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そこ惚れニャンニャン、復讐を誓った猫  作者: 大五郎
ウェルダン王国編
10/29

09 打って出た(後編)

もっと圧縮して書くつもりなのですが中々短くなりません。

 「司令官殿、敵の騎兵隊二千が村に入ったとの報告が入りました!」


 優雅に昼食を取っていた王国第一軍司令官に伝令が報告する。


 「ほう、反徒に二千も騎兵がいたのか。とはいえ騎兵はそれで全てだろう。よし包囲の口を閉じよ!」

 「しかしまだ槍兵や弓兵が入っておりませんが?」


 一緒に食事をしていた参謀が確認する。


 「構わん。逃げ足の速い騎兵を潰せば後は足の遅い槍兵や弓兵だけだ。どうとでもなる」

 「分かりました」


 かくして包囲網は閉じられた。



 包囲網は閉じられ王国軍騎兵隊三千が包囲網内に投入された。

 ミュウ達義勇軍の騎兵隊二千は徐々に縮まる包囲網の中を逃げ惑っていた。

 しかし暫くして王国軍騎兵隊の隊長が妙なことに気付いた。

 練度の低いはずの反徒の騎兵隊にいつまで経っても追いつけないのだ。


 「まあ、いい。どうせあの角を曲がればその向こうに潜んでいる弓兵千が一斉に射掛けることになっている。大打撃を受け混乱しているところを我が隊が止めを刺せば終わることだ」


 義勇軍の騎兵隊二千が曲がり角の向こうに消えた。

 王国軍騎兵隊も続いて曲がった。

 しかしそこにミュウ達義勇軍の騎兵隊二千の姿はなく自軍の騎兵だけが通り過ぎるのを林の中から不思議そうに見ている弓兵達の姿があるだけだった。



 「司令官殿!大変です!敵騎兵隊二千を見失いました!」


 伝令が慌てて司令官の幕舎に駆け込んできた。


 「なんだと!ばかな、あの数を包囲網の中で見失うことなどあるはずがない!よく探せと各隊に伝えろ!」

 「分かりました!」


 伝令が来た時と同じように慌てて出ていった。


 最後の詰めでこんな間抜けな報告を上げるなど減俸ものである。

 各隊の隊長達の顔を思い浮かべ頭の中でマイナス査定をつけていく。


 「司令官殿!大変です!」

 「今度はなんだ!」


 慌てて駆け込んできた伝令に怒鳴るように応じる。


 「包囲網の外側から強襲され各隊が撃破されております!」

 「な、なんだと!槍兵と弓兵だけで押し寄せてきたとでもいうのか?」

 「それが約二千の騎兵に蹂躙された後槍兵と弓兵に潰されていっているようです!」

 「ば、ばかな!反徒の騎兵隊二千は包囲網の中に・・・」


 司令官は先程の報告を思い出した。

 反徒の騎兵隊二千がなんらかの方法で包囲網を脱し外側で槍兵と弓兵と合流していれば広く展開しているこちらは各個撃破されるだけである。


 「全軍に大至急本陣に集結するよう命令を出せ!軍を集結して反撃するのだ!」


 伝令が又慌てて出ていった。


 しかしこの命令が結果的に王国第一軍の止めを刺すことになった。

 大至急集結するよう命じられた殆どの部隊が敵に背中を見せて撤退してしまったのだった。

 背中を向けて逃走する敵を討つなど造作もなく王国第一軍の各隊は壊滅的な打撃を受けてしまった。

 本陣に全部隊が集結した時には総数は四千を切っており殆どが包囲網内を只走り回っていた騎兵隊が占めていた。


 事ここに至って王国第一軍司令官は全軍に撤退を命令した。

 義勇軍はここに勝利したのであった。



 「もう少し戦力があれば追撃出来るのですが」

 「仕方ないニャ。今ここにいるのが全戦力ニャ」


 吾輩とハンスは去っていく王国軍を見ていた。

 義勇軍側も激しい戦闘で総数四千を切っていた。

 もし反転攻勢を掛けられていたら敗走するのはこちらだったかもしれない。


 「しかし精霊魔法っていうのは凄いものですね。騎兵隊二千の幻を見せたりミュウ殿の姿を見えなくしたり出来るなんて」

 「ニャハハ、もっと褒めるニャ」


 吾輩は軽口を叩いた。


 今日の戦闘で義勇軍兵士が千人以上死んだ。

 全てリーダーの吾輩の責任である。

 もちろん吾輩にはこれ以上上手くは出来なかった。

 吾輩が始めたことだから人に責任を押し付けることも出来ない。

 次の戦いではもっと死ぬだろう。

 しかし吾輩は絶対の誓いを守るため生きて進み続けるしかないのである。


ふと気づくと戦争しているはずなのに戦闘描写が殆どないという事実。

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