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ブランノワール  作者: 氷室レキヤ
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第一章 2-10

「昨日言わなかったことを知るためにはこうしたほうが手っ取り早いからね」

甘く見ていた部分もあるが、たぶんこれは千東が書いたシナリオではない。

自分の使い方すらシナリオに組み込んだタチの悪いものだぞ楓。

「正直言って私は怒ってる。私どころか楓に何も言わず出て行った君が飄々と現れ、私達が作り上げた平和を壊そうとしていることをね。だから、答えて新田。君は本当に魔族者なの?」

彼女らしい友達を思うが故の純粋な怒り。

昨日は俺が昔のままだと確認するために現れ、今怒りを爆発させている。

「悪いがそれを教えることはお前にも出来ない」

俺が魔族者だというのは状況証拠しかないためまだ疑惑だ。

ここで真実を告げれば二度とこの島を訪れることは出来ない。

「なら…こうするしかないね!」

学生の範疇を越えた圧倒的マナ量。

普段はツッコミ役兼弄られ役の千東だがその実力は折り紙つき。

その彼女相手では影流しや体術だけで片付けることは不可能。

「ここでの能力の使用は禁止されていないし、ダメージも現実に反映されない。思う存分能力を使うといいよ」

粒子であるマナが集まり形を作っていく。

天族者はマナを操り、マナを属性に変化させる異能者だ。

属性は炎、水、風、土の四つ。それぞれ相性があり、学生間ではほぼその相性で優劣が決まる。しかし、規格外の天族者同士ではその相性は度外視されることが多い。

「本気何だな」

「うん。ちなみに負けた場合は楓に会ってもらう」

「そんなんでいいなら。何もせず負けるという選択肢があるな」

「よく言うよ。あんたが楓を避けてることぐらい私でもわかる!」

千東のマナ変化する。

彼女の属性は土。

岩の硬度を超える鋼鉄の拳はゆっくりこちらに向かってくる。

加速するかと思われたがその拳は速度が変わらず簡単に避けることが出来た。

「あれ。何もせずに負けるんじゃなかったの?」

「あるなと言っただけだ」

読み合いで完全に負けている。

千東を囮にしてここに誘い込み逃げれない状況を作り上げ、自分を利用して戦うように仕向ける。


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