序
奈良時代を舞台としていますが、主人公の家業などはフィクションです。
時代ものというよりも和風ファンタジーとして、お楽しみくださいませ。
お前の居ない世界なんてどの世界も必要があるはずがないのだ。
あってはならない。
すべて消えてしまえ。
――だめだ。それだけは
これ以上何を臆するのか?
何を隠そうというのか?
何があるというのか?
――言うな
すべて、すべて、すべて、必要などない。要らない。存在すべきではない。
――あれ、は……まさか……
何をしたのだ、あいつら。
許さぬ。
――それだけは許さぬ。
あんなもの! 許さない。許してなるものか。
あれもこれもどれも全部。
壊れてしまえ――
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あたしの手に押し付けられていたもののすべてが、みんな、まがい物だったと知った。
何を思えばいい?
どう感じればいい?
どんな風に自分を嘲ったらいい?
いつだって自分のものにすら納得いかなくて、いつだって自分だけに与えられた不平等を思い知らされてきた。
これ以上の事などないと思っていたのに、まだ上があるなんて。
なんで、どうして、いつもあたしだけ。
知らない。もう、要らない。
こんなのって必要ない。
でも、ただ、ひとつだけなら。
すべての根源を壊してしまいたいと思うのよ――