよう。あれはどういう子なの?」

ウセル「俺は悪神かシェセル(悪霊)の一種ではないかと思っている」

ネフェ「・・・アナタがそんな空想を言い出すとは思わなかった。幻滅ね」

ウセル「だが待ってほしい。聞いたこともない殺し方の殺人が続きそれを追う謎の女。両方とも人間ではない。」

ネフェ「考えすぎよ。連続殺人は頭が変な奴が暴れてるだけよ。そいつを捕まえ処してハイ陛下の勅命終わり。それでいいのよ」

ウセル「それはそうだが・・・」



翌朝。ウセルとネフェルの同居部屋。ウセルが起きるとネフェルタリが居ない。


ウセル「先に起きたか?」


別の部屋も見に行く。すると


ネフェ「○○○!!」


ネフェルは知らない男に連れ去られるところだった。騒ぐネフェルに男が何かして動かなくした


ウセル「なんだぁテメエ?・・・」


ウセルが襲いかかる。

男は虫でも払うかのように手で払った。ただそれだけ。

それでウセルは壁まで吹っ飛んだ。


ウセル「????」


そのまま男は出て行こうとする


ウセル「行かせるかよッ!」


ウセルが男に飛びつく。殴っても蹴っても切っても止まらない。

男はウセルをくっつけたままネフェルを持って行った。そのまま街中を走りだす。

しばらくしがみついていたが結局耐えられなくなり手が離れた。ウセルは今もうずくまったまま。



日中。昼ごろ。ミナが日陰で縮こまっているとウセルが留置所に来た


ウセル「ゆうべ本当にあのまま帰ったのか。そのまま逃げちまえよ」

ずいぶん薄汚れた格好で来たなこいつ・・・いいトコの坊ちゃんだと思ってたんだが違ったのか?

ミナ 「ウセルが逃げんなつったんだろ。」

ウセル「バカ正直かよ」

ミナ 「何の用なんだよ。体洗うヒマも無かったのか?次の死体か新しい手がかりでも出たか?」

ウセル「お前らはなんなんだ?」

ミナ 「あ?」

ウセル「お前もあいつと同じなのか!化けモンなのか!?」

ミナ 「わかるようにしゃべれ。【あいつ】って?」

ウセル「・・・・・・・・・」


ウセルがそばの看守から水をひったくると壺ごと呷ってから話し出した


ウセル「ネフェルタリが掠われた」


ネフェルタリって誰だ?


ウセル「あーー、ネフェルタリというのは昨日会わせたホルスの本名だ」


それからウセルがさっき体験した事を話した。

かくかくしかじか。


ミナ 「ありえん!!!!」


ここでミナが割り込んだ


ミナ 「まだ昼間だぞ!外を出歩けるわけがない!私でさえ・・・」


おっとまずい


ウセル「ミナ。今はお前の正体は置いておく。頼む。掠った奴を追えるか?」


血相変えたって顔だ


ミナ 「犯人はわからんが一度会ったお前のネフェルタリならわかる。馬と長い布かデカい袋をあるだけ持って来い。外に出る」



2輪戦車付き馬をもってきた(ウセルは乗馬できないのだ)ウセルはかき集めた古着や布で言われるままミナをぐるぐる巻きに(ミイラ状態ってやつだ)してから車台に載せる。こいつめちゃくちゃ重いな。


ミナ 「匂うぞ向こうだ」


足元でうずくまるミナが呻きながら言う


ウセル「お前大丈夫なのか?体燃えてんぞ」


この程度の布では何枚重ねても陽の完全遮断はできず、密室火事のような強烈なけむり臭と肉の焼けるにおいが下から鼻に直撃してくる


ミナ 「今んとこな。できれば私が燃え尽きる前に着いてくれ」


黒煙がどんどん漏れ出てくる。出せるかぎり馬を速めた



なんとか消滅する前にたどり着いた。建物入り口わきの陰でミナはとりあえず手足目鼻口と立ち回りに必要な部分から日除け布を破壊して外していった。もう昼もなかば(正午から夕の真ん中ぐらいと言いたかった)である


