表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ4巻発売中!】お局令嬢と朱夏の季節~冷徹宰相様との事務的な婚姻契約に、不満はございません~【書籍化】  作者: メアリー=ドゥ
新婚旅行編・前編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/100

おまけ:伯爵夫人は心配なので。【告知あり】

「ねぇ〜ボンボリーノぉ〜?」

「ん〜? どうしたんだいハニー!」


 アレリラ達が、ペフェリティ領を訪れる少し前のこと。

 就寝前に、アーハが声を掛けて来たので、ボンボリーノは笑顔で答えた。


「エティッチちゃんのことなんだけどぉ〜」


 ぽん、と跳んできたアーハを受け止めつつ、ベッドに押し倒されたボンボリーノは首を傾げる。


「ロンダリィズ伯爵のとこの〜?」

「そぉなのよぉ〜! この間会った時にぃ、ウルムン子爵とお見合いしてぇ、今文通してるって恋する乙女の顔をしてたのよぉ〜!」


 何故かボンボリーノに馬乗りになったまま、アーハは「きゃー!」と楽しそうに顔を両手で覆う。


 ーーーハニーは今日も可愛いなぁ!


 そんな風に思いながら、うんうんと話を先に促すと、彼女はコロッと困った顔に変わる。

 コロコロと表情が変わるのも可愛い。


「でもぉ〜、お相手はウルムン子爵でしょぉ〜? 大丈夫かしらぁ〜?」

「大丈夫なんじゃな〜い?」


 アハハ、とボンボリーノは軽く答えた。


「だって、ロンダリィズ伯爵や夫人が許したんでしょー?」

「それはそうなんだけどぉ〜。あの人、仕事は出来るけどコミュ障だしぃ〜。ボンボリーノが嫌いだしぃ〜。心配なのよぉ〜!」

「え〜?」


 ーーーそっかー、ウルムン子爵ってコミュ障なのか〜。


 コミュ障が何なのか分からないが、アーハが言うならそうなんだろうから、ボンボリーノは頷いた。

 けど、何でボンボリーノのことが関係あるのかが分からなかったので、そのまま聞いた。


「何でオレが嫌いだとダメなの〜?」

「だってぇ〜、アナタが嫌いな人って不幸になるじゃないのぉ〜!」

「そうだったっけ〜?」


 ぷくぅ、と膨れたアーハが、大きな胸を押し付けて顔を寄せてくるので、何となく頭を撫でておく。


 ボンボリーノは、イヤなことは考えないし忘れちゃうから、関わらない人のことを、あんまり気にしたことがない。

 けど。


「オレ、ウルムン子爵は苦手だけど嫌いじゃないよ〜?」

「え〜? そうなのぉ〜?」

「うん。何であの仕事してるのかは分かんないし、キレるとこも分かんないけど、別に嫌いじゃないかな〜?」


 理由は自分でもよく分からない。

 基本的に何となくとノリで生きてるので、言葉で説明しろって言われても出来ないけど、苦手なだけで、嫌いじゃない気がした。


 ボンボリーノ的に、ウルムン子爵は『一人で好きなことしてる』のが性に合ってるタイプなのに、何でか人と関わろうとして失敗してる人、みたいなイメージである。


 実際、なんか薬草を栽培する関係のことで凄い、みたいな話を聞いた気もするし。

 

「だから大丈夫じゃない〜?」

「そうねぇ〜、ボンボリーノがそう言うなら大丈夫かしらねぇ〜!」


 何でか、アーハが安心した顔をしたので、ボンボリーノもますます口元が緩む。


「ウルムン子爵ってさー、昔から結婚したそうだけど、何で何だろうねぇ〜?」


 話が終わったっぽいので、ボンボリーノは気になったことを、またそのまま口にした。

 ついでに、今覚えた言葉を使ってみた。


「ウルムン子爵って、コミュ障なのに結婚もしたそうだし、人と話したそうだよねぇ〜。何でなのかなぁ」


 すると今度は、アーハが目をパチクリさせる。


「そんなの、人と話すのが好きだからじゃないのぉ〜?」

「え〜。人と話すの苦手そうなのに〜?」

「好きか嫌いかと、得意か苦手かは関係ないんじゃない〜? ボンボリーノだって、下手くそだけどビリヤードとか乗馬とか好きじゃないのぉ〜」

「確かに!」


 言われてみれば、好きと苦手は関係ないかも知れなかった。


「ハニーは賢いなぁ!」

「ボンボリーノがおバカなだけでしょぉ〜!」


 そんな風に、いつも通りにアハハ、と笑い合って。

 そのまま、ボンボリーノはアーハとイチャイチャした。


 いつも通りで、とても幸せな気分だった。

 


告知ですー! 6/1に、『お局令嬢と朱夏の季節〜冷徹宰相様との事務的な婚姻契約に、不満はございません〜』の第1巻が発売となります。


出版社はアーススター・ルナ様、イラストレーターはShabon先生です!


こちらが書影になりますー!


挿絵(By みてみん)



アレリラもボンちゃんもアーハも可愛くて、イースティリア様はめっちゃカッコよく描いていただきました!


書籍版の書き下ろしはイチャイチャ成分マシマシなので、こちらもどうぞよろしくお願いいたしますー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 昔から、「下手の横好き」ということわざがあるように、苦手な事でも「やりたい」と思って行動するのは、別に変な事ではないんですよね。 アーハさんとボンボリーノさんはそういうところ、やっぱり鋭い…
[良い点] ほのぼの~ [一言] ぼんぼりーのは無自覚な賢者って感じですね。
[良い点] ボンボリーノ & アーハが新婚旅行編でも沢山見られてとても嬉しいです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