師匠
立ち話もなんだということでエルドさんを家にあげ
ルチアナにお茶を用意してもらい
ゆっくりことの経緯を聞くことにした
「それで、エルドさん何故俺が剣術が必要だとわかったんですか?」
「それはですね、先日とある用事のために王宮に出向いたんです。
」
「そしたらですね、カイル様とエルド様が戦うと聞きましてそれでここに参った次第です。」
「はぁ.....全然わからないんですけど」
「それでは、少し昔の話になりますがよろしいですか?」
「ええ、構いませんよ」
それから俺はエルドさんと父に何があったかを詳しく聞いた
どうやら二人は同じ学校に通う同級生だったらしく
エルドさんは、実家が武道場そして父はただの才能の塊
エルドさんは、当時ガキ大将を気取っていた父のやり方
がどうも気に食わなかったらしく
決闘を申し込んだそしたらこてんぱんにされそれ以来
父を越えてやるもしくは一泡吹かせてやると息巻いていたらしい
そしてそんな時俺と父の対決の話を聞き、俺の家までやってきたということらしい。
「どうしても私は、彼に一泡吹かせたいんです!」
エルドさんは、そう熱く語り俺の顔まで数センチの
ところまで鼻息を荒くし詰め寄ってきた
「わっわかりましたから!」
「ちょっと落ち着いてください!」
俺はそうなだめ改めて話を始めた
「剣術を教えてくれることは有難いのですが、初心者でも大丈夫なのでしょうか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「私は、『鑑定』持ちですから」
「あなたが、どんな方かなんてすぐわかります」
エルドさんは、そう言って笑いお茶を啜った
(この世界にもラノベとかである鑑定ってあるんだな)
「早速なんですが、今から少し練習してみませんか?」
「ええ、時間も惜しいですし、なんなら今からやってほしいほどでしたよ。」
そう言って、エルドさんと俺は立ち上がり中庭に向かった
「剣って言うのは、自分の身体の一部だと思って使うことが大事です。」
そう言ってエルドさんは、剣を抜き構えた
「少し見ていてください」
そう言ってエルドさんは剣を振るい始めた
エルドさんの剣筋は、しなやかでそれでいて無駄がないものだと
初心者目でもわかるくらい素晴らしいものだった
「こうやって、剣を振るう以外にも剣技や効果付与をつけることでより鋭く威力のある太刀筋を生むことも可能ですよ」
そう言ってエルドさんは、刀身に手をかざし呟いた
「効果付与ーフレイムー」
すると、エルドさんの持つ剣が刀身の根元より
赤く光り始め
瞬く間に炎に覆われていった
「こんな風に炎をまとわせることが出来るんです」
「次に剣技を披露するので見ていてください」
そう言ってエルドさんは、大きな丸太を持ってきた
「これを私に向かって投げてください」
カイルは、言われるがまま丸太を受け取り
エルドさんから少し離れたところに立った
「私が合図したら投げてください」
エルドさんは、剣を構えカイルに投げるよう合図をした
カイルより投げられた丸太は、放物線を描き
エルドさんの前に降っていった
「剣技ー八連切りー」
エルドさんは、視認不可の剣さばきで丸太を切り裂いた
するとエルドさんの足元に薄く切られた木材が
ばらばらと落ちていった
「これが剣技です」
「カイルさんには、これを目指してもらいます」
「えっちょっと待ってください」
「そんな簡単に出来るものじゃないでしょ!」
「ええ、無理ですよ」
エルドさんは、そうはにかんで答えた
「でも、私が見込んで声をかけた子です」
「きっとあなたは、並々ならぬ才能がある筈です」
「私は、そう確信しています」
カイルは、エルドのこの独特のペースに少し
違和感を持ちつつ修行をはじめていった