魔法を覚えよう!
以前のカイルは魔法に対する適性がなかったため
魔法を使うことが出来なかったが今は違う
巧の与えられたスキルを保持したカイルは
以前とは違う自信に満ち溢れていた
ヴァサイット家の邸宅は街の外れに位置しており
すぐ近くには城門があった
カイルは城門を抜けた先の森を突っ切って
平原に出た
見渡す限りの平原を走り少し小高い所まで来て
石に腰を据えた
そこでカイルは持ってきた魔術書を開き
ひとしきり読み耽った
この世界には魔術は大きくわけて五種類の系統が存在する
一つ目は`赤の魔法`これは威力は高い魔術や自身を強化する
魔術が分類されている
2つ目は`青の魔法`赤の魔法に比べると威力は劣るが
連射を得意とし命中度は5つの系統で一番高いとされる
3つ目は`緑の魔法`これは相手にデバフを与えたり
動きを拘束するのに長けた魔術だ
4つ目は`黄色の魔法`この系統は使いこなすのに少々
癖があるが習得すればかなりの使い手になれるらしい
五つ目は`特質系`と呼ばれるものでこの系統に対する適性を
持っている人間は少なくおよそ1億人に1人の確率らしい
カイルは魔術書を閉じあたりを見回した
そのには地平線のかなたまで草地が続いている
のがはっきりとわかるが所々に小さな泉が点在していた
カイルはそのひとつに向かって丘を駆け下りて向かった
巧は魔術が使えたら絶対に使ってみたい系統があった
それは火の魔法だ
それらしい理由はないが強いて言うなら
かっこいいからだろう
カイルは魔術書で読んだ手本通りにことを進める
まず、右腕を前に突き出し左手をそれに添える
そして魔術書に書いてあった言葉からその魔術の着弾状況を
イメージする
カイルが放つ魔法は、赤の下位魔法「ファイアボール」
カイルのファイアボールの叫びとともに手の中に暖かな
光がともり放出された
そのままファイアボールは一直線に進んでゆき
対岸の岩に当たって小さな火柱をあげた
カイルは一瞬固まりながらも自らの手を見て
大きな声で喜びの雄叫びをあげた