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閑話2
暗い空間に一つの円卓がある
その周りに六つの椅子が置かれ
一つを除いて他の五つに様々な風貌の男女が座っている
円卓の中心には緑に光る球体が
ある少年と騎士たちの戦闘シーンを流していた
やがて、その映像が止み一人の女性が口を開いた
「これは、予想外ね」
彼女の口調からは明らかに動揺がうかがえる
「確かに、早急に対応をする必要がありそうだな」
そう答えた老人は自らの長く蓄えた顎髭に手を当てた
「ええ、まさか彼らに勝つとは私の読みが甘かったようです」
そう答えた長髪の男性は、何か裏がありそうな不気味な微笑を浮かべた
「これからどうするんだ、シドニアよ」
そう名前を呼ばれた先ほどの男性は
少し体を円卓に寄せ口を開いた
「ご安心を、既に手は講じております」
再び男性は不気味な笑みを浮かべた
ここでエントリオン公国編は終了して
次回からヘーゲ村編を連載していきます