ウセル「これからどうするんだ?」

ミナ 「私がやりたいとこだが・・・ウセルがやるか?犯人はそっちが確保したいんだろ?」

ウセル「いやいい・・・お前がやってくれ。生死も問わん」

ミナ 「なら後ろで見てな」


建物に入る。一見何も無い小屋だが少し入ると仕切り壁の後ろに何かあった。外から見えないようにしてあるのだな。

石だ。デカい石。(一般の感覚ならもはや岩だ)床(といってもむき出し地面だが)にそのまま置いてある。動かすと下に穴があった。蓋か。穴は人がギリで入れる大きさ。


ミナ 「多分真っ暗でウセルはなんも見えんと思うが、ついてくるかここで待つか?」

ウセル「行くに決まってんだろ」


付いてきた。

一階分降りるとあとは横道になった。(ミナ)は暗視が利くから見えるが何も見えないウセルは私の頭をひっ掴んでついて来る


ミナ 「こんなの何時の間に掘ったんだ。ウセル知ってたか?」

「知らんよ。そもそもコレなんで崩れない?どうなってるんだ?」

ウセル「さあなぁ・・・・・・ 」


結構長いなこの穴 


ミナ 「ところでウセルはさ・・・・・・」

ウセル「?」

ミナ 「犯人の化け物、殺したいのか?」

ウセル「そうしたい所だが、あれは人が敵う相手ではなかった。だからなんとかネフェルだけ奪還して逃げる。これすらできるかどうかわからんがな」

ミナ 「じゃあさ、永遠の命欲しい?エジプト民はみんな欲しいんだろ?」

ウセル「今する話か?!・・・そりゃあるなら欲しいけど」

ミナ 「そう・・・」


奥に着いた。ウセルも目が慣れたようでいつのまにか手を離していた。急に広くなり天井もじゅうぶん高い。さっきのバケモノ男とネフェルもちゃんと居た。


ミナ 「お前名前はあるのか?無くても好きに呼ぶが」


ミナが突っ込んで行く


バケ男「シネェェェェェェエサァァァァァァァァァァァ!!!」


バケモノ男が襲ってきた



ミナがバケモノ男を相手してる間にウセルはネフェルを確保、それを確認ミナは二人を後ろに下がらせるとバケモノ男に集中する。敵は噛みちぎり、吸血、怪力パンチ、怪力キックと恐ろしいが所詮はバケモノなりたて。ベテランのミナの敵ではない。

敵の爪付き手刀がミナの胸を貫く。人間なら失血即死だろう。だが開いた大穴は数秒で再生し元通り塞がった。

敵の拳が迫る。さっきから壁や床をえぐっている人外怪力パンチだ。向かってきたそれをそのまま掴んでタオルのように振り回し何度も何度も床に叩きつける。

敵は距離を取る。攻め手を考えながら折れた身体各所の再生を待つ。十秒、二十秒、まだ終わらない。再生速度はミナに遠く及ばない。

日光耐性あるとかいうからビビったがなんのことはない。ただ単に日光弱点が出始めるギリギリまで血が薄いだけだ。

相手の手札切れと取ったミナが接近を選ぶ。そのまま組み付き、掴み、そのまま振り上げ床にたたきつける。

また持ち上げては叩きつける。まるでタオルを振り回すように自分より何倍も大きな大人の男を頭上で振り回す。

ズタボロになった敵の手足をちぎってダルマ状態にする。再生しようとするが数回ちぎったら再生しなくなった。十分弱らせたここで首筋に噛みつき吸血しながらこっちの血も送り込む。これで眷属の上書きがなされ、自分の完全服従従僕となった。同系統だからできる芸当である。


ウセル「終わったか?」


ウセルが出てきた


ミナ 「まぁな」


ミナも一息つく。(ミナ)にとってはここからが本番だ


ミナ 「それで。お前誰にバケモンにしてもらったんだ?」

???「名前は知らない」


今ミナの完全に忠実な従僕となったバケモノ男が答える


ミナ 「(ジェスチャーで身長を示しながら)これくらいの男の子供か?」

???「そうだ」

ミナ 「最後に会ったのは?」

???「83日前」

ミナ 「そう・・・」


遠すぎる。今行ってももうとっくに安全圏だろう。


ミナ 「ウセル、こいつどうする?連れてくか?」

ウセル「いやいい。もうそっちで殺してくれ。できるんだろう?」

ミナ 「あっそ。お前。外に出ろ」



燃え上がる男の強制焼身自殺を見ながらミナが問う


ミナ 「なあウセル。私ならああはならずに私のようにマトモなまま不老不死にできるぞ?私と供に永遠に生きないか?」

ウセル「・・・・・・悪いが、昼間人前に出られないのは困る。それに先約ネフェルタリが居るんだ。お前とは行けない。だが第二正妻なら空いてるぜ?」

ミナ 「一生空けとけ」



その後、ウセルは王の期待に答え、出世を続けたある日。


ウセル「勝利に輝く雄牛。マートに愛さるエジプトの守護者。異国の征服者。年を重ね、偉大なる勝利を誇り、上下エジプト両国の王。ラーの真実は強し、ラーの選ばれたる者。自然現象を司る者。ウセル・マート・ラー。ラムセス。アメンに愛されたる者たる余がここに、統治初年を宣言する!」


その後ウセル王とネフェルタリ妃はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし



あれから何千もの月が流れ、何千もの太陽が昇った夜。

老人が一人寝台に寝そべっている。テラスからはエジプト史上最大の繁栄を見せる街と人が見える。そこに影が降り立った。


ウセル「・・・・・・ミナか」

ミナ 「ウセル。今ならまだ間に合う。私と来い。供に永遠に生きよう!」

ウセル「・・・やっぱりあの時断って正解だったぜ。みんな先に死んだよ。ネフェルも息子も孫もな。」

ウセル「あの頃を知ってる奴がもう誰も居ないってのはつらいもんだぜ。お前はいつからソレをやってる?なぜ耐えられる?」

ミナ 「ウセルは一人じゃない。私が居る」

ウセル「そうだろうがな・・・今は逆にネフェルと同じ所に行くのが楽しみなんだ。復活もあるかもだしな。」

ミナ「ウセル私はッ!好きなんだ!ウセルと居たいんだよ!」

ウセル「・・・・・・悪ぃな。我が第二正妻ミナよ。」


ウセルがミナを抱きしめる


ウセル「最後に俺の頼み聞いてくれるか?」

ミナ 「ん」

ウセル「俺のエジプトを守ってやってくれ」

ミナ 「ん。それがウセルの願いなら」


その夜から、私の世界は始まったのです。


ハーレムモブ愛人<<越えられない壁<<正妻

史実のラムセス2世のハーレムは3桁人を超えてた一方、正妻(正妃)は合計でも8人しか居ない。これは死別後の再婚も含めての数。それだけ正妻の地位は次元が違うのだ。


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