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Soul Limit  作者: 零零
序章 動き出す運命
8/9

力を知る者

久々の返信です。受験勉強などで忙しく返信できませんでした。まぁ大半はネタで行き詰まっただけですが(笑)

 住宅が多く並ぶ住宅街でひときわ大きく見える家に土埃が付いた制服をきた学生がいた。

 邦橋はこのひときわ大きく見える家に住んでいる。親共々とある仕事で働いており経済的には裕福であり家族には恵まれている。だがこの家に住んでいるのは邦橋ただ一人。

 邦橋は、父、母、妹の4人家族である。親は海外で働いているため仕送りだけの日々。妹に限っては父母二人の血筋なのか人並み外れた知力により今はアメリカのとある大学に飛び級で進学している。その為家族が集まることは滅多にない。

 だが邦橋自身はそれを気にしていない。それどころか喜んでいる。自分の事を言われないからだ。不良であり重度なネット依存者である邦橋にとっては何かしら言ってくる家族という存在はただ忌々しいだけの存在だからだ。

「ただいま~」

 誰もいるはずのない家に挨拶する。返ってくるのは静けさだけだ。邦橋はすぐに履きなれたスニーカーを脱ぎ捨て自室へと行く。家に来るまで平然を装っていたが、家に着くと同時にモヤモヤが限界をきたのかイラつきが体全身を包んだ。

 部屋につくなりベッドへと横たわる。自分の右手を宙に上げ見つめる。

 なんの変哲のない手。姿も何も変わらない普通の右手。その手が、体が今日の出来事で普通から異常へと変わった。

「クソッ、これじゃぁ…」

「‘化物‘みたい、ですか……?」

 その声に反応して邦橋は跳ね上がり周りを見渡す。が誰もいない。

 姿が見えなければ音もしない。匂いすらしない。聞こえるのはかすかな笑い声だけ。

「どこにいる……」

 冷静を装ってるが、心臓を握られている圧迫感に襲われる。この感覚一度だけ感じたことがあるように思えた。

「そんなに警戒しないでください。私はすぐそこにいます。」

 邦橋の部屋のドアの空間が歪む。歪んだ場所に亀裂が入り中から、人らしく‘何か‘が出てくる。

 それをみて邦橋は声をださなかった。いやだせなかった。

 どんなに重症を負おうとも、存在するかわからない宇宙人だろうと、霊獣だろうと、何かしら形がある。

 だがその人らしき何かには形はなかった。あるのは、人のような形をした黒い影。目の当たりからは青白い光が穴のようにできている。

「初めての形状化なので人には見えませんね……」

 人らしきものは残念そうな声をだしてこちらを向く。

「なん、なんだお前はっ!?」

 冷静さが消え声を荒げて問いかける。今目の前で起きている現象は、人が死んだよりも、霊獣が現れた時よりも不可解で奇妙な現象に思えた。

「私が誰なのかを教えるのもいいですが、まず自分の事を知るのが先じゃないですか?」

 人らしきものは何かを知っているような口ぶりだ。

「お前、知っているのか、この力の正体を……」

 知っているなら好都合だ、邦橋は思った。これを利用すればどうしてこうなったかがわかるかもしれない。

「まずは自己紹介からしましょうか。私の名前はソフィア。ソフィア・グランツです。」

 ソフィア?どこかで聞いたことのある名前だ、と邦橋は思った。だが記憶が曖昧で特定ができない。

「ソフィア、か。よしソフィア、お前は何を知っている。どこから現れた。お前は一体なんなんだ……」

 冷静を装いながらも質問には焦りを感じさせていた。

「質問が多すぎですね。まぁ答えられる限りで答えましょう。まず私が知っていること、すなわちあなたの‘力‘ですね。力といっても特別なものではありません。人一人持っているものです。まぁ今となってはほとんどの人間が使うことなく死んでいますが」

(誰にでもある?どういうことだ、この力は特別なものではないのか…?)

