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カエル

ヤモリ

作者: KazekaHun

風呂上がりに家を出る。


部屋を出れば西側が赤い夜の空。

夜も更けているというのに街ではまだまだ働いている人がいるのだろう。

そんなあたしは近くのスーパーまでアイスを買いにいくのだ。

9月の半ば、サンダルを履いて歩き出したが夏の気配はすっかり失せていて、秋の空気に足を突っ込んでいく。

あたしはアイスを買いにいくのだ。もうすっかり涼しい季節なのだけれど。

風呂に入る前に上がったら買いにいくのだと決めたのだ。

そのためには閉店時間までには風呂に入らなければいけないと、あたしは自分に言い聞かせていたのだ。


赤い夜空はその先の星の姿を隠している。

あたしは唯一見える三日月を眺めながら秋の風を切って歩く。

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