D:雛菊との再会
水曜日
「大地、また図書館?」
部屋で出かける準備を進めていると双子の弟の海斗が開いている扉から話しかけてくる。かいとも外出用の服を着ている。
「まあね。そっちはどこか行くの」
「みんなとゲームセンターで遊ぶんだ。大地ももっとクラスメイトと遊んだほうがいいんじゃない?本ばっか読んでないで」
「よけいなお世話だよ。ほら、行ってきなよ」
「はーい」
海斗も遊びに行くみたい。あんな感じに最近は悪態をついてくるけどもっと外で遊べばってこっちを心配してくれてるんだよね。
「じゃあ、母さん行ってくるね」
「行ってらっしゃい、気を付けて」
母さんに声をかけて図書館に向かう。雛菊ちゃん、いるかな?
いつも通り図書館のエントランスで休んでいると
「大地君」
雛菊ちゃんがやってくる小声で挨拶してくれる。今日は青白いワンピースに肩掛けのポシェットをかけている。
「日曜ぶり、雛菊ちゃん。そのワンピース似合ってるね」
「ありがと。このワンピースおばあさまが贈ってくれたの」
「そうなんだ。おばあさんも着てくれてうれしいだろうね」
「ええ。今日はどうするの?」
「二人いるから多目的室借りて話しながら本読まない?」
「いいわね」
僕たちはセブンスフェアリークエストと辞書をもって多目的室に向かう。
「今日は私がおごるわね。日曜日のお返し」
「わかった。ありがとう」
自販機の前につくと雛菊ちゃんが財布を取り出す。前回のお返しみたいだしお礼を言っ手オレンジジュースのボタンを押す。雛菊ちゃんもリンゴジュースのボタンを押して多目的室に入る。
「クラスで女の子が飲み物の話をしてたんだけど知ってる?タ・・タモ・・タモリカだっけ?」
「タモリカ?・・・タピオカじゃないかしら。それ?」
「そうそう。タピオカ、タピオカ」
「フフ、タモリカって」
「聞き間違いは誰にでもあるでしょ?教室での会話が耳に入ってきただけなんだから」
「ごめんごめん。タピオカってのはジュースの中にタピオカと呼ばれるぷにっとした小さい玉が入ってるのよ」
「飲みにくいんじゃない?」
「大き目のストローでタピオカごとのむって感じね。確かに飲みにくいわね」
「ふーん」
「今度飲みに行ってみる?」
「いいね。今週の日曜日はどう?」
「大丈夫よ」
たわいない話をしながら本読んで時間を過ごす。




