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魔法少女プリミティブキュア  作者: オダジョリ・ギー
1/1

夢の国の妖精

「嫌!辞めて!」


「うるせえんだよクソアマ!黙らねえと殺すぞ!」


「へへ、今から俺達が気持ちよくしてやるからよお。」


「俺が先に頂くぜ。」


「だ、誰か助けてええ!!」


「叫んだって誰も助けになんか来ないぜ。殺されたくなかったら大人しくヤらせ…ガ…あ…。」


「ビールのお味はどうかしら?」


「よ、ヨっちゃん!?テメェ何しやがる!?」


「それはこっちのセリフよ。いたいけな女の子をよってたかって襲うなんて恥を知りなさい。あんた達もコイツみたいに頭をビール瓶でかち割られたい?」


「こ、こいつもしかして最近噂になってる不良狩りの女じゃねえか?」


「そういや空手みてえな真似していきがってる奴がいるとか言ってたな。」


「傷付きたくなかったら早くその女の子を放しなさい。」


「チッ、わかったよ。ほら、行けよ…」


「あ、あの…ありがとうございます!」


「いいから早く逃げなさい。さて、後はあんた達の処分だけどどうしようかしらね?このまま警察に突き出し…ぐっ!?」


「ヨッちゃん!」


「このクソ野郎…よくもやってくれたな。ぶち殺してやる!」


「ぐぅ、伊達に図体がデカいだけじゃないのね。このっ!」


「へへ、なんだよそのへなちょこなパンチはよ。ほらお返しだぜ!」


「がぁっ、あぅ…」


「ビールの味はどうだよ正義の味方さんよお?まだまだこれじゃ終らないぜ!」


「うぐっ!うっ!あぅ!あぁ…」


「あーあ、ヨッちゃん怒らせちまった。こりゃ死ぬまでやめねえな。ヨッちゃんそいつ殺す前にちゃんとヤらせろよ。」


「わかってるよ。さてと、そろそろぶちこんでやるぜ。」


「うぅ…あ、あんた達に…犯されるくらいなら…うぐっ!」


「うわっ!この馬鹿女!瓶の破片で自分の首切りやがった!?」


「や、やばいぜヨッちゃん。いくら俺達のチームが警察と協定結んでるからってよお。この前も一人殺しちまってるから今回は揉み消せねえぜ。」


「チッ、糞が!見つからねえうちにずらかるぞ。」


「な、なあ。コイツすげえ可愛いからよぉ、一回くらい死体を犯してもいいか?」


「何言ってんだお前!?馬鹿な事言ってねえで逃げるんだよ。」


ああ、こんなクズ共のせいで人生が終わるなんて…でも女の子は助けられたからいいか。でもあの馬鹿共を野放しにしていたらまた被害にあう娘が…このままじゃ死んでも死にきれない。お願い…もし神様がいるのならどうか彼女たちを守ってあげてください…


「その願い…ボクが叶えてあげるよ。」


その一言が聴こえた直後、視界が真っ白になり私の意識はそこで途絶えた。


「おい、大丈夫か君!おい!」


ここは何処だろう?目の前に警察のような男と女の子がぼんやり見える。ここはあの世だろうか?死後の世界って本当にあったんだなあ…


「君、しっかりしなさい!」


「えっ…」


「良かった、気が付いた!」


「ここは…」


「あなたに助けてもらった後すぐにお巡りさんに助けを求めに行ったんだよ。大丈夫?怪我とかしてない?」


「え、あ…私は大丈夫。」


「無事で良かった。ここいらはブラッドダイアモンドって名乗るギャング共の縄張りだから近づいちゃダメだよ。」


「は、はい。」


警察がしっかりしないからあんなクズ共がのさばるんでしょと喉から出かかったが、なんとか飲み込み余計な事を言うのをこらえた。


「助けてくれて本当にありがとう。あなたがいなかったら私…」


「いいのよ。私ああいう暴力で何事も押し通す野蛮人が許せないのよ。また絡まれたら私がブッ飛ばしてあげるわ。」


その後私たちは警察に安全な所まで送ってもらい家路についた。


「…傷一つ付いてない。」


自宅の部屋に置いてある鏡で全身を見ながら困惑していた。不良達にあれだけ殴られたり鈍器で叩きつけられ相当な傷と出血があったにもかかわらず、身体には傷痕が全く見られなかった。


「んふふ、びっくりした?」


突然背後から少女のような可愛らしい声が聴こえた。自分以外誰もいないはずの部屋での出来事に驚き後ろを振り向くと、そこには絵本の物語に出てくる妖精のような女の子が小さな翼を羽ばたかせながら私に語りかけてきた。


「さっきの事、一部始終見てたよ。うん、決めた!キミをボクのパートナーにするね!」


目の前の妖精のような少女は私の理解と了承を得ないまま話を自分のペースで進めていた。妖精のような少女は何も無い空間から1枚の紙と一本の万年室を出現させ、私に手渡してきた。


「はい、じゃあここにキミの名前を書いて。勿論フルネームでね。あ、書くのは名前だけで良いからね。後の項目は全部ボクが記入するとこだから。名前を書いたら契約成立よ。」


「ちょ、ちょっと待ってよ!な、なんなのよあんたは!?よ、妖精なの?契約って何よ!?それに私の身体は…。」


あまりの出来事に思考が追い付かず、理解出来ないから苛立ちと自分の身に何が起きているのか分からない不安で妖精のような少女に大声をあげてしまった。


「ああ、ゴメンね。いきなり契約してって言ってもなんのこっちゃって感じだよね。じゃあ順をおって説明しようか。」


妖精のような少女は不安と焦りで困惑している私の心情を察してか優しいトーンの声でゆっくりと話始めた。


「まずキミがなんで生きているかというと、それは魔法の力でボクが治したからだよ。」


「ま、魔法?何よそれ、私をからかってるの?」


「まあ魔法なんてキミ達の世界では空想上のものだから信じられないのも無理は無いけどさあ、今キミの目の前にいるボクはどう説明する?妖精もこの世界では空想上の生き物なんだよね?」


「そ、それはそうだけど…そんなこと…」


「まあすぐに信じてくれとは言わないよ。ただ契約だけは今してほしいんだよね。」


「け、契約って何よ?私に何をさせようっていうの?」


「キミには魔法少女になってもらってこの町の人々を守って欲しいんだ。」


「え?」


死ぬはずだった私が生きていること、目の前に絵本に出てくるような妖精が現れたこと、そして魔法少女になれと言われたこと…あまりに荒唐無稽な話すぎてとうとう私の思考は停止した。








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