 新たな疑問が浮かぶが今はそれを無理やり頭から消す。今知りたいのは自分のことだけだ。

「私、いえ私たちはこの力をユグラシルと読んでいる。このユグラシルは自分の心を表しています。心が形になる、といったほうがいいですね。これは人によっては違う。心が具現化して武器になったり、魔法のような炎や水、はたまた天候を操ったり、自分の肉体を変化、強化などの力があります。あなたの場合具現化ですね。」

 ですが、と続ける。

「あなたは違う。確かに朝あなたの出した剣はあなたの心です。けどあなたの剣は具現化されただけの剣じゃない。あなたの剣は感情によって変化します。あの時の場合、守りたい、という気持ちが作用して変化した剣です。感情以外でも敵の弱点、詳細などを知っていることで武器の属性、形状を変えることができます。自分の思っている形、属性にも変化可能です。今回剣になったのは恐らく篠宮詩音が使っていた太刀が影響されたのでしょう。」

「感情とかで変化するならなぜ病院で出した時は形状があのままだったんだ?」

「あれはあなたが自分の使っていた剣の形をわかっていたから。実際には属性などは含まれていませんが……」

「じゃぁ、なんで俺の体の真ん中らへんに光があるんだ。これはさっき言っていた俺の力、いや‘ユグラシル‘なのか!?」

 邦橋は胸の真ん中らへんをトントン、と叩き場所を示す。

 ソフィアから発せられる空気が変わる。心臓を握られているような圧迫感が強くなり体全体に微弱な寒気が走る。

「病院での出来事はだいたいわかっています。確かにその光はあなたのユグラシルです。けどそれは全く別なもの。心であって心ではない。大いなる意思の塊、とでも今は言っておきましょう。その光は……」

 ……♪…♪~。意識が現実へと戻される。今人気のアニメのサビの曲が邦橋の制服のポケットにしまっていた携帯から流れ出す。意識をソフィアに向けながらも携帯へと手を伸ばす。

 連絡を仕掛けてきたのは篠宮だった。

「なんだ……」

 うまく思考が回らなく言葉が出なかった。

「慎吾大丈夫…!?」

 スピーカーからは風を切る音と息を荒げながら発している篠宮の声が聞こえた。恐らく力、ユグラシルで筋肉を活性化させているのだろう。

「今、あなたの周りからわからないけど、霊獣のような気配が強烈に膨れ上がっているの。慎吾いまどこにいるの!?」

 篠宮の言っていることが数秒の思考停止を邦橋に与えた。

 霊獣のような気配があるということは少なからず今朝出会ったあの化物のようなものがそこらへんをうろついていることになる。幸いここは住宅街だ。霊獣のようなものがいたら今頃やばいで済まされない事態が起きているはずだ。特に異変はない。ただひとつを除いて。

 ソフィア。邦橋の目の前に突然現れた謎の物体(実際には人のような形をしている)。邦橋の力の事を知っている存在。

 そして霊獣のような心臓を握られている圧迫感を放つ存在。

 篠宮の言葉、今実際に体験していること、これらをつなぐとソフィアと名乗った物体は霊獣のような危ない存在だと理解できる。

 嫌な汗が頬を伝っていく。

 震えている手で携帯の通話を切る。切る寸前篠宮は何かを言っていたような気がしたがうまく聞き取れなかった。

「どうやらあなたの仲間が来るようですね。説明は次回改めて伝えましょう。あなたのユグラシルについては大体に説明はすんでるので。もっと重要なことは後ほど、‘晩餐‘で行いましょう。あっそうそう、‘魂の救済‘でしたっけ。あそこには必ず入団してください。」

 そういうとソフィアの体がデータのようなブレができていく。その姿はどんどん薄れていく。

「待てよ……」

 震えた体で言葉を搾り出す。思考を全開で使っても言葉が浮かび上がらない。

「ひとつだけ聞かせてくれ。お前は俺の味方なのか…?」

 震えた声で言った言葉にはなんの意味はなかった。だが自分の命を狙わなかった。それだけでも味方という可能性が生まれた。

「それは後ほどの‘晩餐‘で……」

 そういうとソフィアの体は風のように溶けていき、やがてその場にはなんの影すらもなかった。


誤字脱字あったらすいません!報告が有れあばすぐに直しますのでよろしくお願いします。


ブルースクリーンで会心の作が消え、頑張って書いたけど文章が再現できなかった……

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