二人の商人(仮)
タイトルが思いつきませんでした……
誰か良いタイトル教えて……
桃園の誓いを立てた後、三人は早速出征の準備にかかっていた。
まず劉備に親しい志願者が、続いてそれを見た他の志願者達が彼らのもとに加わった。
「私は幼い頃から剣の稽古をしていました」
「戦場では剣を使え。次!」
「私は棒術の心得があります」
「槍か大刀(薙刀)を使え。次!」
こんな具合に張飛がどんどん決めていく。
あっという間に約五〇〇名が集まった。
一方の劉備と関羽は、その五〇〇人の装備調達に困り果てていた。
張飛の貯金、劉備・関羽の少ない金では、装備を調えるなどできるはずがない。
「正直なところ、ここまで集まるとは思っていなかった」
「どうしましょうか。黄巾賊討伐のために掠奪を働くのでは、黄巾賊と変わりません」
ちょうどその時、二人の商人が面会を求めているとの知らせが入った。
「私どもは、主に馬を売る行商でございます」
「生憎ですが、我々には馬どころか、兵の鎧も食糧も調達できる金がありません」
それを聞いた商人達は、話を切り出した。
「私達は別の州に馬などを売りに向かっていたのですが、その先には黄巾賊がのさばっているのです。どうしようかと思っていたところに、貴方達が出兵の準備をしていると聞き、黄巾賊に奪われるくらいならばと、こうして参った次第です」
「しかし、本当に金が無いのですよ」
「ですから、『投資』をさせていただきます。いずれ貴方達が一国一城の主になったとき、利子を付けて返していただきたい。どれほど時間が掛かっても結構ですので」
結局、劉備達は、商人達から馬や金、鉄等を借り受けた。
早速鍛冶師を呼び、劉備は二振りの剣、関羽は八二斤(一斤約二二二・四グラム、八二斤で約十八キロ)の青龍偃月刀、張飛は丈八蛇矛(一丈八尺、約四・四メートル)をつくらせた。
こうして、劉備達の初陣へと、順調に近づいていった。