再会にはきっかけが必要〈Day0〉
こんにちは。
作者の霊翠といいます。
この場にはいませんが、とある友人と共に書かせてもらってます。サークルでは無いです。
今回はこの作品を見つけて頂きありがとうございます。
この作品では2人のオリジナル主人公が出てきます。
そのうち二次創作をだします。
キャラクター紹介
・星躔 槐夢
女性研究員。凍明の先輩?
好きな物はエナドリと読書。
謎の生物を創ったのには何か理由がある、はず。
・氷彗 凍明
男性研究員。槐夢の後輩?
好きな物はオレンジジュースと研究。
槐夢とはゲーム友でもある。
・謎の生物
生態が謎に包まれている生物。
適応能力が高いと思われる。
β、y、R、α、Ω、V、z、Q、w、X、γ、Oがいる。
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31XX年のニューヨーク某所。
やや肌寒くなってきた頃。
事件は起きた。
「…。」
「これは久しぶりにやらかしたかな?」
目の前には煙が立ち込めてるせいで視界が悪い。
煙が目に染みて涙が滲む。
換気扇をつけて煙を霧散させる。
「…これは参ったね。」
よく分からない白い生物が目の前に居た。
「失敗とは真理への最も近い道だとしても、禁忌に触れてしまうようなことはしたくないな。」
生命の錬成とは、最も有名な禁忌だ。
「とは言えど、対処さえ出来れば問題ないでしょう?」
「実験には何時だって犠牲が必要なの。」
流石にこれを隠し通すのは難しい。
元々隠し通すつもりはなかったので大人しく所長の元に行く。
「…やっぱり所長は頭が固いね。」
「いつも何時も仕事を押し付けるのに。」
所長に報告したら怒鳴られた。それも酷く。
おまけに研究をするやつが増えるらしい。
これ以上無能を増やさないで貰いたいな…
揃いも揃って所長の趣味の女性ばかり。
新しい人はまともだといいけれど…
______
数週間が経って分かったことがある。
まず、この謎の生物(この場ではβと呼ぶ)は、見た目が猫に似ているが、その性質は似ても似つかないということ。最初に魚をあげてみたのだが拒絶された。よく考えてみれば猫のような見た目と言うだけであって足にあたるであろう部位がタコのようになっているなどかなり違う面があった。しかしそれならば何を食べるというのか。1人研究室で頭を悩ませる。ここの所ずっと仕事、仕事、仕事の働き詰めだ。段々と涙が流れてくる。最近涙腺が脆くなってきた気がする。歳のせいじゃない事を願いながら柄でも無いので流れた涙を裾で拭う。目元を拭っていたその時、ドアが開く音がした。
「誰?ノックするのように言ってあるはずよね?」
そこに居たのは______
「…誰?」
「おい、忘れたのか?」
「悪いけれど髪の一部だけを染める様な知り合いは記憶に居ないわ。」
「それは流石に酷いだろ。」
「居ないものは居ないもの。」
「この写真の奴は知ってるだろ?」
「あぁ、学部が同じだった後輩の子ね。」
「ん?まさか…後輩くん?」
「はぁ、思い出すのが遅いな。」
「久しぶりね、後輩くん。」
「その呼び方をやめろ。」
「痛いな。デコピンしなくてもいいじゃない。」
「それで?どうして後輩くんがここにいる訳?」
「所長から聞いてないのか?」
「後輩くんが新しく入るって人?」
「それでひとつ質問いいか?」
「なに?」
「そこに居る白い生物はなんだ?」
「さぁ?私も分からないの。」
「それが研究対象かよ。」
「一応、ね。」
「一応…?」
「別になんでもないわ。」
「これは禁忌じゃないのか?」
「厳密には違うの。」
「対処出来るならいいの。創れるなら消せるからね。」
「それでこいつの名前は?」
「名前?」
「研究する上で必要だろ?」
「そうね。一応βと呼んでるけど。」
「βか。」
「βよ。」
「…こいつと研究するのか…」
「何?そのため息は?」
「泣きたくなってきた。」
「奇遇ね、私もよ。」
「それにしても随分と雰囲気が違うわね。」
「個性出したかったんだよ。」
「出過ぎじゃない?髪水色なんだしかなり個性あったと思うけれど?」
「…薄かったんだよ。」
「そう、なら私も染めようかな。」
「必要ないだろ。」
「後輩くんで薄いなら私なんて無いに等しいでしょ?」
「黒髪は逆に目立つんじゃないか?」
「そう?」
「その目の包帯もあるし要らないだろ。」
「そういうことにしておいてあげる。」
「ところであの子は?」
「学部が同じだった子。」
「名前は…草薙だったかしら?」
「風の噂で聞いたところによればホストしてるらしいぞ。」
「へぇ…何があるか分からないわね。」
「とりあえず、エナドリ買ってきて?」
「は?」
「このところ働き詰めでね。」
「優しい、優しい後輩くんなら買ってきてくれるよね?」
「はぁ、他には何がいるんだ?」
「大体のものは揃っているから平気だよ。」
「本格的に研究するのは明日からにする予定だからね、色々と準備しておいたんだ。」
「なんでその時にエナドリを買わなかったんだよ…」
「まぁまぁ!」
「とりあえず今日はお使いが終わったらそのまま寝てくれて構わないから、明日の研究でヘマはしないでね?」
「そんな事分かってる。」
「あ、βが逃げようとして…ない?」
「βは大人しいのか?」
「……待って、めっちゃ柔らかい。」
「βって柔らかいのか?」
「お餅みたい……」
「βって生物だよな?」
「…多分?」
「持ってみなよ。」
「…β暴れてないか?」
「ん?本当だ。」
「βにすらも嫌われるのか…」
「痛ってぇ!?!?」
「え?」
「βに殴られた!」
「あはは!」
「どんだけ嫌われるのか検証する?」
「なんて、冗談だから早くお使い行ってきて。」
______
「…槐夢、昔は包帯つけてなかったのにな……」
______
「おい、買ってきたぞ。」
「ありがと。」
「もう帰っていいよ。おやすみ。」
「…おやすみ。」
Day0終了
ここまで見ていただいてありがとうございます。
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さて、この話の中でβと言う言葉は何回出てきたでしょうか?
更にもしも星躔や氷彗に聞きたい事があれば教えてくださいね。気が向いたら答えてくれるかもです。