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14. ペット

魔王城に帰ってきたソフィアは怯えていたのが幻のように楽しそうに毎日を過ごしていた。

今日もまた城下町に繰り出した彼女ははずれにある小さなテントに入っていく。


「こんにちは。」


「こんにちは。ソフィア様、本日も来られたのですね。」


「どうしてもこの子に会いたくなってしまって。」


ケージの中に入っていった黒猫を抱き上げるとふわふわになった毛を整えるように撫でればゴロゴロと気持ち良さそうに喉を鳴らしていた。


「この子も懐いているようですし、そろそろ引き取りを考えてみてはどうでしょう?」


「…そうしたいところなのですけど。」


「なにか気になることでも?」


「ルシフェル様が拗ねてしまいますから。」


「魔王様がですか?あの方は何かに固執するはずありませんよ。ソフィア様の思い違いでしょう。」


「…そうかしら。ならこの子をいただいていきます。」


「ありがとうございます。」


ケージとともに渡され、魔王城へ続く道を歩き始めたソフィアだったが、本当に大丈夫だろうかと不安になりながらも一度引き取ると決めたのだから今更やめるなんて考えられないと歩みを早める。

部屋に入るとルシフェルはまだ戻ってきていないようで静かなものだ。

ケージから黒猫を出すとベッドに飛び乗っていった。


「名前どうしよう…。私、ネーミングセンスないし、クロでいいかな。」


そんな事を考えながらベッドに横になると隣りに寄り添うようにやってきた温もりにまぶたが落ちていく。

その頃、ソフィアに渡す指輪を選び終えたルシフェルは瞬間移動で彼女が居るであろう自室へと戻って来た。

静か過ぎるそこに視線を彷徨わせるとベッドで気持ち良さそうに眠るソフィアの姿が見える。

当然のようにある存在に安堵しながら歩みを進めると自分以外の臭いに眉間に皺が寄っていく。

最近微かに感じていたそれが強く感じられ、彼女の腕の中を見ると黒い毛並みの獣が見える。

見覚えのあるそれに青筋を浮かべながら首根っこを掴み引き剥がすと、眠たげな表情をしたまま大きな瞳でこちらを見つめた。


「俺にそれをしても無駄だよ。」


「…ッチ。早く離せ。オレはソフィアと寝るんだ。」


「は?ソフィアは俺のだから寝かせるわけ無いだろ。ケージに入ってろ。」


無理矢理押し込めば爪を立てて怒っているが、獣化した顔で睨みつければ大人しくなっていく。

手間を掛けさせるなと舌打ちしながら縦に寝ていたソフィアを抱き上げ、枕に頭をあずけさせる。

ブランケットとともに一緒に寝そべれば、暖を求めるように自ら腕の中に入ってくる彼女に満足気な表情を見せるとゆっくり瞼を下ろしていくのだった。

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