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ブランノワール  作者: 氷室レキヤ
12/22

第一章 2-7

たぶん、何も感じていないが正解だろうな。


 もしかしたらと思って訪れた楓だが、楓は自分の勘が当たっていたことに内心驚いていた。

声をかけなかった理由は無い。ただ単にハルトの心情を察したのか、はたまたただ面倒だったのかそれは楓にしかわかならない。

(あー。ホントに気持ち悪い)

相手の気持ちを理解出来ることが気持ち悪い。

相手に自分のことがわかられていることが気持ち悪い。

相棒だったのは数ヶ月の短い間だが、それでも相手を理解するには十分な時間だった。

あの事件のことは楓ですら詳細を知らない。

気づいたときにはもう遅く。ここで見た光景は彼女の墓を建てた涙を流すハルトの姿。

そして、ハルトは自分の存在に気づかず、この島に別れを告げ島を去った。

正直、楓はハルトが戻ってきたことに対してどうも思っていない。

学園長にそのことを聞かされたときも無感情で「そうですか」と言っただけ。

先程、対面したときもただ仕事をしただけに過ぎない。

学園を去ったことに対し、怒りも憎悪もない。

本当に『無』なのだ。

ここに来た理由もただ足がこちらに向いただけ、ただの気まぐれだ。

それをしたことによりハルトに知られていることを知られたとしも彼女からしたらどうでもいいこと。

終わったことを蒸し返すほど彼女は暇ではない。

ハルトが話しかけてくれば気が向けば返事する。

ただそれだけだ。


 家に戻り数分後。

夕食が出来たため咲耶が呼びに来た。

出かけていたことがバレていないのか、それともバレているが不問とされているか。

たぶん後者だな。

「ごちそうさま」

「お粗末さまです。私は後片付けが終われば帰りますのでごゆっくり」

「どーも」

咲耶に後を任せ二階の自室へと戻る。

明日は金曜日で夕方まで授業があるため、買い物に行くのは明後日。


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