雛菊ちゃんとおばあちゃんの家に⑦天然羊毛と田舎のレストラン
「次は羊ね。やり方は一緒よ、がんばって雛菊ちゃん」
雛菊ちゃんが羊に近づきながら羊毛を触る。
「柔らかくて暖かい」
そのまま体全体を羊毛に沈ませる雛菊。天然の羊毛ベッドは気持ちいいだろうな。僕も触ってこよう。
「「ありがとうございました」」
「いいよ。さっき梢さんたちとも話したんだけど明日父地堀と羊毛刈り挑戦しない?」
「いいんですか?お願いします」
これで明日の予定は決まったね。次のお届け先に向かう車の中で
「はい、雛菊ちゃん、さっきの写真」
「ありがとうございます。あとで二人に送っときます」
次に向かったのはレストラン。店の中は木製の家具で統一されていてランタンの明かりが店中を照らしていて雰囲気抜群。
「いい野菜が取れたからおそそわけにきたよ」
「いつもありがとうございます、梢さん・和也さん。アレ?大地君、来てたんですね」
「久しぶり、的場のおじちゃん。昨日友達の雛菊ちゃんと一緒に来たんだ。母さんと父さんは海斗がサッカーの合宿があって今回は来れないんだ」
「へえ、二人で来たんだ。初めまして、雛菊ちゃんだっけ。僕はこのレストランのコックの間と馬場昭だよ気軽に的場のおじちゃんって呼んでね」
「あんた、大地ちゃん来てるんだって」
ドドドド
店の奥から誰かが走ってきて
むぎゅ
「久しぶりだね、大地ちゃん」
「また来たよ、的場のおばちゃん」
僕に抱き着く。いつものことだからされるがままで待っていると解放してくれて
「少し大きくなったね。うんうん元気に成長しているね。でそっちの子は?」
この人は的場恵理子さん。今みたいによくかわいがってもらっている親戚のおばちゃんて感じの人。
「友達の雛菊ちゃん」
「天ヶ崎雛菊です。初めまして」
「かわいい子だね。初めまして的場恵理子、このレストランの看板娘さ。突然で悪いけどギュっとしていいかい?おばちゃんの趣味でね」
「いいですけど」
雛菊ちゃんの返事を聞くと僕と同じようにギュっと抱き着く的場のおばちゃん。雛菊ちゃんも最初は緊張してたけど少しずつ表情が安らいでくる。わかる、安心するんだよね、おばちゃんのハグ。
「うん、ありがと。これでおばちゃんも元気いっぱいだよ。あんた梢さんたち含めなんか作ってあげなよ」
「じゃあおやつ時だしデザートでも作ろうか」
的場のおじちゃんはキッチンに戻っていく。
「ほら、雛菊ちゃんカウンターに座ろ」
「えーといいんですか?」
「いいのいいの。こんなにいい野菜をもらったからね。何か飲む?」
「オレンジジュースください」
「私も同じので」
「カフェオレを一つ」
「僕はコーヒーで」
「わかりました。少しお待ちください」
的場のおばちゃんが用意してくれた飲み物を飲んで待ってると
「お待たせしました。パンケーキです。よければイチゴのソースも試してみてね」
的場のおじちゃんが作ってくれたのは2枚のパンケーキ。パンケーキの上には小さいバターが乗っていて熱で少しずつ溶けている。ナイフで食べやすいサイズにきってフォークで口に運ぶ。
「美味しい。ふわふわだ」
「はい。ほんのり甘くてバターもしみこんでて美味しいです」
「そりゃよかった」
「次はイチゴのソースも試してみよう、雛菊ちゃん」
「はい」
小瓶に入ってるイチゴのソースをかけて食べてみるけどこっちもおいしい。僕と雛菊ちゃんの食べている姿がよかったのかレストランにいた他のお客さんからもパンケーキを注文する人がいる。




