9.尊い…
そして、王城へと到着した。
そこそこ入口は混んでいる。こういう時は、大抵身分順で入るものだが、この式の時だけは違った。
身分関係なく早い順で通されるのである。さすがに、身分順で通していると時間がかかりすぎるからだろう。
普段なら多少時間がかかっても問題ないが、今はこの後に子供たちの判定が待っているのだからあまり時間がかけられないのも納得できる。
体感時間で約10分程度経過し、やっと建物の中に入ることができた。
(さすが王城。)
内装は豪華絢爛。金と青を基調に、豪華だが品よくまとめられている。
(うちも、結構豪華だとは思ってたけど。さすがに王城とは比べ物にならないなぁ。)
どちらにせよ、前世の家に比べればかなり豪華なのには変わりないのだが。
内装を物珍しげに眺めつつ、ホールへと到着する。そこには、既に8人ほどの子供たちが集まっていた。
今日は、12人が参加すると聞いている。どちらかと言うと遅い方の到着だったようだ。
私の席は、最前列の三席のうち一番左だった。母が私の順番は1番最後だと言っていたため、後ろから番が回っていくのだろうと予想された。
隣の子はまだきていないため、私は周りをそれとなく見回す。と言っても、完全に後ろを向くわけにもいかないため首を回してもギリギリセーフなところまで回し、後は全力で目を動かして見たのだが。
(知らない顔ばっか。)
当たり前だ。これが終わらないと社交界デビューはできないのだから。なんならこれがお披露目も兼ねているのである。
と、二人だけ見知った顔を見つける。その二人は、並べられた席に座っていた。訳ではなく、目の前の壇上の向かって左側に座っていた。
(第一王子と第二王子!!やばい、かっこいい!!)
元高校生の私からしてみればかなり幼いが、それでも溢れ出るイケメンオーラがある。
「尊い…。」
思わず、思っている事が口から出てしまった。
すると、第一王子がこちらを見て、第二王子に何か声をかける。
さすがに見つめすぎたらしい。二人ともこちらを見てしまった。
どうしようもないので、誤魔化すかのようににっこりと笑っておいた。ついでに、できるだけ自然に見えるように視線を外す。
見つめすぎると、イケメンオーラが眩しくて仕方ない。目が合っているなど、辛すぎる。
この第一王子と第二王子は乙女ゲームの攻略対象その一とその二である。第一王子の名前はアラニブル、第二王子の名前はメレブラウだ。
二人とも、金髪碧眼のイケメン。髪はメレブラウの方が若干黄色味が強いような気もするが、大きな差はない。
アラニブルは肩にかかるかかからないかぐらいのサラサラストレートヘア。メレブラウはちょっとくせっ毛のショートカットだ。
(髪型は学園の時と変わらないんだ。)
ちなみに、アラニブルが三個上、メレブラウが一個上である。どちらも婚約者は今の段階ではなし。これは、昨日母から教えてもらった。
(だから何だって感じだけどね!)
そんな言葉なき攻防(?)を繰り広げているうちに人が揃ったらしい。
隣の子もきていた。とても可愛い女の子だったので是非とも仲良くさせてもらいたいところだ。
そして、司会者らしき人がやってきて言った。
「これより、春の魔力属性判定式を執り行います。」
話がなかなか進まなくてすみません汗
魔力属性判定式兼説明パート等々が終わりましたらサクサク進めたい!と思っておりますっ!