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機械仕掛けの英雄譚  作者: 十六夜 秋斗
Prequel<B>,『セピアの過去』
319/476

319,

 2003/1/20 <log>   1/2


 《対南方前線・A-500区域(エリア)

 《前方十一時の方向に敵アーティファクトの存在を確認》


「全員、臨戦態勢! 南方のアーティファクト共は一匹も逃すんじゃねえ!」

「「了解」」

「アキラ、左から攻められるか?」

「あ? わかった……」

「アキラー、こっちの補助も頼むー」

「え?」

「「アキラ、ヘルプ!」」

「ちょ……ちょっとまってくれ! そんないっぺんに補助にまわれるわけないだろ!?」

「だって……」

「この前の戦いでかなり活躍してただろ? アキラ」

「リューンがお前の補助が楽だったって、」

「ヨウスケもそう言ってたぞ?」

「……だからって、お前らなぁ」

「アキラは頼りやすいから」

「なんか――“お兄ちゃん”って感じがするよな。うまく言えないけど」

「それな〜」

「わかる」

「……なにバカなこと言ってんだ、お前らは。てかいずれにせよ、今日は無理だ」

「「え〜」」

「『え〜』じゃねえさっさと仕事しろ」


 《燃料残量90%超》

 《戦闘プログラムを起動》


「ったく、頼りになんない先輩たち(・・・・)だなぁ」

「あ、そっか……俺たちのほうが先輩なのか」

「アキラのほうが年上感があったな〜」

「……はあ」


 《固定モーションA》

 《起動中》

 《起動中》


「じゃあ行くぞ。ある程度はまあ……援護する」

「なんだ、結局手伝ってくれるんじゃねーか」

「よろしくな! おにーちゃん」

「……うっせ」

『タンッ!』


 《前方敵影を補足》

 《固定モーションB》


「セイッ!」

「おい、そっち行ったぞっ」

「逃がすんじゃねーぞ!?」


 《後方敵影を補足》


「後ろから敵! 固まんな、散れっ」

「じゃあ前の方は任せたぞ、アキラ」

「了解」


 《演算中》

 《視認範囲の敵影を殲滅》


「ふうっ……」


 《視認範囲の敵影を補足中》

 《補足中》

 《補足中》


 ――早くあいつらのとこに……


 《補足――

 《後方敵影を補足》


「っ!? ヤバい――」


 《固定モーションA》

 《後方敵影を補足》

 《前方敵影を補足》

 《後方――


「囲まれたってか……」

『アキラ!? 応答がないが大丈夫か?』

「あー……大丈夫、どうにかする!」

 ――こんなとこで……倒れてたまるかよ


 《固定モーションB》


『アキラ、早く後方へ退け』

「わかってる!」

「戻りたいのは山々なんだが、敵がっ……」

『ああ? お前……おいっ、危ないぞ!』

「……?」

『アキラ気をつけろ』

「っ……な、にがだよ」

『今そっちに、『死神』が向かって――』

「……しに、がみ?」


「――」


「うわっ!?」

 ――なんだ? 誰……え? 今突然上から降ってきて……

「お……まえ、」

「……」


 《視認範囲の敵影を殲滅》

 《演算中》


 ――敵が消えた……? なんで

 ――違う。消えたんじゃなくてこれ、

「……灰?」

「……」

「え、えっと、」

「……」

「あんたが助けてくれたのか?」

「……」

 ――え、なんも言わないんだけど? こいつ

「と、りあえず、ありがとう! マジで助かっ――、」


「近づくな。殺すぞ」


「っ!?」

 ――ええ〜?

「ごめん……えと、握手しようと思っただけで」

「触るな」

「あ、はい」

 ――怖い……何こいつ

「えっと、助けに来てくれたん――だよな?」

「……」

「マジでありがとう! いやほんとピンチだったから、助かった」

「……」

「うえ〜……あー! 俺はアキラ、見ての通りの『Ⅰ型』アーティファクトだ。えっとあんた名前は? てか、さっきのアレってなんだったんだ?」

「……」

「おーい……」

 ――なんか言えよ

「……お前、」

「お! なんだ?」

「前に出すぎだ。他の奴らは後ろで展開している。お前も早く戻れ」

「……はい」

 ――怖っ。無表情めっちゃ怖いこいつ

「さっさと行け……死にたくなかったら」

「……あー、はい。てか、あんたはどこに行くんだ? 前に出すぎるのは危ないって、言ったのはあんただよな」

「さっきの奴らの残りを片しに行く。いいから早く戻れ」

「……了解」

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