雛菊ちゃんと大空動物園に③
次は
「ほんとに動かないね」
「ええ」
ナマケモノエリア。ナマケモノは大きな木に寝そべり全く動かない。あまり動かないので人もまばらであまり人気はない。僕たちも少し見たら離れるつもりだったけど
「あ、動いた」
ナマケモノが寝そべっている状態から右腕をゆっくーーーーーり上げ始める。全然動きがなかったから、僕たち含めすべてのお客が目で追っている。ただ腕をゆっくり上げているだけなのに、なぜか全員黙って見守っちゃった。そんな不思議な光景はナマケモノが仰向けになる10分間続く。
「不思議な体験だったね」
「ええ。謎の魅力がありました」
次のエリアに向かいながらさっきの不思議な体験を雛菊ちゃんと話す。やっぱり雛菊ちゃんも同じだったんだ。あれがカリスマ性ってやつなのか?そんなことを考えていると正面からアイスを持った音の子が歩いてくる。その後ろには少し離れ両親が・・。少し警戒する。次の瞬間
「‼」
何もないところで女の子はつまずいてこけながらアイスを放り投げてしまう。まるでテレビのワンシーンだけど
「よいしょ」
ガシ
すぐに女の子に駆け寄りキャッチして、空中に浮かぶアイスもキャッチ。ふう、ラッキー
「はい、ぞうぞ」
「ありがとう、お兄ちゃん」
「緑、大丈夫?」
「ありがとうございます」
そのまま女の子は両親に連れられ去っていく。
「ねえ、今のはわかってたんですか?」
雛菊ちゃんが袖を引っ張りながら驚いた顔で聞いてくる。確かに今の動きはそう見えるよね。
「違う違う。あの女の子キョロキョロ見ながらこっちに近づいていたし、両親模範れてたからもしかしたらと構えてたんだ。ちなみにアイスに関しては偶然キャッチできただけ。無理だったら弾くか手につくだけで洗い流せばよかったし」
「へぇ」
ちょっとしたアクシデントもあったけど次の目的地に到着。
「か、かわいい。モフモフしてる」
子供のウサギと触れ合える特別広場。雛菊も色とりどりのもこもこした子ウサギに囲まれてうれしい悲鳴を上げている。僕も子ウサギに囲まれてもこもこした毛並みやそのぬくもりに癒され気が緩む。今通ってる学校には飼育小屋はないから動物と触れ合う機会はあまりないから珍しいよね。
「ほら、行くよ雛菊ちゃん」
「うん」
よほど気に入ったのか中々離れない雛菊ちゃんを引っ張りながら最後のエリアへ向かう。
「これが百獣の王ライオン」
「すごい存在感。これが肉食獣なんだね」
ここはライオンが生活するエリア。ライオンは暑いのか全員木陰で地面に寝そべっている。その姿はナマケモノと一緒だが雰囲気というかオーラが全然違う。一瞬雄ライオンと目が合っちゃったけど体がぶるっと震えちゃった。すぐに雄ライオンはまた寝始めちゃったけどちょっと怖かった。
「今大地君のことみてた?」
「だよね?体が動かなかったよ。これが恐怖なんだね。ホラーとは全然違うや」
「あれね、せいぶつてききょうふというものね」
「これで半分は見たかな。時間も迫ってるし残りの半分は次回ってことでお土産買いに行こうか?」
「ええ」
近くのお土産屋に向かう僕たち。ああ¥、楽しかった。




