表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブランノワール  作者: 氷室レキヤ
2/22

第一章 1-1

 太平洋の真ん中に浮かぶ島〈アトラス〉

そこは四大属性である火、水、風、土を操る【天族者(アンジュ)】を保護するために数十年前に作られた。

天族者が能力を使用する際のエネルギーである〈マナ〉のお蔭で発展し、現在では一、二を争う先進国である。

今や観光地として賑わい。

島の象徴とも呼べるのがアトラス学園では十五歳から十八歳までの若い天族者が日々勉学や能力向上に励んでいる。


本校舎最上階(五階)に位置するのが目的地である学園長室である。

「やぁ、待っていたよ。新田ハルト君」

そして、目の前に立つスーツを着た黒髪黒目の若い男の名は西条誠也。

この学園と島の長だ。

「話は長くなるから。ささ座って」

去年何度か会ったが何度会ってもこの人のことがわからない。

一見ふざけているように見えても、万が一の場合のために体内でマナを操り俺の一挙一足の動きを見逃さない。

「では、私はこれで」

「あれ、楓君せっかくの再会だっていうのにもう帰るのかい?」

「仕事がありますので。失礼します」

学園長が呼び止めるが楓はそそくさと退室する。

退室して安心したが、やはり居心地が悪い。

「随分、君も嫌われたねハルト君」

「嫌っているというよりは無関心なだけですよ」

『去る者は追わず』

それがあいつの基本スタンスだ。

未練がないというよりは追うのが面倒で、帰ってきても『そうかい』の一言で済ますだろう。

「学園長。一つ聞きたいんだがあいつがつけていた腕章は…」

「まぁ、そう焦らずに。今日は話をする時間はゆっくりあるから掛けたまえ」

促されるまま席に座ると門を潜ったときと同様の気ダルさが襲ってくる。

学園長の実力ならその必要はないが、形式上そうしなければならないのだろう。

「それじゃあ。まず君が去ってからの一年間について話してあげよう」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