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不器用サラリーマンは異世界で器用になったようです  作者: 水島 鏡
第2章 エントリオン公国
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父親

魔杖剣を手に入れ1週間が過ぎた


魔杖剣は、魔力を流しながら使わなければ

使えないため、かなりの魔力が必要になる

俺の魔力ではまだ15分程度しか保つことが出来ない


他にも剣術に対して無知な為

構え方や型などが全くわからない


なんとか剣術を習って腕を上げたいものだが

そもそも剣術を磨いたところで使いどころがない

というのも正直なところだ


「やっぱり冒険者だよなー」


あの時見た、冒険者のクランのことが忘れられず

この世界を見て回りたいというのも正直なところだ

そうすれば剣術も魔杖剣も役立つだろう


この世界では貴族の子供が国外に出るためには

両親の許可が必要になる

カイルの母は、カイルが幼い頃亡くなっているため

父親の許可が必要となる

まして、帰ってくる見込みがないならば

貴族をやめなければならず

その手続きも必要となる


「そろそろ父親にも会わなきゃな」


カイルの父エルド·ヴァサイットはカイルが

病弱で無能と知ると見切りをつけ

めったに彼に会うことはなくなった


一方カイルの姉であるエレナは、幼くして

頭角を現し現在では、騎士団長を務めるまでになっている


「なんか、会いづらいなー」


カイルは庭先に腰を下ろし

1人空を仰いでいた


「カイル様、お父様がいらっしゃいました」


こんなにタイミングよく来るか普通!?


カイルは、メイドのルチアナに呼ばれ応接間に

向かった




ーーーーー




カイルの父こと剛撃のエルド·ヴァサイットは、その

巨躯を深々とソファーに下ろし腕を組んで座っていた


俺は、正面に座り対峙する形となった


(初めて見るけどこんなにでかいのかよ)


エルドの腕は、大きな筋肉で盛り上がり

胸板も厚く脚にいたっては大木のようであった


「なんだ、カイルマジマジと見て、気持ち悪い」


カイルは、実の父親にいきなり毒を吐かれ面食らった


どうやらこれは冗談ではなく本心で言ってるらしい


(ほんとにカイルはいらない子だったんだな)


「すいません」


俺が謝るとエルドは、鼻で笑い腕を組み直した


「最近、お前を城下で見たというものがあってな」


「それを注意しに来たのだ」


注意?

俺なにか目立つことやらかしたかな

そりゃぁイオナの突然の行動にびっくりして

走ったけどそれくらいしか思いつかないぞ


「お前のような無能が町をうろつくと我々の品格が汚されるのだ」


汚される?

おい、なんの冗談だよ

家族に向かってその言い方はないだろ


「全く、無能なら無能なりに控えてもらいたいものだ」


エルドは、いらだちを顕にしカイルを睨みつけた


「すいません」


カイルはその気迫に気圧され謝ることしか出来なかった


「ロシャンドゥ家の無能までいたというのではないか」


「全く二人揃って、一家の顔に泥を塗って」


「あの雌犬もしっかりしつけてもらいたいものだな」


そう言い放ちエルドは、豪快に笑い出した


その時カイルの中で何かが切れた感じが走った


「謝れよ、、、」


「はぁ? 誰にだ?」


「イオナに謝れって言ってるだよ!」


俺は、机をひっくり返してエルドに向かって怒鳴った


「俺のことは、いい」


「だがな、イオナにはそんな口聞くんじゃねぇ!」


「無能に対して無能と言って何が悪いのだ」


相変わらずエルドは、ふんぞり返り、薄ら笑いを浮かべている


これ以上言い返す言葉がない


俺とイオナは確かに幼馴染だ、でも俺と中身が入れ替わり

そんなに日もたってない

思い出という思い出も彼女のこれまでの生き様も

何も知らない

カイルは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ

座り込んでしまった


「言い返す言葉もないか!」


カイルは、俯き必死に頭を回転させた


「勝負しろ」


「なんだと?」


「勝負しろと言ってるんだ!」


「無能とこの俺が勝負か、笑わせる」


「俺が勝てば俺の好きなようにさせろ」


「もしお前が勝ったらそっちの好きにしていい」


「どうだ?」


「面白い、いいだろう」


思いつきで言ってしまったことに多少の後悔はあるが

イオナのためにも頑張ってやりたいという気持ちが強かった


「期限は1ヶ月だ」


「1ヶ月後、町の中心のコロシアムに来い」


「わかった、、、」


俺とエルドは、そう約束しエルドは王宮に帰った




ーーーーー




三英傑の1人であるエルドは絶対的強者だ。

それを1ヶ月で超えて行くとなると相当厳しいだろう


1ヶ月で魔法や剣術そしてエルドの弱点も知らなければならない


カイルは、部屋に戻り魔術書を時間も忘れ読み始めた

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