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モユルハナ  作者: 四季 ヒビキ
〜美術部仮入部〜
12/15

月光浴

うわあああああああ次話投稿遅くてごめんなさあああああああい!!!!!!!!許して!!!!!下さい!!!!!!!



どうやら、3人は花薫君の体調が気になるようです。

前回の続き

 

 

 

 「はあ・・・・・・おいのこと変わり者ゆうくせして、花薫の方が奇人やないか」

 

 「やめてくれ、迅と一緒にしないでくれ・・・・・・」

 

 「おおう、おいのことさらっと貶しおってからに」

 

 


 俺は季節外れのホットココアを口にしながら、この店の静かな空気にようやく溶け込めてきた。 先輩のお父様、つまりは店長が作ったのではなく、先輩がインスタントのココアを作ってくれた。

 

 

 「父がこの中で暖かいものを作ろうものなら、昇華しているかもね」

 


 「先輩のお父様はドライアイスかなにかなんですか・・・・・・」

 

 

 「ふふ、そのぐらい暑がりなのよ。 だからクーラーの寒さには強いの」

 

 

 「あああ・・・・・・じみるぅ」

 

 

 一人、年寄り臭い言動で場の空気をぶち壊している。 そのぐらい、ココアが美味しい。 父は甘党じゃないから、あんまりココアは出てこない。 コーヒーは好きだが、六月のジメジメした空気にはアイスコーヒーを添える方がいいだろう。

 

 

 嗚呼、俺にはわからない。 寒い中に食べるアイスと、暑い中で食べる鍋の良さが。

 

 やっぱり、季節に沿った食生活を遅れるのは本当にありがたい・・・・・・。 熱い時期にナスを食べるのと同じくらいに、このココアは偉大で尊大なものだった。

 

 

 

 

 「あ、そうだ。 花薫君がココアを飲み終わったら、画材ショップにでもいかない?」

 

 

 「あ、はい」

 

 

「この辺というと、あそこですか」

 


 「・・・・・・そ、あそこよ」

 

 

 一人で頭にクエスチョンマークを浮かべていると、ちょうどカップにココアがなくなった。 先輩から持っていたカップを持っていかれ、迅が外に出た。 あいつ、会計を俺に押し付ける気なのか・・・・・?!

 

 

 「じゃ、おいチャリやけん。 先用意してまっとる」

 

 

 「え、ああ、わかった」

 

 

 「花薫君、私達も用意しましょう」

 

 

 「先輩、さっきのはおいくら・・・・・・」

 

 

 「あれはいいの。 お通しみたいなもの」

 

 

 「あ、ありがとうございます・・・・・・」

 

 

 

 ・・・・・・言えない、財布の中に千円しかないから何も買いたくないなんて、よもや先輩たちの前で言えない。

 

 安堵しつつも、なんだか申し訳なくて、後ろ髪を引かれるような気分でカフェ「ラルゴ」を後にした。

 

 

 

 

 

 

 〜ホームセンターにて〜

 

 

 

 

 

 

 「ひぃぃぃ・・・・・・ふぅぅぅぅぅぁぁぁぁああああ・・・・・・」

 

 

 「体力ないから、歩いて追いつくのは難しいって言ったって、俺なんか載せないでいいのに・・・・・・」

 

 

 「おま(お前)・・・・・・そん・・・・・・(そんなこと言ったって)

 」


 「私の自転車でも、花薫君は漕げるの? 階段で息が上がるって聞いたけど」

 

 

 「えっ、そ、そのぐらいは出来ると思います。 ・・・・・・た、多分」

 

 

 「おい()・・・・・・そんなんには(そんなふうには)・・・・・・みえ(見えない)・・・・・・」

 

 

 「迅、何が言いたいかはわかるが絵面が酷いからちょっと休め。 ムンクの叫びに無理やり目玉くっつけたみたいになってるぞ」

 

 

 「だはぁ・・・・・・(だはぁ・・・・・・)


 

 

 そんなこんなで、迅が戦線離脱した。 あいつ、普段の授業では成績上位のはずなのに、俺ほどではないが体力がないんじゃないのか・・・・・・。

 

 

 「さ、行きましょう花薫君。 部活のお金であなたの筆やらなんやらを買いましょう」

 

 

 「え、学校にはないんですか?」

 

 

 「あるけれど、初心者にそれなりの絵を書かせたり彫らせたりするには、それなりのモノを与えないとね。 なんだか、カン・・・・・・なんだろうけど、花薫君は上手いと思うの」

 

 

 「は、はあ」

 

 

 「ごめんなさいね、つい嬉しくて」 

 

 

 「部活が存続できたからですか?」


 

 「ううん、それもあるけど・・・・・・お友達になれたことかな」

 

 

 「と、トトトットモモダチ」


 

 「あ、オーバーヒートしないでね。 あなたにとっての冷却材は生徒会長サマなんだから」

 

  

  友達・・・・・・俺は、嫌な気はしないが、なんかこう、俺の思い描く友達の過程をすっ飛ばしている気がする。 俺が世の中に疎いだけなのか?

 

 

 「もう、花薫君が暴走したら選べないじゃない・・・・・・」

 

 

 「エッ、ボクノヤツエランデクレルンデスカ」


 

 「当たり前でしょう。 初心者の花薫君にイチから教え込むから、覚悟しておいてね・・・・・・。 幽霊部員でも、話し相手くらいにはなってほしいからね」

 

 

 

 

 ・・・・・・ああ、心の臓が痛いな。 期待に胸を膨らます先輩と反対に、俺は不整脈である意味ドキドキしています。 同じ胸の高鳴りのはずなのに。

 

 

 迅はさっきの運動で胸がこれでもかと高鳴っていたが、息絶えていないだろうか。 なんだか、今日は今までで一番疲れる放課後かもしれないな・・・・・・。 主に迅が。

 

 

 

 

 

 

 

 続く・・・・・・。

 

 

 

 

  

なんと、まさかの裏ヒロイン迅がはけるという珍しい?展開になりました。 実はまだ続きます。

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