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不器用サラリーマンは異世界で器用になったようです  作者: 水島 鏡
第2章 エントリオン公国
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幼馴染とか最高かよ

カイルは冷や汗を抑えきれぬまま

城門を抜け家の近くまで走ってきた


周りの人たちは、魔法がどうとか泉がどうとか

言ってたけど構うものか!


そんなの俺がしたことで騒いでることは

すぐにわかった

でも今は自宅で魔術についてもっと勉強しなきゃ

これから先またあんな魔法をぶっぱなして

今度は街をひとつ潰したなんてなったら

シャレにならない


カイルは自宅まで全速力で走って取っ手に手をかけたとこで

後から声をかけられ硬直した


固まった首をゆっくり動かしなが後ろを向くと

金髪で短く切り揃えた双方に碧眼をたたえた

少女がたっていた


カイルはしばらく呆然と自分の目の前に現れた

美少女を見ている少女は不思議そうに

カイルの名前を呼んだ


「カイル?」


「ひゃっい!?」


カイルは背筋を伸ばし少女を直視しながら固まってしまった


「どうしたの?」


少女はカイルの今の状態を気にもとめず不思議そうに

唯々見つめているだけだった


カイルはなんとか深呼吸をして

思考をめぐらした


この美少女についての情報はたしか

転生したあとにもらった本に書かれていたはずだ


この少女の名前は確かイオナ・ロシャンドゥ

カイルと同じ三英傑のうちの魔術に秀でた家系である

ロシャンドゥ家の一人娘だ

彼女もカイルと同じく才能がなく落ちこぼれ扱いを受け

蔑まれている


カイルはひとしきり情報を整理し

イオナに喋りかけた


「イオナこそどうしたんだ?」


イオナはカイルの手を握ってブンブンと振りながら

嬉しそうに喋り出した


「何って! カイルが久々に外に出てるから嬉しくて出てきたんだよ」


「最近カイルの調子が悪くて部屋からも出られないってメイドのフィオナさんが言ってたから!」


「僕、心配だったんだよ」


「カイルがもし死んじゃったらって思うと辛くて辛くて」


イオナはひとしきり喋り終わると泣きながらカイルに抱きついてきた


カイルは高鳴る胸の鼓動を抑えつつイオナの頭を優しく撫でた


「ありがとうな、イオナ」


「でも俺はこの通り元気だから」


カイルは正直内心驚きしかなかった

早まる鼓動は美少女にいきなり抱きつかれたこともあるが

あのコミュ症だった自分がこんな神対応できるなんて


「うん」


イオナは短く返事をしてカイルから離れ涙を拭って

太陽のような笑顔を見せてくれた


カイルは内心女神様にこんな美少女と巡り合わせてくれた

ことを感謝しイオナを見つめていた


「そうだ!カイルよかったら今から城下町に行かない?」


「城下町か?」


「今城下に旅団(キャラバン)が来てるって!」


「色々な珍しい品が買えるって言ってたし面白そうだから行ってみようよ」


たしかにそれには少し興味を引かれる

もっともカイルとしてこの世界に転生して日が浅い巧にしたら

自然にこの世界の様子を見て回るのにはうってつけだ


「よし!行くか!」


カイルがそう答えると

イオナは嬉しそうにカイルの手を握り駆け出した

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